双子と弁当屋の娘
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「トウコの嘘つき」
不機嫌なトウヤの声にノボリとクダリと仲良さげに話すサクラを眺めていたトウコは何事かと振り向く。
「何、
拗ねた顔をしてるのよトウヤ」
何時もの落ち着きぶった彼の表情は何処へやら、小さな子供の様に頬を膨らませたトウヤの表情にトウコは思わず笑いを漏らす。
「さっきはノボリさんに応援だけはするって言ってたくせに」
応援だけ所か三人の関係を修復する手伝いをトウコはしていた。
トウヤとトウコの二人とは少し離れた所で何やら楽しげに話をしている三人の姿をちらりと見たトウヤの表情はますます不機嫌になっていく。
「トウヤってば仲良さげな三人に嫉妬してるの?」
いつもの余裕のある言動は何処にもなく、サクラの笑い声が聞こえる度そちらの様子を伺うトウヤの姿がトウコはおかしくて仕方がない。
「始めはノボリさんもクダリさんも自分達の好敵手にならないって言ってたくせに」
「だって、あの時はサクラさんはそんなに二人と親交はなかったしあの二人は二人でサクラさんを良くて知り合い位にしかしか思ってなかったから・・・!」
ならないと言うよりは好敵手になる程の付き合いが三人にはなかった。
「だけど、トウコ。
ギアスステーションで聞いただろ?」
『私達は誰よりもアスカ様の事を知っていたかったのでございます』
「相手の事を知りたいって只の友人にそんな事考えたりしない」
「じゃあ、ノボリさんとクダリさんはサクラさんに対して恋愛感情を抱いていると?」
「俺が考えるに多分・・・まだ芽生えたばかりで本人達に自覚はないだろうけど」
口を尖らせ、俯いたトウヤをトウコは見つめる。
「・・・嘘つきはどっちよ」
ぼそりと聴こえた音にトウヤはトウコに何か言ったか尋ねた。
その問いにトウコは笑顔で「何が?」と聞き返し、おかしいなと頭を傾げるトウヤに幻聴だろうと彼女は言う。
「でも、今確かに」
幻聴だろうと迄言わしておいてまだ気にしている様子のトウヤ。
その彼を呼ぶ声。
「トウヤ君!」
恋敵に成りうるやも知れぬ相手と楽しげに話をしていたサクラの呼ぶ声にトウヤは表情を何時もの余裕ぶったものに変えて彼女の元へと向かった。
そんな彼の背中を眺めるトウコ。
「自分だって最近までサクラさんの事が好きかも分かってなかったくせに」
嬉しげにサクラと話す自身の片割れに対してトウコは再度、悪態を吐いた。
「トウヤの嘘つき」