双子と弁当屋の娘
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
サクラがトウコとトウヤに檄を飛ばしたのは四時間前。
お医者さんが今に崩れそうな本の山を見て驚いたのは二時間前で、そのお医者さんの口から検査の結果、異常もなくサクラの様子を見る限り健康体なので
「もう退院しても大丈夫だね」
とサクラが待ちに待っていた言葉をお医者さんがくれたのも二時間前。
その言葉から慌てて病室の荷物を片付け退院の手続きを済ましたのが一時間前。
お世話になった看護士や医師に挨拶を済まし荷物を自宅に運んで一息付いたのが三十分前だったろうか。
それからさらに三十分。
部屋に鳴り響くインターホンにサクラは慌てて玄関に向かう。
その間も容赦なくインターホンは鳴っていて、サクラはその度に返事をして玄関の扉を開けた。
「「ただいま!!」」
家に雪崩れ込むように入ってきたそれに押し倒されてサクラは後ろへと体を傾かせる。
その時、ゾロアに化けてサクラの肩に乗っていたゾロアークは助けてくれるかと思いきや乗っていた彼女の肩から逃れ靴箱へと飛び移り、傍観。
何時もの様に文句も言えずサクラは痛々しい音と共に玄関の床に倒れた。
*
「痛い」
そう言ったサクラの頭には氷嚢が当てられていた。
玄関の床に倒れた際に頭を打ち、たん瘤が出来てしまったのだ。
明らかに不機嫌なサクラと机を挟み、彼女に向かって頭を下げるのはトウコとトウヤ。
「「ごめんなさい」」
玄関の時と同じ様に声を揃えて謝る二人。
だがサクラの見るからに不機嫌な表情は変わらない。
「こうなったのはトウヤが勝手に扉を開けようとしたからよ!」
「それを言うなら俺が開けようとした所で自分が開けるって駄々を捏ねたトウコのせいだろ!」
「サクラさんにたん瘤作っちゃったのは私のせいだっていうの?!」
「だったら俺のせいだって言うのか?!」
先程は二人、声を揃えて謝っていたというのに今度はサクラを前に喧嘩を始める。
言い争いはだんだんとヒートアップして、とうとう二人はモンスターボールを握った。
「・・・」
がんっと眉間に皺を寄せたサクラは勢いよく使っていた氷嚢を机に置く。
「此処で喧嘩は止めてって、何度言ったら分かるのかしら」
怒りに満ちた低い声だった。
「二人が喧嘩をするからあの子達も怯えてるじゃない」
サクラが指差した先には彼女の家に住んでいる幼いポケモン達。
その幼いポケモン達は廊下への壁に隠れて此方の様子を伺っていた。
「いや、あれは」
俺達じゃなくて、怒っているサクラさんに怯えてるいるんですよと言いたかったがそんな火に油を注ぐような事を言えるわけがなくトウヤは出かけた言葉を飲み込む。
その証拠に壁から此方を伺うポケモン達はトウコとトウヤが喧嘩を始める前から、雪崩れ込む様に入ってきた二人に倒されサクラが頭を打った位からあの様子だ。
それはトウコも分かっていたのだが二人は空気を読んで再度、サクラに頭を下げた。
「「ごめんなさい!!」」
「まあ、二人には二回も謝ってもらったしもう良いや。
で、何で二人が此処にいるの?」
二人はプラズマ団の起こした騒ぎに巻き込まれてポケモンリーグにいる筈なのにその二人はサクラとライブキャスターで会話をして四時間。
まだ四時間しか経っていないと言うのに此処、サクラの家にいた。
「いやー」
えへへと笑みを浮かべて片割れと顔を合わせる二人。
「サクラさんの応援が効き過ぎちゃって」
「俺達、気付いたらNも黒幕のゲーチスも倒しちゃったんですよね」
「え、」
二人の言葉がにわかに信じられずサクラは机の上に置かれたリモコンを掴みテレビの電源をいれた。
付けたテレビでは丁度夕方のニュース番組がやっていて、そのニュース番組では昼間に起きたプラズマ団の騒ぎを司会者が紹介している。
「"しかし、プラズマ団からイッシュを救ってくれたのがまだ若い少年少女とは"」
「"その子達、今は?"」
「"それがプラズマ団のゲーチスという男との勝負を終えると何処かに消えてしまったらしい"」
「"人々を助けたらすぐに消えるなんて正に正義の味方だね"」
「俺達、正義の味方だって」
「正義の味方って響き、悪くないね」
「"その子達は今、何処に行ったんですかね"」
「"正義の味方らしく困った人を助けてるのでは?"」
成る程!笑う司会者とゲストのタレント。
そこでサクラはテレビの電源を落とした。
後ろからはまだニュースを見たかったのだろう二人からブーイングが起こるがサクラは敢えて無視をする。
その正義の味方とやらは我が家に居ますけどね、
思わず乾いた笑いが漏れて溜め息も溢れた。
お医者さんが今に崩れそうな本の山を見て驚いたのは二時間前で、そのお医者さんの口から検査の結果、異常もなくサクラの様子を見る限り健康体なので
「もう退院しても大丈夫だね」
とサクラが待ちに待っていた言葉をお医者さんがくれたのも二時間前。
その言葉から慌てて病室の荷物を片付け退院の手続きを済ましたのが一時間前。
お世話になった看護士や医師に挨拶を済まし荷物を自宅に運んで一息付いたのが三十分前だったろうか。
それからさらに三十分。
部屋に鳴り響くインターホンにサクラは慌てて玄関に向かう。
その間も容赦なくインターホンは鳴っていて、サクラはその度に返事をして玄関の扉を開けた。
「「ただいま!!」」
家に雪崩れ込むように入ってきたそれに押し倒されてサクラは後ろへと体を傾かせる。
その時、ゾロアに化けてサクラの肩に乗っていたゾロアークは助けてくれるかと思いきや乗っていた彼女の肩から逃れ靴箱へと飛び移り、傍観。
何時もの様に文句も言えずサクラは痛々しい音と共に玄関の床に倒れた。
*
「痛い」
そう言ったサクラの頭には氷嚢が当てられていた。
玄関の床に倒れた際に頭を打ち、たん瘤が出来てしまったのだ。
明らかに不機嫌なサクラと机を挟み、彼女に向かって頭を下げるのはトウコとトウヤ。
「「ごめんなさい」」
玄関の時と同じ様に声を揃えて謝る二人。
だがサクラの見るからに不機嫌な表情は変わらない。
「こうなったのはトウヤが勝手に扉を開けようとしたからよ!」
「それを言うなら俺が開けようとした所で自分が開けるって駄々を捏ねたトウコのせいだろ!」
「サクラさんにたん瘤作っちゃったのは私のせいだっていうの?!」
「だったら俺のせいだって言うのか?!」
先程は二人、声を揃えて謝っていたというのに今度はサクラを前に喧嘩を始める。
言い争いはだんだんとヒートアップして、とうとう二人はモンスターボールを握った。
「・・・」
がんっと眉間に皺を寄せたサクラは勢いよく使っていた氷嚢を机に置く。
「此処で喧嘩は止めてって、何度言ったら分かるのかしら」
怒りに満ちた低い声だった。
「二人が喧嘩をするからあの子達も怯えてるじゃない」
サクラが指差した先には彼女の家に住んでいる幼いポケモン達。
その幼いポケモン達は廊下への壁に隠れて此方の様子を伺っていた。
「いや、あれは」
俺達じゃなくて、怒っているサクラさんに怯えてるいるんですよと言いたかったがそんな火に油を注ぐような事を言えるわけがなくトウヤは出かけた言葉を飲み込む。
その証拠に壁から此方を伺うポケモン達はトウコとトウヤが喧嘩を始める前から、雪崩れ込む様に入ってきた二人に倒されサクラが頭を打った位からあの様子だ。
それはトウコも分かっていたのだが二人は空気を読んで再度、サクラに頭を下げた。
「「ごめんなさい!!」」
「まあ、二人には二回も謝ってもらったしもう良いや。
で、何で二人が此処にいるの?」
二人はプラズマ団の起こした騒ぎに巻き込まれてポケモンリーグにいる筈なのにその二人はサクラとライブキャスターで会話をして四時間。
まだ四時間しか経っていないと言うのに此処、サクラの家にいた。
「いやー」
えへへと笑みを浮かべて片割れと顔を合わせる二人。
「サクラさんの応援が効き過ぎちゃって」
「俺達、気付いたらNも黒幕のゲーチスも倒しちゃったんですよね」
「え、」
二人の言葉がにわかに信じられずサクラは机の上に置かれたリモコンを掴みテレビの電源をいれた。
付けたテレビでは丁度夕方のニュース番組がやっていて、そのニュース番組では昼間に起きたプラズマ団の騒ぎを司会者が紹介している。
「"しかし、プラズマ団からイッシュを救ってくれたのがまだ若い少年少女とは"」
「"その子達、今は?"」
「"それがプラズマ団のゲーチスという男との勝負を終えると何処かに消えてしまったらしい"」
「"人々を助けたらすぐに消えるなんて正に正義の味方だね"」
「俺達、正義の味方だって」
「正義の味方って響き、悪くないね」
「"その子達は今、何処に行ったんですかね"」
「"正義の味方らしく困った人を助けてるのでは?"」
成る程!笑う司会者とゲストのタレント。
そこでサクラはテレビの電源を落とした。
後ろからはまだニュースを見たかったのだろう二人からブーイングが起こるがサクラは敢えて無視をする。
その正義の味方とやらは我が家に居ますけどね、
思わず乾いた笑いが漏れて溜め息も溢れた。