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双子と弁当屋の娘

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「何作ってるの?」

服を昨日の内に洗い乾かしておいたお陰で上から降りてきたNは先程の様な残念な格好をしていなかった。

台所に立つサクラはあらかじめ水で戻したワカメを食べやすい大きさに切って鍋に沈める。

「お味噌汁。

知らないかもしれないですねイッシュにはない料理だから」

サクラの言う通り、聞き慣れぬ料理名に頭を傾げるNにそう答え、ワカメが揺れ動く鍋を軽くかき混ぜる。

「後はお豆腐を入れるだけなんだけどな」

しかし一緒に朝食を食べるトウコとトウヤがいない以上、お味噌汁を完成させる事が出来ない。
火を消しお鍋に蓋をしてサクラは棚に入れていたポケモンフーズの袋を幾つか手にとって台所を出る。
するとポケモンフーズの音に気付いたのか庭で遊んでいたポケモン達は一斉にリビングに集まった。

「君はどうしてこの地方にない料理を知っているんだい」

「私は少し前までイッシュの外を旅してましたから」


大きさ、タイプ等幾つかのメンバーに分けてポケモンフーズを与えれば余程お腹が空いていたのか我先にと取り合うポケモン達。
その姿を眺め、諌めていればNの後ろから『腹減った』の声。
通路の真ん中に立つNを避け、幼く化けたその姿でサクラの肩に乗ったゾロアークは朝食は未だか彼女に尋ねる。

「一応出来てはいるけど食べるのはトウコちゃんとトウヤ君が帰ってきてからね」

『げーマジかよ』

溜め息を吐いたゾロアークの体毛に顔を埋めじゃれていればNがサクラの隣にやって来た。

「イッシュの外はどんな風になっているのか聞かせてくれないかな」

そう言ったNの瞳は昨日と違い覇気を取り戻したものだった。

「そんなに大層なものでもないですから聞いて文句を言わないで下さいね?」













一度、部屋から出て戻ってきたノボリとクダリの髪型は何時ものきっちりと纏められたものだった。

「残念」

「せっかくサブウェイマスターのだらしない姿が見れたのに」

ばっちりと寝癖が決まった二人を写真に収めようとしたトウヤとトウコはそれをノボリに止められていて、何時ものきっちりとした姿で戻ってきた二人に文句を溢す。

「トウコ様もトウコ様も私共をからかわないで下さいまし」

「別に私達はお二人をからかう気はないですよ。

ねートウヤ」

「俺達は只、珍しいサブマスの写真を現像して売り出そうと考えていただけだもんなートウコ」


「商売目的とか、からかうより質悪いね」

二人の魂胆を知り、頭を押さえたノボリの隣で欠伸をしていたクダリは来客用のソファーに座るトウコとトウヤに「そういえば」と疑問をぶつける。

「どうして二人、此処にいるの?

此処、関係者以外立入禁止」

「そうです。

そうでございます!どうしてお二人が此処にいるのでございますか?!」

トウコとトウヤがこの部屋に来て、もう何分経つのか酷く今更な二人の疑問にトウコとトウヤは自分達がここにきた目的を思い出す。

「そうだ、私達お二人に聞きたい事があったんです!

サクラさんが此処に来たくないって言ってたんですが、お二人はサクラさんに何かやったんですか?!」

「トウコ、直球過ぎだし突然過ぎるよ。

そんなに突然じゃあ何の事かお二人も」

分からない、と言いかけたトウヤの目に映ったのは床に膝をつき、打ち拉がれるノボリとクダリ。
その只ならぬ二人の様子に言葉を失うトウコとトウヤ。

「え、えっと、

取り敢えず写真撮っとく?」

二人の思わぬ反応に動揺したトウコはライブキャスターを構えるのだが、それをトウヤは止める。

「写真はもう良いから

それより」

ソファーから立ち上がり、未だ打ち拉がれる二人にトウヤは近付き、

「その反応。何か知ってるんですよね。

詳しく、

話してもらえますか?」

威圧的な笑顔を浮かべた。
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