双子と弁当屋の娘
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
遊園地の中は楽しいモノでいっぱいだ。
大きなピカチュウに回るコーヒーカップ
ゼブライカとギャロップを模した回転木馬にバリヤードのイラストが描かれたミラーハウス
屋内と屋外の二種に分かれたジェットコースターは何故か屋内型の方が人気があった。
「外の方が大きくて楽しそうなのに」
奥にはホラーハウスや空中ブランコ、大きな観覧車が見える。
すれ違う人が皆、笑顔で楽しげ
まだ何も乗っていないこちらまで楽しい気分になってしまう。
「サクラちゃん、パンフレットを見出してからずっと楽しそう」
「余程、遊園地が好きなのでしょうね」
二人がそんな会話をしているとも知らず、サクラはパンフレットを眺めてはにこにこしている。
実は遊園地に来るのはこれが初めてなサクラにはどのアトラクションも目新しく、パンフレットに描かれたイラストを見るだけでも充分楽しめていた。
まず、一番に何を乗るかはクダリの意見でジェットコースターと決まっているがその後は未定だ。
相変わらずゾロアの姿で肩に乗ったゾロアークに何れが良いか尋ねれば、彼は『その前に』とサクラが持っていた弁当の包みを示す。
「あ、」
パンフレットに夢中でお弁当を持ってきた事を忘れていたサクラは二人に声をかける。
「あの、お二人共」
「ねえ!ノボリ
僕あれ、食べたい!!」
サクラの声を遮りクダリが見付けたのはポップコーンの路上販売だった。
移動式であろう屋体の柱にはピカチュウやゾロア、エモンガ型の容器がくくりつけられその中央ではポップコーンが賑やかな音をたてて弾けている。
「クダリ、貴方は此処へ来る前にお弁当を頂いていたではありませんか」
「でもポップコーンは別腹!」
「私のも食べておいて何が別腹です」
サクラは思わず、弁当の包みを後ろへと隠した。
肩に乗ったゾロアークから『あちゃー』何て声が聞こえる。
「・・・その、お二人はもう昼食はお済みなんですか?」
自分が発した声が動揺もなく何時も通りだったのは褒めてやりたい。
「はい、駅員の方々が仕事を頑張って下さったおかげで予定より時間が空きまして」
「そしたら事務の女の子達がお弁当くれたんだー良かったら食べて下さいって」
「そうなんですか」
「もしや、サクラ様は昼食がまだで?」
ノボリの問いにサクラは俯いていた顔を上げて「まさか」と手を振る。
すると後ろに隠していた弁当の包みはあっさりと前に出てしまったので今度はクダリにその包みが何か尋ねられてしまった。
「そう言えば私も先程から気になっておりました。
その大きな包みは・・・」
『こいつがお前らの為に作った弁当だよ』
皮肉を籠め、答えないサクラの代わりにゾロアークが答えるがノボリやクダリにはただゾロアが鳴いた様にしか聞こえず答えになっていない。
「これは・・・」
ばさばさと、おかずが弁当の箱がゴミ箱の中へと消えていく。
朝から早起きして作った弁当も今はゴミとなってゴミ箱の暗闇に飲み込まれる。
『何も捨てなくても良いだろ』
「だってお弁当がなくなら無いとさっきの言い訳が成立しない」
サクラは嘘を吐いた。
用意したお弁当を出せず食べてもらえず、それは何かとお弁当の包みを尋ねられサクラは咄嗟に答えた。
遊園地に行く次いでに、と頼まれた宅配用のお弁当だと
自宅が弁当屋をしていると知っている二人はあっさり信じてくれて、サクラは此処にいる。
遊園地の隅、何の為に設置されているのかも分からない雑木林の中のゴミ箱。
先にお弁当を届けて来ると、やはり二人に嘘を吐いて弁当を捨てる。
林のすぐ向こうでは人々の楽し気な声が聴こえてサクラの気分は少しずつ下がっていく。
頼まれてもいないのに勝手にお弁当を用意したのは自分だ。
だけど惨めで仕方がない。
サクラはゴミ箱に消えていく玉子焼きやおにぎりに「バイバイ」「ごめんね」と小さく声をかけた。
『そんな泣きそうな顔をする位なら捨てなくても良いだろ』
「だって・・・」
次に捨てようとしていたサンドイッチを一つ手に取ったゾロアークはそのまま口の中へと放り込む。
「え、」
『あいつらが食べないんだったら俺達が食べてやるよ』
その直後にサクラが肩からかけていた鞄が微かに揺れた。
マナーモードにしたライブキャスターが着信でも受けているのかと鞄のファスナーを開けた直後、赤い光線が外へと飛び出す。
『僕達にも』『頂戴!』
ゴミ箱の上でおねだりのポーズをしたのはプラスルとマイナンで、サクラが応えるより前にサンドイッチに手を伸ばすと二匹は勝手に食べ出した。
「貴方達何時の間に・・・」
鞄に二匹のボールを入れた覚えのない。
きっと勝手に忍び込んでいたのだろう二匹にサクラは頭を押さえる。
それでもサクラは怒る気にはなれなかった。
『美味しいね』『美味しいね』
仲良く、本当に美味しそうにサンドイッチを食べる二匹にサクラは怒る所か慰められていたのだ。
『だから言っただろ、俺達が食べてやるって』
既に三つ目になるサンドイッチを食べていたゾロアークに言われてサクラは「ありがとう」と笑った。
「三匹共、まだ果物もあるよ。
食べる?」
サクラの言葉にプラスルとマイナンが喜びの声を上げる。
だが、ゾロアークの返事はなく、見れば彼はサクラの肩から降りて雑木林のもっと奥を威嚇していた。
小さなゾロアだった彼の姿が元のゾロアークへと戻(ったのは小さなゾロアの姿では威嚇も威嚇にならないという日々の教訓からだろうか)る。
ゾロアークが威嚇しているのに気付いたプラスルとマイナンは慌ててサクラの腕の中へと移動した。
ガサガサと繁みが揺れる。
その音にゾロアークはより一層、威嚇を強めた。
ガサガサ揺れる繁みから出て来たのは
「ダルマッカだ」
お弁当の匂いに釣られて出てきたのか辺りをきょろきょろと見渡しながら出てきたダルマッカにサクラは林檎を一つ手に取って差し出す。
「良かったらどうぞ」
『くれるの?』
「林檎が嫌いじゃなかったら」
真ん丸の目をキラキラと輝かせたダルマッカは林檎の兎を手に繁みへと消えた。
そしてすぐに戻ってくる。
「ズルッグにメグロコ、シンボラーもいる」
仲間であろうポケモンを連れて
『一気に大所帯だな』
増えたポケモンに驚きながらもサクラは果物を集まってきたポケモンに与えた。
彼等は誰かの手持ちなのか、もしそうだとして勝手に食べ物を与えて怒られたりはしないだろうか?(一度、ホウエンにいた際に同じ様な事をしてポケモンの持ち主に怒られた)
そんな事を考えながらも果物を欲しがる彼等に駄目とは言えずサクラはついついあげてしまう。
『貴方も私たちの言葉が解るんですね』
「まあそれなりに
て、貴方"も"って?」
シンボラーの言葉が気になり尋ねていればまたも繁みが揺れ動く。
またポケモンかと、そんなにも気を留めず揺れる繁みを眺めていれば繁みや木々の向こうから現れた薄萌黄の髪に長身の男で、首には惑星を模したアクセサリーを下げていた。
見れば見る程、前に双子が話していた特徴と一致する男にサクラは尋ねる。
「・・・ストーカーさんですか?」と、
「他人にストーカー呼ばわりされる覚えはないかな」
男の返答にサクラはそれもそうだと思った。
大きなピカチュウに回るコーヒーカップ
ゼブライカとギャロップを模した回転木馬にバリヤードのイラストが描かれたミラーハウス
屋内と屋外の二種に分かれたジェットコースターは何故か屋内型の方が人気があった。
「外の方が大きくて楽しそうなのに」
奥にはホラーハウスや空中ブランコ、大きな観覧車が見える。
すれ違う人が皆、笑顔で楽しげ
まだ何も乗っていないこちらまで楽しい気分になってしまう。
「サクラちゃん、パンフレットを見出してからずっと楽しそう」
「余程、遊園地が好きなのでしょうね」
二人がそんな会話をしているとも知らず、サクラはパンフレットを眺めてはにこにこしている。
実は遊園地に来るのはこれが初めてなサクラにはどのアトラクションも目新しく、パンフレットに描かれたイラストを見るだけでも充分楽しめていた。
まず、一番に何を乗るかはクダリの意見でジェットコースターと決まっているがその後は未定だ。
相変わらずゾロアの姿で肩に乗ったゾロアークに何れが良いか尋ねれば、彼は『その前に』とサクラが持っていた弁当の包みを示す。
「あ、」
パンフレットに夢中でお弁当を持ってきた事を忘れていたサクラは二人に声をかける。
「あの、お二人共」
「ねえ!ノボリ
僕あれ、食べたい!!」
サクラの声を遮りクダリが見付けたのはポップコーンの路上販売だった。
移動式であろう屋体の柱にはピカチュウやゾロア、エモンガ型の容器がくくりつけられその中央ではポップコーンが賑やかな音をたてて弾けている。
「クダリ、貴方は此処へ来る前にお弁当を頂いていたではありませんか」
「でもポップコーンは別腹!」
「私のも食べておいて何が別腹です」
サクラは思わず、弁当の包みを後ろへと隠した。
肩に乗ったゾロアークから『あちゃー』何て声が聞こえる。
「・・・その、お二人はもう昼食はお済みなんですか?」
自分が発した声が動揺もなく何時も通りだったのは褒めてやりたい。
「はい、駅員の方々が仕事を頑張って下さったおかげで予定より時間が空きまして」
「そしたら事務の女の子達がお弁当くれたんだー良かったら食べて下さいって」
「そうなんですか」
「もしや、サクラ様は昼食がまだで?」
ノボリの問いにサクラは俯いていた顔を上げて「まさか」と手を振る。
すると後ろに隠していた弁当の包みはあっさりと前に出てしまったので今度はクダリにその包みが何か尋ねられてしまった。
「そう言えば私も先程から気になっておりました。
その大きな包みは・・・」
『こいつがお前らの為に作った弁当だよ』
皮肉を籠め、答えないサクラの代わりにゾロアークが答えるがノボリやクダリにはただゾロアが鳴いた様にしか聞こえず答えになっていない。
「これは・・・」
ばさばさと、おかずが弁当の箱がゴミ箱の中へと消えていく。
朝から早起きして作った弁当も今はゴミとなってゴミ箱の暗闇に飲み込まれる。
『何も捨てなくても良いだろ』
「だってお弁当がなくなら無いとさっきの言い訳が成立しない」
サクラは嘘を吐いた。
用意したお弁当を出せず食べてもらえず、それは何かとお弁当の包みを尋ねられサクラは咄嗟に答えた。
遊園地に行く次いでに、と頼まれた宅配用のお弁当だと
自宅が弁当屋をしていると知っている二人はあっさり信じてくれて、サクラは此処にいる。
遊園地の隅、何の為に設置されているのかも分からない雑木林の中のゴミ箱。
先にお弁当を届けて来ると、やはり二人に嘘を吐いて弁当を捨てる。
林のすぐ向こうでは人々の楽し気な声が聴こえてサクラの気分は少しずつ下がっていく。
頼まれてもいないのに勝手にお弁当を用意したのは自分だ。
だけど惨めで仕方がない。
サクラはゴミ箱に消えていく玉子焼きやおにぎりに「バイバイ」「ごめんね」と小さく声をかけた。
『そんな泣きそうな顔をする位なら捨てなくても良いだろ』
「だって・・・」
次に捨てようとしていたサンドイッチを一つ手に取ったゾロアークはそのまま口の中へと放り込む。
「え、」
『あいつらが食べないんだったら俺達が食べてやるよ』
その直後にサクラが肩からかけていた鞄が微かに揺れた。
マナーモードにしたライブキャスターが着信でも受けているのかと鞄のファスナーを開けた直後、赤い光線が外へと飛び出す。
『僕達にも』『頂戴!』
ゴミ箱の上でおねだりのポーズをしたのはプラスルとマイナンで、サクラが応えるより前にサンドイッチに手を伸ばすと二匹は勝手に食べ出した。
「貴方達何時の間に・・・」
鞄に二匹のボールを入れた覚えのない。
きっと勝手に忍び込んでいたのだろう二匹にサクラは頭を押さえる。
それでもサクラは怒る気にはなれなかった。
『美味しいね』『美味しいね』
仲良く、本当に美味しそうにサンドイッチを食べる二匹にサクラは怒る所か慰められていたのだ。
『だから言っただろ、俺達が食べてやるって』
既に三つ目になるサンドイッチを食べていたゾロアークに言われてサクラは「ありがとう」と笑った。
「三匹共、まだ果物もあるよ。
食べる?」
サクラの言葉にプラスルとマイナンが喜びの声を上げる。
だが、ゾロアークの返事はなく、見れば彼はサクラの肩から降りて雑木林のもっと奥を威嚇していた。
小さなゾロアだった彼の姿が元のゾロアークへと戻(ったのは小さなゾロアの姿では威嚇も威嚇にならないという日々の教訓からだろうか)る。
ゾロアークが威嚇しているのに気付いたプラスルとマイナンは慌ててサクラの腕の中へと移動した。
ガサガサと繁みが揺れる。
その音にゾロアークはより一層、威嚇を強めた。
ガサガサ揺れる繁みから出て来たのは
「ダルマッカだ」
お弁当の匂いに釣られて出てきたのか辺りをきょろきょろと見渡しながら出てきたダルマッカにサクラは林檎を一つ手に取って差し出す。
「良かったらどうぞ」
『くれるの?』
「林檎が嫌いじゃなかったら」
真ん丸の目をキラキラと輝かせたダルマッカは林檎の兎を手に繁みへと消えた。
そしてすぐに戻ってくる。
「ズルッグにメグロコ、シンボラーもいる」
仲間であろうポケモンを連れて
『一気に大所帯だな』
増えたポケモンに驚きながらもサクラは果物を集まってきたポケモンに与えた。
彼等は誰かの手持ちなのか、もしそうだとして勝手に食べ物を与えて怒られたりはしないだろうか?(一度、ホウエンにいた際に同じ様な事をしてポケモンの持ち主に怒られた)
そんな事を考えながらも果物を欲しがる彼等に駄目とは言えずサクラはついついあげてしまう。
『貴方も私たちの言葉が解るんですね』
「まあそれなりに
て、貴方"も"って?」
シンボラーの言葉が気になり尋ねていればまたも繁みが揺れ動く。
またポケモンかと、そんなにも気を留めず揺れる繁みを眺めていれば繁みや木々の向こうから現れた薄萌黄の髪に長身の男で、首には惑星を模したアクセサリーを下げていた。
見れば見る程、前に双子が話していた特徴と一致する男にサクラは尋ねる。
「・・・ストーカーさんですか?」と、
「他人にストーカー呼ばわりされる覚えはないかな」
男の返答にサクラはそれもそうだと思った。