双子と弁当屋の娘
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「私って、カッコ悪いなぁ」と呟いたサクラは渇いた笑みを溢しまたしても両手で顔を隠した。
アトラクションと同様にレストランが数多く並ぶ遊園地にお弁当を作って持っていこうと思ったのは多分、テレビの影響。
ドラマかCMかで手作りのお弁当を仲の良い家族が遊園地で食べているのを見て少し憧れた。
遊園地が初めてでもあったから頭も浮かれていたんだと思う。
『・・・その、お二人はもう昼食はお済みなんですか?』
自分が発した声が動揺もなく何時も通りだったので褒めてやりたいと本当に思った。
何時もの声に
何時もの表情
それを発して、浮かべて
『はい、駅員の方々が仕事を頑張って下さったおかげで予定より時間が空きまして』
『そしたら事務の女の子達がお弁当くれたんだー良かったら食べて下さいって』
『そうなんですか』
心の中で一粒、
涙を溢した。
やっぱりその後も何時もの声と表情で嘘を吐き、その場を遣り過ごす。
誰を責めようか
誰が責められようか
否、誰も悪い人はいない。
ノボリさんとクダリさんはたまたま心優しい職員の方にお弁当を貰い、私はたまたまお弁当を作って来ていた。
只それだけ
そのたまたまな偶然の重なり合わせは責めても仕方がない事で、
私はお弁当を捨てました。
ゴミ箱の暗い闇の中に消えていくお弁当とその中身。
周りは自分の感情とは逆に楽しげで、それが私を惨めな気持ちにさせていく。
この事はお二人に黙っておく事にしよう。
捨てたお弁当の事を後から話してもお二人を困らせるだけ
だったらずっと黙っていよう
と、思っていたのに
そうは上手くいかない。
『赤マスの事は納得出来たけどこの嘘だけ分からないんだ』
そう言って出されたのは無惨にもぐちゃぐちゃに形の崩れたおかずと弁当箱の写真。
『どうして僕達にそんな嘘ついたの』
『それは、』
黙っておこうとしていた嘘があっさりとお二人にバレてしまった。
厳しい眼光で私を見る二人。
私は何も答えられ無かった。
答えなくちゃいけない。
けど答えてお二人と今までの様に付き合えなくなるかもしれない可能性が私は恐かった。
『それは『お前等に気を使ったこいつが吐いた嘘だよ!!』』
私が答えを詰まらせている間にゾロアークがノボリさんを攻撃していた。
ゾロアークの"だましうち"をまともに後頭部で受けて倒れるノボリさんを見て驚くのと同時に私は心の何処かで安心してしまう。
今日はこれ以上問い詰められないと思ったから
『当分は忙しいな』
後日、見舞いに来てくれたギアスステーションの所長さんがそんな事を言っていて私はまたしても安心する。
仕事が忙しければ当分、二人とは会うこともないだろう。
会わなければ弁当の話題も忘れるかもしれない。
それまでは・・・
「せっかく、お二人に気付かれないよう捨てたのに」
事を知られて、結局ノボリさんとクダリさんは私に向かって頭を下げている。
こんな事になってほしくなかったから嘘を吐いて、隠して、黙っていたというのに
「結局、無駄になる何て
今の私って凄くカッコ悪いと思いませんか?」
無駄どころか事態をややこしくしただけだ。
アトラクションと同様にレストランが数多く並ぶ遊園地にお弁当を作って持っていこうと思ったのは多分、テレビの影響。
ドラマかCMかで手作りのお弁当を仲の良い家族が遊園地で食べているのを見て少し憧れた。
遊園地が初めてでもあったから頭も浮かれていたんだと思う。
『・・・その、お二人はもう昼食はお済みなんですか?』
自分が発した声が動揺もなく何時も通りだったので褒めてやりたいと本当に思った。
何時もの声に
何時もの表情
それを発して、浮かべて
『はい、駅員の方々が仕事を頑張って下さったおかげで予定より時間が空きまして』
『そしたら事務の女の子達がお弁当くれたんだー良かったら食べて下さいって』
『そうなんですか』
心の中で一粒、
涙を溢した。
やっぱりその後も何時もの声と表情で嘘を吐き、その場を遣り過ごす。
誰を責めようか
誰が責められようか
否、誰も悪い人はいない。
ノボリさんとクダリさんはたまたま心優しい職員の方にお弁当を貰い、私はたまたまお弁当を作って来ていた。
只それだけ
そのたまたまな偶然の重なり合わせは責めても仕方がない事で、
私はお弁当を捨てました。
ゴミ箱の暗い闇の中に消えていくお弁当とその中身。
周りは自分の感情とは逆に楽しげで、それが私を惨めな気持ちにさせていく。
この事はお二人に黙っておく事にしよう。
捨てたお弁当の事を後から話してもお二人を困らせるだけ
だったらずっと黙っていよう
と、思っていたのに
そうは上手くいかない。
『赤マスの事は納得出来たけどこの嘘だけ分からないんだ』
そう言って出されたのは無惨にもぐちゃぐちゃに形の崩れたおかずと弁当箱の写真。
『どうして僕達にそんな嘘ついたの』
『それは、』
黙っておこうとしていた嘘があっさりとお二人にバレてしまった。
厳しい眼光で私を見る二人。
私は何も答えられ無かった。
答えなくちゃいけない。
けど答えてお二人と今までの様に付き合えなくなるかもしれない可能性が私は恐かった。
『それは『お前等に気を使ったこいつが吐いた嘘だよ!!』』
私が答えを詰まらせている間にゾロアークがノボリさんを攻撃していた。
ゾロアークの"だましうち"をまともに後頭部で受けて倒れるノボリさんを見て驚くのと同時に私は心の何処かで安心してしまう。
今日はこれ以上問い詰められないと思ったから
『当分は忙しいな』
後日、見舞いに来てくれたギアスステーションの所長さんがそんな事を言っていて私はまたしても安心する。
仕事が忙しければ当分、二人とは会うこともないだろう。
会わなければ弁当の話題も忘れるかもしれない。
それまでは・・・
「せっかく、お二人に気付かれないよう捨てたのに」
事を知られて、結局ノボリさんとクダリさんは私に向かって頭を下げている。
こんな事になってほしくなかったから嘘を吐いて、隠して、黙っていたというのに
「結局、無駄になる何て
今の私って凄くカッコ悪いと思いませんか?」
無駄どころか事態をややこしくしただけだ。