双子と弁当屋の娘
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「私共、貴女様にお尋ねしたい事があるのでございます」
そう言われる前、二人を病室に入れた位から嫌な予感はしていた。
自分を見舞いに来てくれた二人の顔は心配しながらも何か聞きたそうな顔をしていたのだ。
何となくだが二人が聞いて来ることが分かったサクラは
「眠いのでまた明日
じゃ駄目ですか?」
と聞くのだが、ノボリにあっさりと却下された。
「我慢して下さいましサクラ様」
「話が終わったらいくらでも寝て良いから」
同じ顔の二人に言われてサクラは観念する。
サクラ自身、昨日は二人の前で色々やらかした以上何時かは何か聞かれると覚悟していたのだ。
「サクラ様は私共が風邪で休んでいる間に現れた"赤マス"でございますか」
ノボリの問いは何にも包まれず直球だった。
「そうです」
「じゃあその後、トウコとトウヤとマルチに現れて僕と五番道路でバトルしたのも」
「私です」
二人の前に現れなかったり現れたりした謎な人物は全て自分だとサクラは素直に白状する。
「お二人が風邪の時にやってた赤マスはギアスステーションの駅長さんに良いバイトがあると言う事でやってました。
マルチトレインに現れた時は借りてた赤マスの服を返したくて」
「でしたら私達に直接渡して下されば良かったのに」
「それだと他の鉄道員さんに正体がバレてバトルしろと追い掛け回されそうだから」
そう言われてノボリとクダリはいつぞやの鉄道員の興奮した姿を思い出し納得してしまう。
「赤マスをしてた時も休憩時間はずっと誰かに追い掛けられましたし、それにノボリさんやクダリさんにも私の正体は知られてほしくなかったんです」
「僕達にも?」
「どうしてでございます」
「だって鉄道員さんがバトル廃人なのにその人達のボス何て絶対
凄いバトル廃人じゃないですか!!」
「「・・・・・・」」
サクラの言葉にノボリとクダリは反論も何も出来ずにいた。
「私、今の生活が好きなんです。
たまにお弁当を買いにくるお二人とたまに会話をするのが
だけど正体がばれたりしたら会う度にバトルばっかり申し込まれそうで・・・
って、全部私の憶測なんですけど」
「お二人に失礼ですよね」と苦笑いを浮かべたサクラにノボリとクダリは首を勢いよく振るう。
寧ろその通りだと肯定したくなる二人。
「変に二人を騙しててすみませんでした!」
ベットに座りながらも深々と二人に向かって頭を下げたサクラ。
「サクラ様、頭をお上げ下さい!」
「そうそう!謝らなくて良いよ。寧ろサクラちゃんの予想大当たりなんだか」
ら、と最後迄言い切れずクダリのお喋りな口はノボリの手により塞がれた。
「クダリさん・・・?」
ノボリに口を塞がれ、もがもがと何を言っているのか分からないクダリをサクラは呆然と見つめる。
「お気になさらず。
それより、
サクラ様には後一つ聞きたい事が」
「何ですか?」
ノボリとクダリが聞きたい事はさっきで全部済んだかと思っていたら後一つ。
何の事かと思っていたら上着のポケットから取り出した紙を手渡された。
手渡されたそれは紙でなく一枚の写真で、写真に写るそれを見てサクラは固まる。
「サクラ様は私共がそれは何か、そう尋ねた際に宅配用のお弁当だと答えましたが何故その宅配用の弁当がゴミ箱の中に捨てられていたのですか?」
「赤マスの事は納得出来たけどこの嘘だけ分からないんだ」
写真に写っていたのはブルーシートの上に出された無惨な弁当箱と、その中身でそれらは全てサクラが捨てたものだった。
「どうして僕達にそんな嘘ついたの」
「それは、」
さっきの時の様には素直に白状出来なかった。
二人の為にお弁当を作ったんですけど必要無かった様なのでゴミ箱に捨てちゃいました!
なんて言えたら楽だろうなとサクラは思う。
しかし、その後はどうする?
自分はすっきりするかも知れないがそれを聞いた二人に気を使わせてしまうかもしれない。
それは嫌だった。
だけどこのまま無言でいるのも無理な話で嘘でも本当でも何か答えなければならない。
「それは『お前等に気を使ったこいつが吐いた嘘だよ!!』」
何処から現れたのか、警察署にいる筈のゾロアークの"だましうち"がノボリの後頭に入った。
蹴られた勢いでサクラの座るベットに倒れ込むノボリ。
「きゃー!!ノボリさん!!!」
クダリが名前を呼んでも体を揺らしても反応がない。
「・・・まるで屍のようだ」
「クダリさん!それ、洒落にならないから!!
そうだ、ナースコール!ナースコール!」
軽いパニックを起こしながらもサクラは枕元のナースコールを連打した。
騒ぎの原因であるゾロア(に化けたゾロアーク)は満足げな顔をして俯せになったノボリの頭に乗っている。
「署長の奴に先生達を返してもらったから見舞いがてらに連れてきたんだが・・・」
まさかこんな騒ぎになると思ってもみなかった老人は病室の入り口で頭を掻いていた。
「サクラさん、どうされました!」
ここが病院で良かったと思える程すぐに現れたナースはベットに倒れたノボリに驚きながらも冷静に応援を呼んだ。
応援は廊下に待機していたナースで、ナースは指示されるがままストレッチャーを準備しノボリを乗せた。
「何じゃ、これは」
騒ぎを傍観していた老人は自分の足元に落ちる写真を広い上げる。
「ノボリ、ノボリ」
流石にこれだけの騒ぎになっても目覚めない片割れが心配になったクダリはストレッチャーに乗せられたノボリに声をかけていると
「ご家族の、方ですね」
顔が瓜二つの二人に気付いたナースは念の為に自分達に同行するよう求めた。
それに頷きクダリは走り出したストレッチャーの後を追う。
「ああ、この写真。
あいつが坊主等にって作ってた弁当だな。
しかし何でこんなぐちゃぐちゃなんだ?」
「え、」
ストレッチャーを押す後ろのナースが部屋を出ると、扉は静かに閉まった。
そう言われる前、二人を病室に入れた位から嫌な予感はしていた。
自分を見舞いに来てくれた二人の顔は心配しながらも何か聞きたそうな顔をしていたのだ。
何となくだが二人が聞いて来ることが分かったサクラは
「眠いのでまた明日
じゃ駄目ですか?」
と聞くのだが、ノボリにあっさりと却下された。
「我慢して下さいましサクラ様」
「話が終わったらいくらでも寝て良いから」
同じ顔の二人に言われてサクラは観念する。
サクラ自身、昨日は二人の前で色々やらかした以上何時かは何か聞かれると覚悟していたのだ。
「サクラ様は私共が風邪で休んでいる間に現れた"赤マス"でございますか」
ノボリの問いは何にも包まれず直球だった。
「そうです」
「じゃあその後、トウコとトウヤとマルチに現れて僕と五番道路でバトルしたのも」
「私です」
二人の前に現れなかったり現れたりした謎な人物は全て自分だとサクラは素直に白状する。
「お二人が風邪の時にやってた赤マスはギアスステーションの駅長さんに良いバイトがあると言う事でやってました。
マルチトレインに現れた時は借りてた赤マスの服を返したくて」
「でしたら私達に直接渡して下されば良かったのに」
「それだと他の鉄道員さんに正体がバレてバトルしろと追い掛け回されそうだから」
そう言われてノボリとクダリはいつぞやの鉄道員の興奮した姿を思い出し納得してしまう。
「赤マスをしてた時も休憩時間はずっと誰かに追い掛けられましたし、それにノボリさんやクダリさんにも私の正体は知られてほしくなかったんです」
「僕達にも?」
「どうしてでございます」
「だって鉄道員さんがバトル廃人なのにその人達のボス何て絶対
凄いバトル廃人じゃないですか!!」
「「・・・・・・」」
サクラの言葉にノボリとクダリは反論も何も出来ずにいた。
「私、今の生活が好きなんです。
たまにお弁当を買いにくるお二人とたまに会話をするのが
だけど正体がばれたりしたら会う度にバトルばっかり申し込まれそうで・・・
って、全部私の憶測なんですけど」
「お二人に失礼ですよね」と苦笑いを浮かべたサクラにノボリとクダリは首を勢いよく振るう。
寧ろその通りだと肯定したくなる二人。
「変に二人を騙しててすみませんでした!」
ベットに座りながらも深々と二人に向かって頭を下げたサクラ。
「サクラ様、頭をお上げ下さい!」
「そうそう!謝らなくて良いよ。寧ろサクラちゃんの予想大当たりなんだか」
ら、と最後迄言い切れずクダリのお喋りな口はノボリの手により塞がれた。
「クダリさん・・・?」
ノボリに口を塞がれ、もがもがと何を言っているのか分からないクダリをサクラは呆然と見つめる。
「お気になさらず。
それより、
サクラ様には後一つ聞きたい事が」
「何ですか?」
ノボリとクダリが聞きたい事はさっきで全部済んだかと思っていたら後一つ。
何の事かと思っていたら上着のポケットから取り出した紙を手渡された。
手渡されたそれは紙でなく一枚の写真で、写真に写るそれを見てサクラは固まる。
「サクラ様は私共がそれは何か、そう尋ねた際に宅配用のお弁当だと答えましたが何故その宅配用の弁当がゴミ箱の中に捨てられていたのですか?」
「赤マスの事は納得出来たけどこの嘘だけ分からないんだ」
写真に写っていたのはブルーシートの上に出された無惨な弁当箱と、その中身でそれらは全てサクラが捨てたものだった。
「どうして僕達にそんな嘘ついたの」
「それは、」
さっきの時の様には素直に白状出来なかった。
二人の為にお弁当を作ったんですけど必要無かった様なのでゴミ箱に捨てちゃいました!
なんて言えたら楽だろうなとサクラは思う。
しかし、その後はどうする?
自分はすっきりするかも知れないがそれを聞いた二人に気を使わせてしまうかもしれない。
それは嫌だった。
だけどこのまま無言でいるのも無理な話で嘘でも本当でも何か答えなければならない。
「それは『お前等に気を使ったこいつが吐いた嘘だよ!!』」
何処から現れたのか、警察署にいる筈のゾロアークの"だましうち"がノボリの後頭に入った。
蹴られた勢いでサクラの座るベットに倒れ込むノボリ。
「きゃー!!ノボリさん!!!」
クダリが名前を呼んでも体を揺らしても反応がない。
「・・・まるで屍のようだ」
「クダリさん!それ、洒落にならないから!!
そうだ、ナースコール!ナースコール!」
軽いパニックを起こしながらもサクラは枕元のナースコールを連打した。
騒ぎの原因であるゾロア(に化けたゾロアーク)は満足げな顔をして俯せになったノボリの頭に乗っている。
「署長の奴に先生達を返してもらったから見舞いがてらに連れてきたんだが・・・」
まさかこんな騒ぎになると思ってもみなかった老人は病室の入り口で頭を掻いていた。
「サクラさん、どうされました!」
ここが病院で良かったと思える程すぐに現れたナースはベットに倒れたノボリに驚きながらも冷静に応援を呼んだ。
応援は廊下に待機していたナースで、ナースは指示されるがままストレッチャーを準備しノボリを乗せた。
「何じゃ、これは」
騒ぎを傍観していた老人は自分の足元に落ちる写真を広い上げる。
「ノボリ、ノボリ」
流石にこれだけの騒ぎになっても目覚めない片割れが心配になったクダリはストレッチャーに乗せられたノボリに声をかけていると
「ご家族の、方ですね」
顔が瓜二つの二人に気付いたナースは念の為に自分達に同行するよう求めた。
それに頷きクダリは走り出したストレッチャーの後を追う。
「ああ、この写真。
あいつが坊主等にって作ってた弁当だな。
しかし何でこんなぐちゃぐちゃなんだ?」
「え、」
ストレッチャーを押す後ろのナースが部屋を出ると、扉は静かに閉まった。