双子と弁当屋の娘
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サクラは二人の
何者なのか?
という質問に答え様とはしなかった。
只、苦笑いを浮かべるだけで此方へと向かってくるプラズマ団をちぎっては投げちぎっては投げるのだ。
ノボリとクダリも進むサクラの後ろへと付いて攻撃の補助をしたり、デンチュラの粘着性のある糸でプラズマ団を縛りあげたりとしてはいたが殆どの事はサクラが自分一人でしていたと言えた。
「ラッキーさん、
"はかいこうせん"」
サクラを守る様に、彼女の前に立つラッキーはその優しげな見た目からは想像も出来ないような熱量の光線を向かってくる敵のポケモンに放つ。
それでも"はかいこうせん"の直撃を免れた数匹のミルホッグが"かたきうち"にサクラに向かって飛び出すのだが横入りしてきた黒い影に難なく倒される。
横入りしてきたのは珍しくゾロアに化けていないゾロアークだった。
「ゾロアーク、他はどう?」
手持ちを全て倒されたプラズマのしたっぱはノボリのシャンデラに"かげぶんしん"で囲まれ、クダリのデンチュラが放った"エレキネット"で捕まっていた。
ここ数時間の間に慣れた捕縛作業でしたっぱを一人でも取り逃がしていないか、ネットに捕まった人数を数えていたノボリはちらりと何かゾロアークと話すサクラを見る。
「ノボリもサクラちゃんが気になる?」
「ええ、気になります。今までサクラ様と深交を持ってからは色々な彼女を見て来ましたが」
「あんなサクラちゃん、初めてだよね」
クダリの言葉にノボリは頷く。
彼女がポケモンと仲良くいるのは見てもバトルをしている姿は初めてだった。
しかし、何故かノボリの頭では初めて見たサクラのバトルをする姿が誰かとダブる。
初めての筈なのに初めてではないと矛盾する感覚。
何故、ダブり矛盾するのか考えていると隣に立ったクダリも今の自分と同じであろう渋い顔をしていた。
「うわっ、どうしたんですか二人とも同じ顔をして」
余程驚いたのか口を開けて此方へ近付いて来たサクラにノボリはどうしたのか尋ねる。
「ちょっと用事が出来たので出掛けてきます」
「何処に?」
クダリの問いにサクラは霧で真っ黒な空を指差した。
今まで空を飛んでいたカイリューがサクラと二人の間に降り立つ。
「お姉ちゃん何処かに行っちゃうの?」
今まで側にいたサクラが何処かへ行くと知り、それまで泣かずにいた子供の顔に明らかに不安が浮かんだ。
「大丈夫、私がいなくても彼処のお兄ちゃん達が君を守ってくれるから」
何とか子供の不安を払拭しようとサクラは話かけるのだが子供は嫌だと首を横に振るう。
そんな子供の服を引いたのはラッキーだった。
「あのお兄ちゃん達だけじゃなくて私のラッキーさんも君の側にいるから」
これなら大丈夫だと言えば子供はラッキーの手を握り小さく頷く。
「あの子の僕達に対する信用はラッキー以下なんだね」
「仕方ありません。あの子供は出会った時よりサクラ様になついておりましたから」
子供の"おじさん"発言以来のショックが二人を襲った。
そんな二人を笑ったゾロアークはサクラに軽く怒られネイティに化ける。
その目立つ配色の体で飛び上がったネイティの姿にノボリはまたも何かがタブった。
「あのネイティ、似てる」
クダリの呟きにノボリは何に似てるのだと尋ねれば、クダリはノボリの腕を勢いよく掴む。
「ほら!あの「じゃあ、ちょっと行って来ますね」」
何時の間にゴーグルを装備したのか、カイリューの背に乗ったサクラは二人に空へ行く理由も話さぬまま、霧を抜けて空へと飛び上がった。
カイリューが空へと上がった勢いにうっかり足を滑らしたラッキーがころんと倒れ、ラッキーの卵袋から卵が転げ落ちる。
「待って!卵ーっ」
転がる卵を追いかけたのは子供だった。
子供が卵を拾いに行っている間にノボリとクダリは倒れたラッキーを起こしてあげる。
「大丈夫でございますか?」
「君、意外にどじっ子何だね」
笑うクダリにノボリは叱るもラッキーは『いやー』とどじっ子を否定するわけでもなく照れて見せた。
「あれ?」
と卵を拾いに行った子供は頭を傾げながら戻ってくる。
どうしたのか尋ねれば子供はノボリに卵を渡すのだが、渡された卵は軽く表面がじゃりじゃりとしていた。
子供から卵だと思って渡されたのは卵ではなく持たせるだけでポケモンの体重が軽くなる"かるいし"と呼ばれるアイテムだった。
「何でラッキーは卵を持ってないの?ラッキーはたまごポケモンなんでしょ?」
ねー何で?と疑問を浮かべ抱きつく子供にラッキーは困った顔をする。
「もしかして卵がつくれないのかな?」
と、何気無くクダリが呟いた言葉に今度はノボリが彼の腕を掴む。
「そうです。それです!」
「一体、どうしたの?ノボリ」
疲れて頭がおかしくなったのかと失礼な事を聞いてくるクダリにノボリは「いいえ」と答えた。
「私、サクラ様が一体誰とダブっていたのかようやく分かったのでございます!」
何者なのか?
という質問に答え様とはしなかった。
只、苦笑いを浮かべるだけで此方へと向かってくるプラズマ団をちぎっては投げちぎっては投げるのだ。
ノボリとクダリも進むサクラの後ろへと付いて攻撃の補助をしたり、デンチュラの粘着性のある糸でプラズマ団を縛りあげたりとしてはいたが殆どの事はサクラが自分一人でしていたと言えた。
「ラッキーさん、
"はかいこうせん"」
サクラを守る様に、彼女の前に立つラッキーはその優しげな見た目からは想像も出来ないような熱量の光線を向かってくる敵のポケモンに放つ。
それでも"はかいこうせん"の直撃を免れた数匹のミルホッグが"かたきうち"にサクラに向かって飛び出すのだが横入りしてきた黒い影に難なく倒される。
横入りしてきたのは珍しくゾロアに化けていないゾロアークだった。
「ゾロアーク、他はどう?」
手持ちを全て倒されたプラズマのしたっぱはノボリのシャンデラに"かげぶんしん"で囲まれ、クダリのデンチュラが放った"エレキネット"で捕まっていた。
ここ数時間の間に慣れた捕縛作業でしたっぱを一人でも取り逃がしていないか、ネットに捕まった人数を数えていたノボリはちらりと何かゾロアークと話すサクラを見る。
「ノボリもサクラちゃんが気になる?」
「ええ、気になります。今までサクラ様と深交を持ってからは色々な彼女を見て来ましたが」
「あんなサクラちゃん、初めてだよね」
クダリの言葉にノボリは頷く。
彼女がポケモンと仲良くいるのは見てもバトルをしている姿は初めてだった。
しかし、何故かノボリの頭では初めて見たサクラのバトルをする姿が誰かとダブる。
初めての筈なのに初めてではないと矛盾する感覚。
何故、ダブり矛盾するのか考えていると隣に立ったクダリも今の自分と同じであろう渋い顔をしていた。
「うわっ、どうしたんですか二人とも同じ顔をして」
余程驚いたのか口を開けて此方へ近付いて来たサクラにノボリはどうしたのか尋ねる。
「ちょっと用事が出来たので出掛けてきます」
「何処に?」
クダリの問いにサクラは霧で真っ黒な空を指差した。
今まで空を飛んでいたカイリューがサクラと二人の間に降り立つ。
「お姉ちゃん何処かに行っちゃうの?」
今まで側にいたサクラが何処かへ行くと知り、それまで泣かずにいた子供の顔に明らかに不安が浮かんだ。
「大丈夫、私がいなくても彼処のお兄ちゃん達が君を守ってくれるから」
何とか子供の不安を払拭しようとサクラは話かけるのだが子供は嫌だと首を横に振るう。
そんな子供の服を引いたのはラッキーだった。
「あのお兄ちゃん達だけじゃなくて私のラッキーさんも君の側にいるから」
これなら大丈夫だと言えば子供はラッキーの手を握り小さく頷く。
「あの子の僕達に対する信用はラッキー以下なんだね」
「仕方ありません。あの子供は出会った時よりサクラ様になついておりましたから」
子供の"おじさん"発言以来のショックが二人を襲った。
そんな二人を笑ったゾロアークはサクラに軽く怒られネイティに化ける。
その目立つ配色の体で飛び上がったネイティの姿にノボリはまたも何かがタブった。
「あのネイティ、似てる」
クダリの呟きにノボリは何に似てるのだと尋ねれば、クダリはノボリの腕を勢いよく掴む。
「ほら!あの「じゃあ、ちょっと行って来ますね」」
何時の間にゴーグルを装備したのか、カイリューの背に乗ったサクラは二人に空へ行く理由も話さぬまま、霧を抜けて空へと飛び上がった。
カイリューが空へと上がった勢いにうっかり足を滑らしたラッキーがころんと倒れ、ラッキーの卵袋から卵が転げ落ちる。
「待って!卵ーっ」
転がる卵を追いかけたのは子供だった。
子供が卵を拾いに行っている間にノボリとクダリは倒れたラッキーを起こしてあげる。
「大丈夫でございますか?」
「君、意外にどじっ子何だね」
笑うクダリにノボリは叱るもラッキーは『いやー』とどじっ子を否定するわけでもなく照れて見せた。
「あれ?」
と卵を拾いに行った子供は頭を傾げながら戻ってくる。
どうしたのか尋ねれば子供はノボリに卵を渡すのだが、渡された卵は軽く表面がじゃりじゃりとしていた。
子供から卵だと思って渡されたのは卵ではなく持たせるだけでポケモンの体重が軽くなる"かるいし"と呼ばれるアイテムだった。
「何でラッキーは卵を持ってないの?ラッキーはたまごポケモンなんでしょ?」
ねー何で?と疑問を浮かべ抱きつく子供にラッキーは困った顔をする。
「もしかして卵がつくれないのかな?」
と、何気無くクダリが呟いた言葉に今度はノボリが彼の腕を掴む。
「そうです。それです!」
「一体、どうしたの?ノボリ」
疲れて頭がおかしくなったのかと失礼な事を聞いてくるクダリにノボリは「いいえ」と答えた。
「私、サクラ様が一体誰とダブっていたのかようやく分かったのでございます!」