双子と弁当屋の娘
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空から見た遊園地は夕日の橙に似合わぬ黒い霧で覆われていた。
「ノボリ、これ」
「きっとポケモンの技か何かで起こしたのでしょう」
二人は念の為に服の袖で口と鼻を押さえながら黒い霧に突っ込んだ。
黒い霧の向こうでは目立つ水色のプラズマ団と、彼等に抵抗して戦う人々、抵抗出来ない人々で混戦と化している。
そんな中でクダリが「あそこ!」と指差した先には多数のプラズマ団と戦う幼馴染みの姿。
「行け!ヤブクロン"どくガス"だ」
「エモンガ"まもる"」
ヤブクロンから吐き出される"どくガス"な攻撃にカミツレは守る様指示を出すが、プラズマ団したっぱの狙いはジムリーダーのエモンガではなかった。
絶対的な防御で構えたエモンガの横をすり抜け、今に毒ガスを吐こうとしているヤブクロンはカミツレに迫る。
本来、ポケモンバトルとはトレーナーに被害が及ばない範囲で行われる。
どんな事があってもそれだけは守られていた(破れば厳しい処罰があるのも一つの要因)
だからカミツレ自身も油断していたのだ。
いくら相手が近頃ニュースで騒がれているプラズマ団でもトレーナーに向かって攻撃はしないだろうと
プラズマ団したっぱはそのカミツレじゃ無くても大体のトレーナーがもつ油断を利用した。
その油断にカミツレが気付いた時には遅く、彼女のエモンガがも彼女を守ろうにも周りを他のポケモンに囲まれていた為、下手に動け無かった。
ポケモン相手に、ましてや打撃技でなくガス攻撃を防ぐ手だてはなく思わず目を閉じる。
「シャンデラ"かえんほうしゃ"でございます」
鈴の様な声と共に現れたシャンデラはヤブクロンとカミツレの間に割り入るとほぼ零距離でヤブクロンに"かえんほうしゃ"を放った。
炎の勢いに飛ばされたヤブクロンは仲間の元まで飛ばされると溜めていたガスが引火したのか小さな爆発を起こし周りの仲間に"ひのこ"を飛ばす。
それが燃え上がりポケモン達に火傷を負わせる。
カミツレの前には黒と白の男が彼女を庇う様に立ち塞がり、二人を見た誰かが「サブウェイマスターだ!」と叫んだ。
二人をサブウェイマスターだと認識するとプラズマ団にざわざわと波紋が広がる。
「ジムリーダーにサブウェイマスター・・・これはプラズマ団としてマズイ!」
「略してプラズマズイね!」
まさかの台詞の強奪にしたっぱの男は同じくしたっぱの女を叱った。
「取り敢えず一旦、此処から離脱するぞ」
仲間の言葉に頷いたしたっぱ達はポケモンをボールに戻し、混戦の中に紛れようとするのだが
「デンチュラ"エレキネット"!」
微量に電気の走る黄色いネットがデンチュラから放たれ、プラズマ団のしたっぱは捕えられる。
「助かったわノボリ君、クダリ君」
「いえ、貴女が無事で何よりでございます」
「カミツレちゃん、今の状況は?」
状況に関してカミツレははっきり言って最悪だと答えた。
先ずは園内に潜伏していたプラズマ団の数が多い事。
二つ目は数が多いプラズマ団に対してポケモンを持っていてもバトルが出来る者が少ない事。
それはここが遊園地だと言うことが起因としている。
遊園地に残っていた客の中にはポケモンバトルをした事がない者も少なくはなく、プラズマ団はそんな人達から率先してポケモンを奪っていた。
「今はジムの関係者や遊園地の職員とでプラズマ団に対向してはいるけど数では此方が圧倒的に不利ね。
そう言えばサクラちゃんは?」
一緒じゃないのとカミツレに尋ねられノボリとクダリは互いに顔を見合せる。
昔から二人が女性に下手な扱いをすると普段の綺麗な顔からは想像出来ない形相で怒る彼女の事、安全な場所まで送り届けず園内に近い場所に置いて来た事が知れたら自分達はどうなるのか。
考えるだけで身震いがするのだがこの幼馴染みに自分達の嘘が通じないのは疾うの昔に学習済なので、怒られる覚悟で二人は正直に話した。
「サクラ様は・・・」
するとカミツレは二人が想像もしなかった反応を見せる。
「置いて来ちゃったの。彼女なら良い戦力になると思ったんだけど残念ね」
怒るどころか残念がる彼女に二人は驚く。
「まあ、ノボリ君とクダリ君が判断した結果だもの仕方ないわね」
「カミツレちゃん、サクラちゃんが良い戦力になるって」
どういう事なのか聞こうとした時、何処からか女性の悲鳴と、子供の泣き声が聞こえた。
「私は女性の方へ行くから二人は子供が泣いている方へお願い!」
カミツレの指示に頷いた二人は声の方へと駆け出す。
この騒ぎで母親とはぐれたのであろう子供は膝から血を流し、大声で泣いていた。
とても大声で泣いているにも関わらず母親は現れない、その状況が益々子供の恐怖心を煽りさらに泣かせる。
「お母さんとはぐれたの?」
母親とは似ても似ない声なのにその柔らかな声は子供の恐怖心を沈めるには充分だった。
「お姉ちゃん、誰?」
「ん~通りすがりのお人好しかな」
子供の泣き声を頼りにノボリとクダリがその場へ向かうと、泣き声の主であろう子供と二人には見覚えある人物の姿が見える。
それは見覚えも何も遊園地の側で別れたサクラの姿で、隣にいた子供は泣くのを止めたのか笑顔で彼女に抱きついていた。
「サクラ様!」
「サクラちゃん、何で此処に!」
駆けて現れた二人にサクラが連れた子供は警戒して彼女の背後に隠れる。
「このおじさん達、だれ?」
子供の"おじさん"発言に少なからずダメージを受けた二人。
そんな二人の姿を見て、噴き出しそうになりながらもサクラは
「この人達は君や君のお母さんを助けにきた正義の味方」
だと説明した。
サクラの説明に子供はキラキラと目を輝かす。
「おじさん達、正義の味方なの?」
純粋な子供の攻撃にノボリとクダリはもう息が絶え絶えだ。
そんな二人を前にして笑いを堪えるサクラも限界だった。
「ミルホッグ"10まんボルト"だ!」
繁みからの攻撃にいち早く気付いたサクラがラッキーに"まもる"を、そして攻撃が放たれた方へと飛び出したプラスルとマイナンに"スピードスター"を命じれば二匹の特性によって威力が増した"スピードスター"がミルホッグを襲う。
倒れたミルホッグをボールに戻し、逃げようとしたプラズマ団のしたっぱは振り向いた直後柔らかな壁にぶつかる。
恐る恐る見上げれば2メートルと遥かに自分より巨大なカイリューが真ん前にいた。
「くそー!離せこの野郎っ!!」
カイリューに捕まり、足をじたばたと動かすしたっぱの男をノボリとクダリは只呆然と見ている。
したっぱの男が攻撃を仕掛けてからのサクラの反応、指示、それに応えるポケモン達の行動。それらはノボリとクダリから見てもかなりのもの。
そして先程、カミツレが言った言葉だ。
「サクラ様は」
「サクラちゃんは」
何者なのか?
そんな素朴な疑問がノボリとクダリの頭に浮上する。
その場に立ち尽くし、こちらを見つめる二人にサクラは苦笑いを浮かべた。
「ノボリ、これ」
「きっとポケモンの技か何かで起こしたのでしょう」
二人は念の為に服の袖で口と鼻を押さえながら黒い霧に突っ込んだ。
黒い霧の向こうでは目立つ水色のプラズマ団と、彼等に抵抗して戦う人々、抵抗出来ない人々で混戦と化している。
そんな中でクダリが「あそこ!」と指差した先には多数のプラズマ団と戦う幼馴染みの姿。
「行け!ヤブクロン"どくガス"だ」
「エモンガ"まもる"」
ヤブクロンから吐き出される"どくガス"な攻撃にカミツレは守る様指示を出すが、プラズマ団したっぱの狙いはジムリーダーのエモンガではなかった。
絶対的な防御で構えたエモンガの横をすり抜け、今に毒ガスを吐こうとしているヤブクロンはカミツレに迫る。
本来、ポケモンバトルとはトレーナーに被害が及ばない範囲で行われる。
どんな事があってもそれだけは守られていた(破れば厳しい処罰があるのも一つの要因)
だからカミツレ自身も油断していたのだ。
いくら相手が近頃ニュースで騒がれているプラズマ団でもトレーナーに向かって攻撃はしないだろうと
プラズマ団したっぱはそのカミツレじゃ無くても大体のトレーナーがもつ油断を利用した。
その油断にカミツレが気付いた時には遅く、彼女のエモンガがも彼女を守ろうにも周りを他のポケモンに囲まれていた為、下手に動け無かった。
ポケモン相手に、ましてや打撃技でなくガス攻撃を防ぐ手だてはなく思わず目を閉じる。
「シャンデラ"かえんほうしゃ"でございます」
鈴の様な声と共に現れたシャンデラはヤブクロンとカミツレの間に割り入るとほぼ零距離でヤブクロンに"かえんほうしゃ"を放った。
炎の勢いに飛ばされたヤブクロンは仲間の元まで飛ばされると溜めていたガスが引火したのか小さな爆発を起こし周りの仲間に"ひのこ"を飛ばす。
それが燃え上がりポケモン達に火傷を負わせる。
カミツレの前には黒と白の男が彼女を庇う様に立ち塞がり、二人を見た誰かが「サブウェイマスターだ!」と叫んだ。
二人をサブウェイマスターだと認識するとプラズマ団にざわざわと波紋が広がる。
「ジムリーダーにサブウェイマスター・・・これはプラズマ団としてマズイ!」
「略してプラズマズイね!」
まさかの台詞の強奪にしたっぱの男は同じくしたっぱの女を叱った。
「取り敢えず一旦、此処から離脱するぞ」
仲間の言葉に頷いたしたっぱ達はポケモンをボールに戻し、混戦の中に紛れようとするのだが
「デンチュラ"エレキネット"!」
微量に電気の走る黄色いネットがデンチュラから放たれ、プラズマ団のしたっぱは捕えられる。
「助かったわノボリ君、クダリ君」
「いえ、貴女が無事で何よりでございます」
「カミツレちゃん、今の状況は?」
状況に関してカミツレははっきり言って最悪だと答えた。
先ずは園内に潜伏していたプラズマ団の数が多い事。
二つ目は数が多いプラズマ団に対してポケモンを持っていてもバトルが出来る者が少ない事。
それはここが遊園地だと言うことが起因としている。
遊園地に残っていた客の中にはポケモンバトルをした事がない者も少なくはなく、プラズマ団はそんな人達から率先してポケモンを奪っていた。
「今はジムの関係者や遊園地の職員とでプラズマ団に対向してはいるけど数では此方が圧倒的に不利ね。
そう言えばサクラちゃんは?」
一緒じゃないのとカミツレに尋ねられノボリとクダリは互いに顔を見合せる。
昔から二人が女性に下手な扱いをすると普段の綺麗な顔からは想像出来ない形相で怒る彼女の事、安全な場所まで送り届けず園内に近い場所に置いて来た事が知れたら自分達はどうなるのか。
考えるだけで身震いがするのだがこの幼馴染みに自分達の嘘が通じないのは疾うの昔に学習済なので、怒られる覚悟で二人は正直に話した。
「サクラ様は・・・」
するとカミツレは二人が想像もしなかった反応を見せる。
「置いて来ちゃったの。彼女なら良い戦力になると思ったんだけど残念ね」
怒るどころか残念がる彼女に二人は驚く。
「まあ、ノボリ君とクダリ君が判断した結果だもの仕方ないわね」
「カミツレちゃん、サクラちゃんが良い戦力になるって」
どういう事なのか聞こうとした時、何処からか女性の悲鳴と、子供の泣き声が聞こえた。
「私は女性の方へ行くから二人は子供が泣いている方へお願い!」
カミツレの指示に頷いた二人は声の方へと駆け出す。
この騒ぎで母親とはぐれたのであろう子供は膝から血を流し、大声で泣いていた。
とても大声で泣いているにも関わらず母親は現れない、その状況が益々子供の恐怖心を煽りさらに泣かせる。
「お母さんとはぐれたの?」
母親とは似ても似ない声なのにその柔らかな声は子供の恐怖心を沈めるには充分だった。
「お姉ちゃん、誰?」
「ん~通りすがりのお人好しかな」
子供の泣き声を頼りにノボリとクダリがその場へ向かうと、泣き声の主であろう子供と二人には見覚えある人物の姿が見える。
それは見覚えも何も遊園地の側で別れたサクラの姿で、隣にいた子供は泣くのを止めたのか笑顔で彼女に抱きついていた。
「サクラ様!」
「サクラちゃん、何で此処に!」
駆けて現れた二人にサクラが連れた子供は警戒して彼女の背後に隠れる。
「このおじさん達、だれ?」
子供の"おじさん"発言に少なからずダメージを受けた二人。
そんな二人の姿を見て、噴き出しそうになりながらもサクラは
「この人達は君や君のお母さんを助けにきた正義の味方」
だと説明した。
サクラの説明に子供はキラキラと目を輝かす。
「おじさん達、正義の味方なの?」
純粋な子供の攻撃にノボリとクダリはもう息が絶え絶えだ。
そんな二人を前にして笑いを堪えるサクラも限界だった。
「ミルホッグ"10まんボルト"だ!」
繁みからの攻撃にいち早く気付いたサクラがラッキーに"まもる"を、そして攻撃が放たれた方へと飛び出したプラスルとマイナンに"スピードスター"を命じれば二匹の特性によって威力が増した"スピードスター"がミルホッグを襲う。
倒れたミルホッグをボールに戻し、逃げようとしたプラズマ団のしたっぱは振り向いた直後柔らかな壁にぶつかる。
恐る恐る見上げれば2メートルと遥かに自分より巨大なカイリューが真ん前にいた。
「くそー!離せこの野郎っ!!」
カイリューに捕まり、足をじたばたと動かすしたっぱの男をノボリとクダリは只呆然と見ている。
したっぱの男が攻撃を仕掛けてからのサクラの反応、指示、それに応えるポケモン達の行動。それらはノボリとクダリから見てもかなりのもの。
そして先程、カミツレが言った言葉だ。
「サクラ様は」
「サクラちゃんは」
何者なのか?
そんな素朴な疑問がノボリとクダリの頭に浮上する。
その場に立ち尽くし、こちらを見つめる二人にサクラは苦笑いを浮かべた。