双子と弁当屋の娘
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朝日が昇り、太陽が街を照らす頃
ギアスステーションの、ある一室では夜通しパソコンのタイピング音が部屋中に響いていた。
薄暗い室内を照らすパソコンの灯りに、お供は砂糖不使用の苦い苦いブラック珈琲。
疾うの昔に冷めた珈琲を口付けたノボリは、パソコンを前に息絶え絶えなクダリに声をかける。
「大丈夫ですか、クダリ」
「これが大丈夫そうに見える?」
まるでB級ホラー映画に出てくるゾンビの様な声を出したクダリは自身の身を襲う睡魔を追い払う為、カップに残る冷たい珈琲を一気に飲み干す。
そこまでして起きていようとするクダリを心配してノボリは
「少し位、仮眠を取っても構わないのですよ」
と、睡眠を勧めるのだがクダリは首を縦に振ろうとはしなかった。
「それは駄目。今僕達がやってる事、サクラちゃんの役に立つなら寝てなんていられない」
落ちる瞼を指で無理矢理持ち上げ、何とか睡魔を追い払おうとするクダリに感心しながらもノボリは止まっていたタイピングを再開させる。
サクラがパトカーに乗せられる姿を見ながらも彼女が無実である事を信じて疑わない二人は彼女が無実である事を何とか警官にも分かって貰おうと昨晩から無実の証拠となる物を探し、集めていた。
消えた証言者の話に爆発で壊れた監視カメラの解析、遊園地職員全員の証言を集め彼女の無実を訴える証拠はかなり集まっていたのだが、最後の一つが分からない。
「ジュンサーさんが言ってたゴミ箱の話」
サクラが警察署に連れていかれる原因。
彼女が人気のないゴミ箱に捨てていたものは何だったのか
それが分からずにはサクラの無実を証明するなんて難しい話だった。
「どうしてサクラ様はゴミ箱に捨てた物は何かと聞かれてすぐに答えなかったのでしょうか」
答えていたら有らぬ疑いをかけられなかったかもしれない。
「うーん、すぐに答えられないんだから恥ずかしい物とか?」
「人に知られて恥ずかしい物・・・日頃の思いを綴った日記でしょうか」
「ノボリ、そんな日記書いてるの?」
信じられないと衝撃を受けるクダリに例え話だとノボリは返す。
「クダリは人に知られて恥ずかしい物などないのですか」
「エッチな本とか捨てるとこ見られたら恥ずかしいかも」
「もっと真面目に答えて下さい」
こんな時でも冗談を言えるクダリにノボリが呆れていれば、パソコンの画面にメールが届いた事を知らせる表示。
誰からのメールなのかさっそく開けばメールの送り主はカミツレで、添付された写真が一枚。
「カミツレちゃんのメール、サクラちゃんが何か捨てたゴミ箱の中だって」
どうやらノボリに届いたメールはクダリにも届いたらしい。
「これは、弁当箱?」
添付された写真に写されていたのはゴミ箱の中らしきゴミの数々で、ブルーシートの上に出されたゴミの殆どが弁当箱に弁当のおかずらしき物体。
それに混ざり風呂敷が一枚あり、その風呂敷にはノボリもクダリも見覚えがあった。
「これは」
「サクラちゃんが持ってた」
遊園地に入場してすぐに彼女が届け物だと持っていた弁当を包む風呂敷だった。
となると、写真に写された弁当箱やおかずは彼女が捨てたという事になる。
「ああ、カミツレ様には感謝しなくては!
この写真とサクラ様が遊園地に入った際に弁当箱を持っていた事を私達が証言すればサクラ様の疑いは晴れます」
まだ彼女が釈放されたわけでもないのにまるでもう釈放が決まったかのように喜ぶノボリに対しクダリは静かだった。
何時ものクダリなら今の自分以上に喜んでいる筈なのに大人しく静かな彼にノボリは疑問を抱く。
「何か引っ掛かる事でも」
「うーん・・・どうしてサクラちゃん、僕達に嘘吐いたのかなっと思って」
「嘘、ですか」
『これは遊園地に行く次いでに、と頼まれた宅配用のお弁当です』
彼女が持っていた大きな包みが気になり尋ねたら、そう返ってきた。
サクラの家が弁当屋だと知っていたノボリとクダリは彼女のその言葉をあっさり信じたのだが、彼女が言った宅配用の弁当らしき物は箱や風呂敷ごとゴミ箱に捨てられていて
捨てたという事は彼女の言っていた宅配用というのは嘘だったのかという疑いが上がる。
「流石に頼まれた商品を捨てるとは思えませんし」
「だったら"宅配用"っての嘘だよね」
「そうなりますね」
どうしてそんな嘘を吐いたのか二人には皆目見当がつかない。
二人が同じ顔をして悩む姿は端から見ればまるで合わせ鏡に互いの姿を写したようなその光景に丁度、部屋に入ってきたクラウドは
「うわっ」
と声を上げた。
「クラウド何?自分の上司に『うわっ』て」
「部屋に入るのにノックもありませんでしたし、貴方色々と失礼ですよ」
部下であるクラウドに「うわっ」と声を上げられて機嫌を悪くしたノボリとクダリにクラウドは人懐っこい笑みを浮かべて「えらいすんません」と謝った。
「って、こう暢気に会話しとる場合とちゃうんですよ!!」
ギアスステーションの、ある一室では夜通しパソコンのタイピング音が部屋中に響いていた。
薄暗い室内を照らすパソコンの灯りに、お供は砂糖不使用の苦い苦いブラック珈琲。
疾うの昔に冷めた珈琲を口付けたノボリは、パソコンを前に息絶え絶えなクダリに声をかける。
「大丈夫ですか、クダリ」
「これが大丈夫そうに見える?」
まるでB級ホラー映画に出てくるゾンビの様な声を出したクダリは自身の身を襲う睡魔を追い払う為、カップに残る冷たい珈琲を一気に飲み干す。
そこまでして起きていようとするクダリを心配してノボリは
「少し位、仮眠を取っても構わないのですよ」
と、睡眠を勧めるのだがクダリは首を縦に振ろうとはしなかった。
「それは駄目。今僕達がやってる事、サクラちゃんの役に立つなら寝てなんていられない」
落ちる瞼を指で無理矢理持ち上げ、何とか睡魔を追い払おうとするクダリに感心しながらもノボリは止まっていたタイピングを再開させる。
サクラがパトカーに乗せられる姿を見ながらも彼女が無実である事を信じて疑わない二人は彼女が無実である事を何とか警官にも分かって貰おうと昨晩から無実の証拠となる物を探し、集めていた。
消えた証言者の話に爆発で壊れた監視カメラの解析、遊園地職員全員の証言を集め彼女の無実を訴える証拠はかなり集まっていたのだが、最後の一つが分からない。
「ジュンサーさんが言ってたゴミ箱の話」
サクラが警察署に連れていかれる原因。
彼女が人気のないゴミ箱に捨てていたものは何だったのか
それが分からずにはサクラの無実を証明するなんて難しい話だった。
「どうしてサクラ様はゴミ箱に捨てた物は何かと聞かれてすぐに答えなかったのでしょうか」
答えていたら有らぬ疑いをかけられなかったかもしれない。
「うーん、すぐに答えられないんだから恥ずかしい物とか?」
「人に知られて恥ずかしい物・・・日頃の思いを綴った日記でしょうか」
「ノボリ、そんな日記書いてるの?」
信じられないと衝撃を受けるクダリに例え話だとノボリは返す。
「クダリは人に知られて恥ずかしい物などないのですか」
「エッチな本とか捨てるとこ見られたら恥ずかしいかも」
「もっと真面目に答えて下さい」
こんな時でも冗談を言えるクダリにノボリが呆れていれば、パソコンの画面にメールが届いた事を知らせる表示。
誰からのメールなのかさっそく開けばメールの送り主はカミツレで、添付された写真が一枚。
「カミツレちゃんのメール、サクラちゃんが何か捨てたゴミ箱の中だって」
どうやらノボリに届いたメールはクダリにも届いたらしい。
「これは、弁当箱?」
添付された写真に写されていたのはゴミ箱の中らしきゴミの数々で、ブルーシートの上に出されたゴミの殆どが弁当箱に弁当のおかずらしき物体。
それに混ざり風呂敷が一枚あり、その風呂敷にはノボリもクダリも見覚えがあった。
「これは」
「サクラちゃんが持ってた」
遊園地に入場してすぐに彼女が届け物だと持っていた弁当を包む風呂敷だった。
となると、写真に写された弁当箱やおかずは彼女が捨てたという事になる。
「ああ、カミツレ様には感謝しなくては!
この写真とサクラ様が遊園地に入った際に弁当箱を持っていた事を私達が証言すればサクラ様の疑いは晴れます」
まだ彼女が釈放されたわけでもないのにまるでもう釈放が決まったかのように喜ぶノボリに対しクダリは静かだった。
何時ものクダリなら今の自分以上に喜んでいる筈なのに大人しく静かな彼にノボリは疑問を抱く。
「何か引っ掛かる事でも」
「うーん・・・どうしてサクラちゃん、僕達に嘘吐いたのかなっと思って」
「嘘、ですか」
『これは遊園地に行く次いでに、と頼まれた宅配用のお弁当です』
彼女が持っていた大きな包みが気になり尋ねたら、そう返ってきた。
サクラの家が弁当屋だと知っていたノボリとクダリは彼女のその言葉をあっさり信じたのだが、彼女が言った宅配用の弁当らしき物は箱や風呂敷ごとゴミ箱に捨てられていて
捨てたという事は彼女の言っていた宅配用というのは嘘だったのかという疑いが上がる。
「流石に頼まれた商品を捨てるとは思えませんし」
「だったら"宅配用"っての嘘だよね」
「そうなりますね」
どうしてそんな嘘を吐いたのか二人には皆目見当がつかない。
二人が同じ顔をして悩む姿は端から見ればまるで合わせ鏡に互いの姿を写したようなその光景に丁度、部屋に入ってきたクラウドは
「うわっ」
と声を上げた。
「クラウド何?自分の上司に『うわっ』て」
「部屋に入るのにノックもありませんでしたし、貴方色々と失礼ですよ」
部下であるクラウドに「うわっ」と声を上げられて機嫌を悪くしたノボリとクダリにクラウドは人懐っこい笑みを浮かべて「えらいすんません」と謝った。
「って、こう暢気に会話しとる場合とちゃうんですよ!!」