キミと行く。
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「ヴェッ、ヴェッ」
変わった鳴き声を出しながらヴェネチアーノは後ろから追いかけてくる兄から逃げていた。
後ろからは「待てーコノヤロー」と言う声が聴こえてきて、そのたびにヴェネチアーノは小さく悲鳴を上げて逃げる速度を上げる。
それを何度も繰り返していたのだが、もう限界だった。
しかも朝食を食べてすぐに走ったせいなのか横っ腹が痛む。
「次、角で曲がったら何処か部屋に入ろう」
そう思い、また速度を上げてヴェネチアーノは角を曲がった。
「待てよ!ヴェネチアーノ!!」
扉ごしから聞こえる兄の声は少しずつ遠ざかっていく。
そしてしばらくすると足音も消え、静かになった。
「ヴェ~何とか兄ちゃんから逃げれた」
安堵の息をつき、ヴェネチアーノは辺りを見渡す。
「こんな部屋もあったんだ」
兄、ロマーノと一緒に使う部屋とは違いこじんまりした部屋。
置いてある家具からして客室か何だろうなと考える。
「・・・もう、兄ちゃんいないよね?」
そっと、扉を開けて外を確認する。
いる気配がないのを確認し、ヴェネチアーノは今の内にと部屋を出ようとした。
「う~ん・・・誰かいるの?」
不意に声が聴こえ、ヴェネチアーノはびくっと体を振るわせた。
この部屋に人がいた事に驚き恐る恐る振り返る。
もぞっと窓の側に置かれたベッドで何かが動いた。
いつもならすぐに逃げるのだが、好奇心が体を動かす。
「あの、僕・・・」
ベッドの側まで来て止まった。
相手は誰か分からないけど勝手に部屋に入った事謝らなきゃ
そう思い、ヴェネチアーノが口を開きかけると、ベッドの周りを囲ってかかった薄い布が動き、開いた隙間から手が伸びてきた。
その手はそっとヴェネチアーノの頬に触れる。
「あら、可愛いお客様」
「あの、勝手に入ってごめんなさい。すぐに部屋から出るから」
わたわたとヴェネチアーノは慌て部屋から出ようとした。
その動きを制止させる静かな声。
「いいよ。別に怒ってないから
それより」
「わぁっ?!」
抱き上げられ、相手が寝ていたベッドに下ろされた。
ベッドには昼の温かな日差しが眠気を誘う。
「一緒に寝よ・・・」
そう言って、寝息が聴こえた。
あ、この人寝惚けてたんだ。
そう理解したヴェネチアーノだったがベッドから逃げようとはしなかった。
それどころか相手と距離を詰め寄り添う。
「少し位良いよね」
瞼が重い。
ふわふわと温かい夢が手を振る。
「おやすみお姉さん」
*
「誰だよこいつ・・・」
目の前にはベットですやすやと眠る弟と見知らぬ女。
何故こんな事になっているのか分からず、ロマーノは頭を傾げる。
「気持ち良さそうに寝やがって」
むかつくと、頬をつつけば「えへへ」といったいどんな夢を見ているのかへにょりとヴェネチアーノは笑っていた。
「・・・変わった顔してるなこいつ」
ヴェネチアーノから彼を抱き締めて眠る女に興味を移し、じっと観察した。
真っ黒な黒髪、に白いバター肌に彫りの浅い顔つき。
一見見ただけで分かる俺たちとの違い。
だが、別にその違いに嫌悪感を抱くわけでもなくそれよりも
「ヴェネチアーノだけずりぃ」
呟きベットへ上がる。
ベットに寝転べはいい感じに日差しが当たった。
気持ちいい。
それに穏やかになる。
さっきまで怒ってヴェネチアーノを追いかけていた筈なのに昼の暖かな日差しはロマーノの怒りを忘れさせ眠気がこんにちはをした。
ばいばい怒り、いらっしゃい眠気。
(目をつむれば眠気は夢の案内役)
変わった鳴き声を出しながらヴェネチアーノは後ろから追いかけてくる兄から逃げていた。
後ろからは「待てーコノヤロー」と言う声が聴こえてきて、そのたびにヴェネチアーノは小さく悲鳴を上げて逃げる速度を上げる。
それを何度も繰り返していたのだが、もう限界だった。
しかも朝食を食べてすぐに走ったせいなのか横っ腹が痛む。
「次、角で曲がったら何処か部屋に入ろう」
そう思い、また速度を上げてヴェネチアーノは角を曲がった。
「待てよ!ヴェネチアーノ!!」
扉ごしから聞こえる兄の声は少しずつ遠ざかっていく。
そしてしばらくすると足音も消え、静かになった。
「ヴェ~何とか兄ちゃんから逃げれた」
安堵の息をつき、ヴェネチアーノは辺りを見渡す。
「こんな部屋もあったんだ」
兄、ロマーノと一緒に使う部屋とは違いこじんまりした部屋。
置いてある家具からして客室か何だろうなと考える。
「・・・もう、兄ちゃんいないよね?」
そっと、扉を開けて外を確認する。
いる気配がないのを確認し、ヴェネチアーノは今の内にと部屋を出ようとした。
「う~ん・・・誰かいるの?」
不意に声が聴こえ、ヴェネチアーノはびくっと体を振るわせた。
この部屋に人がいた事に驚き恐る恐る振り返る。
もぞっと窓の側に置かれたベッドで何かが動いた。
いつもならすぐに逃げるのだが、好奇心が体を動かす。
「あの、僕・・・」
ベッドの側まで来て止まった。
相手は誰か分からないけど勝手に部屋に入った事謝らなきゃ
そう思い、ヴェネチアーノが口を開きかけると、ベッドの周りを囲ってかかった薄い布が動き、開いた隙間から手が伸びてきた。
その手はそっとヴェネチアーノの頬に触れる。
「あら、可愛いお客様」
「あの、勝手に入ってごめんなさい。すぐに部屋から出るから」
わたわたとヴェネチアーノは慌て部屋から出ようとした。
その動きを制止させる静かな声。
「いいよ。別に怒ってないから
それより」
「わぁっ?!」
抱き上げられ、相手が寝ていたベッドに下ろされた。
ベッドには昼の温かな日差しが眠気を誘う。
「一緒に寝よ・・・」
そう言って、寝息が聴こえた。
あ、この人寝惚けてたんだ。
そう理解したヴェネチアーノだったがベッドから逃げようとはしなかった。
それどころか相手と距離を詰め寄り添う。
「少し位良いよね」
瞼が重い。
ふわふわと温かい夢が手を振る。
「おやすみお姉さん」
*
「誰だよこいつ・・・」
目の前にはベットですやすやと眠る弟と見知らぬ女。
何故こんな事になっているのか分からず、ロマーノは頭を傾げる。
「気持ち良さそうに寝やがって」
むかつくと、頬をつつけば「えへへ」といったいどんな夢を見ているのかへにょりとヴェネチアーノは笑っていた。
「・・・変わった顔してるなこいつ」
ヴェネチアーノから彼を抱き締めて眠る女に興味を移し、じっと観察した。
真っ黒な黒髪、に白いバター肌に彫りの浅い顔つき。
一見見ただけで分かる俺たちとの違い。
だが、別にその違いに嫌悪感を抱くわけでもなくそれよりも
「ヴェネチアーノだけずりぃ」
呟きベットへ上がる。
ベットに寝転べはいい感じに日差しが当たった。
気持ちいい。
それに穏やかになる。
さっきまで怒ってヴェネチアーノを追いかけていた筈なのに昼の暖かな日差しはロマーノの怒りを忘れさせ眠気がこんにちはをした。
ばいばい怒り、いらっしゃい眠気。
(目をつむれば眠気は夢の案内役)