双子と弁当屋の娘
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二人が一晩をかけて集めたサクラの無実を証明する証拠の数々に向かいの男の眉寄りに寄った。
案内された部屋には"会議室"と書かれた札が下げられていた。
刑事ドラマによく出てくる取り調べ室を生で見られると地味に楽しみにしていたクダリの気分は見事に急降下。
その落ち込みにここまで案内してくれた彼女はクダリの様子を気にしていたが、そんな彼女にノボリは気にしない様伝えてクダリの頭を軽く叩く。
「さっさと顔を上げなさい。此処へは社会見学をしに来たわけではないのですから」
「はーい」
開けられた扉の先へ行けば大きな机が一つ。
机を挟み向こう側にはかっちりと制服を着こんだ職員が部下であろう別の職員と話込んでいた。
「おお、これはサブウェイマスターの!
どうもすみません。お忙しい所来て頂いて」
そんな事はない、と返そうとしたノボリであったが此処には別の目的もあって来ていた二人には謙遜している時間も惜しくて
「忙しいのはお互い様です」
と素っ気なく返し、すぐに本題へと入った。
二人が聞かれたのは昨日の遊園地に関する事、プラズマ団の事で二人は答える限りの事を答える。
すると無駄な話もせず、聞かれた事にだけ答えていたのが良かったのか相手が予想していた時間よりも話が早く終わった。
そこでノボリとクダリは一晩で集めれるだけ集めた証言証拠を纏めた冊子を向かいの男に差し出す。
突然の事に向かいの男は鳩が豆鉄砲を食らったかの様に自身の目を大きく開き、呆然としていた。
「・・・これは?」
「出過ぎた事だとは分かっているのですが貴殿方が連行されたサクラ様に思うところがありまして」
「遊園地、全職員に話聞いて纏めたの
それに壊れた監視カメラの映像もあるよ」
小さく山積みになった冊子の上にクダリはビデオテープを置いた。
「是非、見ていただけると嬉しいです」
「きっと凄く参考になるから」
笑った二人の重圧に堪えきれず、男は冊子に目を通し出した。
ページを一枚捲り、また一枚。
そうしてばらばらばらと一冊読み終えて男は眉間に皺を寄せた。
男は側にいた部下を呼び、一人にはビデオテープを他の者には冊子を一冊ずつ渡し自身も二冊目を手に取る。
冊子を読み始めた彼等の口からは冊子の内容に対する動揺が見え、ノボリとクダリは確かな手応えを感じた。
「これならあの子の証言とも辻褄が合いますよ」
「やっぱりあの子は無実だったんですよ」
彼等の言うあの子はサクラの事だろう。
此処へ来たもう一つの目的を実行へ移す為、ノボリは口を開いた。