キミと行く。
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金色の髪を持つ少年は名前が無いらしい。
どうしてだろうと思っていたら私が何を考えているのか気付いたのか
「俺の周りにはそんな事をする奴はいないから」
と、言われてしまった。
なんと悲しい答えなのだろうか
そう思い、ちょうどよいタイミングで浮かんだ提案を彼に伝えた。
「だったら私に君の名前をつけさせて」
「・・・勝手にしろ」
*
「じゃあ、君は私といる時はアーサーね」
自分で提案しておき、目の前に座る少年の名前を考えて一時間は過ぎた頃にリンネは言った。
「変な名前」
「え…?!そ、そんなに変かなぁ」
そんな事はないという否定の言葉を期待していたリンネだったが少年はしっかりと縦に首を振っている。
「そ、そっか
変か」
アントーニョさんは一発で気に入ってくれたんだけどな
と呟けば少年は「アントーニョ、さん?」と首を傾げる。
そんな少年にリンネはアントーニョと他、一緒に住む者達の紹介をした。
「ローマさんは私の雇い主さんみたいな人でねイタリアちゃん達はそのお孫さんなの」
くるくると表情が変わる。
「フランスさんは面倒見のいいお兄さんでアントーニョさんはスペインって本当の名前があって」
楽しげにくるくると
どこか遠い。
「でも色々あってスペインさんと二人の時はアントーニョさんって呼んでるの」
ずるい
ずるい
・・・どうして?
『どうしてずるいなんて思うんだ?』
背後から自分の気持ちを指摘するそっくりな声が聞こえた。
少年は勢いよく背後を見る。
が、そこには何も存在しない。
「じゃあ君の名前どうしようか」
わさわさと優しく頭が撫でられる。
気持ちいい
暖かい
アントーニョさんは一発で気に入ってくれたんだけどな
リンネの呟きが少年の頭に反芻する。
「・・・でいい」
「え?」
「アーサーでいい」
「でもアーサーは変なんだよね」
「変じゃなくない」
そう、少年が言い切るとリンネは優しくほほえむ。
「君は優しい子だね」
ちゅっと音をたて、額にキスが落とされる。
みるみるうちに赤くなる少年の顔。
真っ赤な少年の顔がリンネには林檎に見えた。
「優しい上に可愛い子」
優しげな笑みを浮かべリンネは言った。
リンネの言葉に少年は酸欠の魚の様に口をパクパクさせる。
少年をこの様な状態にしたのは自分だなんてリンネが気付くわけでもなく、リンネ「魚の真似?上手だね」なんて言っている。
少年は耐えられなかった。
とても恥ずかしくて耐えられなかった。
少年は身につけていた羽織を確りと体に巻き付け丸くなる。
「どうしたの?調子悪いの?」
ふわりと頭にリンネの手が添えられる。
少年はぐっと唇を噛んだ。
「~~~!
寝る!!」
そう、言い少年は余っていた羽織を頭に被る。
何か言いたげなリンネであったが一言だけ言い、リンネも眠りにつく。
「おやすみアーサー」
不器用な子供。
(それは彼の長い人生でも経験のない不測の事態)
どうしてだろうと思っていたら私が何を考えているのか気付いたのか
「俺の周りにはそんな事をする奴はいないから」
と、言われてしまった。
なんと悲しい答えなのだろうか
そう思い、ちょうどよいタイミングで浮かんだ提案を彼に伝えた。
「だったら私に君の名前をつけさせて」
「・・・勝手にしろ」
*
「じゃあ、君は私といる時はアーサーね」
自分で提案しておき、目の前に座る少年の名前を考えて一時間は過ぎた頃にリンネは言った。
「変な名前」
「え…?!そ、そんなに変かなぁ」
そんな事はないという否定の言葉を期待していたリンネだったが少年はしっかりと縦に首を振っている。
「そ、そっか
変か」
アントーニョさんは一発で気に入ってくれたんだけどな
と呟けば少年は「アントーニョ、さん?」と首を傾げる。
そんな少年にリンネはアントーニョと他、一緒に住む者達の紹介をした。
「ローマさんは私の雇い主さんみたいな人でねイタリアちゃん達はそのお孫さんなの」
くるくると表情が変わる。
「フランスさんは面倒見のいいお兄さんでアントーニョさんはスペインって本当の名前があって」
楽しげにくるくると
どこか遠い。
「でも色々あってスペインさんと二人の時はアントーニョさんって呼んでるの」
ずるい
ずるい
・・・どうして?
『どうしてずるいなんて思うんだ?』
背後から自分の気持ちを指摘するそっくりな声が聞こえた。
少年は勢いよく背後を見る。
が、そこには何も存在しない。
「じゃあ君の名前どうしようか」
わさわさと優しく頭が撫でられる。
気持ちいい
暖かい
アントーニョさんは一発で気に入ってくれたんだけどな
リンネの呟きが少年の頭に反芻する。
「・・・でいい」
「え?」
「アーサーでいい」
「でもアーサーは変なんだよね」
「変じゃなくない」
そう、少年が言い切るとリンネは優しくほほえむ。
「君は優しい子だね」
ちゅっと音をたて、額にキスが落とされる。
みるみるうちに赤くなる少年の顔。
真っ赤な少年の顔がリンネには林檎に見えた。
「優しい上に可愛い子」
優しげな笑みを浮かべリンネは言った。
リンネの言葉に少年は酸欠の魚の様に口をパクパクさせる。
少年をこの様な状態にしたのは自分だなんてリンネが気付くわけでもなく、リンネ「魚の真似?上手だね」なんて言っている。
少年は耐えられなかった。
とても恥ずかしくて耐えられなかった。
少年は身につけていた羽織を確りと体に巻き付け丸くなる。
「どうしたの?調子悪いの?」
ふわりと頭にリンネの手が添えられる。
少年はぐっと唇を噛んだ。
「~~~!
寝る!!」
そう、言い少年は余っていた羽織を頭に被る。
何か言いたげなリンネであったが一言だけ言い、リンネも眠りにつく。
「おやすみアーサー」
不器用な子供。
(それは彼の長い人生でも経験のない不測の事態)