双子と弁当屋の娘
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多くの人が出入りする遊園地のゲートの側でサクラは立っていた。
腕時計で時間を確認しながら落ち着きなく辺りを見渡す。
「ゾロアーク、私変じゃない?」
サクラの問いに『あー変じゃない』と答える。
見たわけでもなく適当に答えるゾロアーク、だがサクラはその態度を気にするわけでもなくそわそわと辺りを見渡すのだ。
「やっぱり着替えさせられる前の方が良かった」
短いふわふわのスカートは落ち着かないし、いつもより踵の高い靴でふらふらで遊園地に着くまでに何度も転びそうになった。
今すぐにでも着替えたいが約束の時間まで後10分となく着替える暇もない。
「こんな格好、ノボリさんとクダリさんに見られたら絶対似合わないって笑われる」
『それは無いと思うぞ。むしろ見たら黙って固まるかもな』
特に黒い方が、とゾロアークは楽しげに話した。
「やっぱり家に帰って着替える!」
ゾロアークにテレポートしてとお願いしていれば「サクラちゃん?」とクダリの声が聴こえて、サクラは思わず背筋を伸ばして返事をする。
「うわ、はい!」
自分でも呆れる程の変な返事だった。
その直後、ケンタロスの"とっしん"でも受けたかの様な衝撃が身を襲った。
しかし体は飛ばされずそのままジャローダにでも巻き付かれているかの様な息苦しさ。
このまま私はたたきつけられてしまうのか、そんな覚悟をしたがそんな事無かった。
「可愛い!何時も可愛いけど今日は特に、
すっごく可愛い!!」
抱きつかれてクダリさんに褒められて、私は呆然としてしまう。
「ほら!ノボリも見とれて無いで何か言って」
「そんな、私は・・・」
そこでノボリさんと目が合った。
「・・・サクラ様、今日はいちだんと愛らしいですね。
その服もよく似合っております」
「・・・ありがとうございます」
想像とは違う二人の反応にサクラが思わず顔を赤くして身を縮こまらせると何故かゾロアークの予想通りノボリも顔を赤くして固まる。
互いに視線を反らしながらも向かい合った二人を遊園地へと向かう人々が「見て」と小さく指差す。
「二人とも顔が真っ赤」
「初々しいね」
「可愛い」
ノボリとサクラを「可愛いカップル」と称した人々にクダリは頬を膨らました。
クダリには二人がカップル扱いされるのも、まるで自分がいないように扱われるのも面白く無かったのだ。
「行こ!サクラちゃん」
頬を膨らましたクダリはサクラを力任せに引っ張り、遊園地へと進む。
サクラは慣れない踵の高い靴を履き、クダリ何時もより速いペースで歩くので、歩いてすぐによろけたサクラの体は前へ傾く。
「わわっ!」
片手はクダリが、もう片手は用意したお弁当で埋まっていて受け身が取れそうにないサクラは思わず目を瞑る。
地面にぶつかる!
と思った瞬間何かに支えられた。
ゆっくり目を開ければ視界は真っ黒。
「ノボリ、さん?」
この視界が真っ黒な状況はサクラに覚えがある。
「はい、私でございます」
大丈夫ですか?と尋ねられ、顔を上げたサクラはノボリに抱き付く様にして傾いた体を支えられていた。
「おかげ様で、大丈夫です」
思わず片言になりながらそう答えれば、ノボリから安堵の息。
「クダリ、遊園地が楽しみなのは分かりますがこうも先走った行動をされては私も、サクラ様も困ります」
「うっ・・・」
「はしゃぐなとは言いませんが、せめてサクラ様に合わせた行動をお願いします」
「・・・はい」
まるで、母親とその子供だ。
叱るノボリと叱られたクダリを見てサクラはそう思った。
ノボリの手を借りて体勢を整えればクダリから控え目な声で「ごめん」と謝られる。
肩を落としたクダリと手を繋ぎ直し、サクラは笑う。
「まぁまぁ、せっかく遊園地に来たんですから楽しみましょうよ」
「そうでございますね」
「僕、ジェットコースター乗りたい!」
苦笑いのノボリに対し、さっきまでの落ち込みは何処へ行ったのか。
エスコートと言うよりもサクラを無理に引き摺るクダリにサクラもノボリも顔を見合わせて笑った。
腕時計で時間を確認しながら落ち着きなく辺りを見渡す。
「ゾロアーク、私変じゃない?」
サクラの問いに『あー変じゃない』と答える。
見たわけでもなく適当に答えるゾロアーク、だがサクラはその態度を気にするわけでもなくそわそわと辺りを見渡すのだ。
「やっぱり着替えさせられる前の方が良かった」
短いふわふわのスカートは落ち着かないし、いつもより踵の高い靴でふらふらで遊園地に着くまでに何度も転びそうになった。
今すぐにでも着替えたいが約束の時間まで後10分となく着替える暇もない。
「こんな格好、ノボリさんとクダリさんに見られたら絶対似合わないって笑われる」
『それは無いと思うぞ。むしろ見たら黙って固まるかもな』
特に黒い方が、とゾロアークは楽しげに話した。
「やっぱり家に帰って着替える!」
ゾロアークにテレポートしてとお願いしていれば「サクラちゃん?」とクダリの声が聴こえて、サクラは思わず背筋を伸ばして返事をする。
「うわ、はい!」
自分でも呆れる程の変な返事だった。
その直後、ケンタロスの"とっしん"でも受けたかの様な衝撃が身を襲った。
しかし体は飛ばされずそのままジャローダにでも巻き付かれているかの様な息苦しさ。
このまま私はたたきつけられてしまうのか、そんな覚悟をしたがそんな事無かった。
「可愛い!何時も可愛いけど今日は特に、
すっごく可愛い!!」
抱きつかれてクダリさんに褒められて、私は呆然としてしまう。
「ほら!ノボリも見とれて無いで何か言って」
「そんな、私は・・・」
そこでノボリさんと目が合った。
「・・・サクラ様、今日はいちだんと愛らしいですね。
その服もよく似合っております」
「・・・ありがとうございます」
想像とは違う二人の反応にサクラが思わず顔を赤くして身を縮こまらせると何故かゾロアークの予想通りノボリも顔を赤くして固まる。
互いに視線を反らしながらも向かい合った二人を遊園地へと向かう人々が「見て」と小さく指差す。
「二人とも顔が真っ赤」
「初々しいね」
「可愛い」
ノボリとサクラを「可愛いカップル」と称した人々にクダリは頬を膨らました。
クダリには二人がカップル扱いされるのも、まるで自分がいないように扱われるのも面白く無かったのだ。
「行こ!サクラちゃん」
頬を膨らましたクダリはサクラを力任せに引っ張り、遊園地へと進む。
サクラは慣れない踵の高い靴を履き、クダリ何時もより速いペースで歩くので、歩いてすぐによろけたサクラの体は前へ傾く。
「わわっ!」
片手はクダリが、もう片手は用意したお弁当で埋まっていて受け身が取れそうにないサクラは思わず目を瞑る。
地面にぶつかる!
と思った瞬間何かに支えられた。
ゆっくり目を開ければ視界は真っ黒。
「ノボリ、さん?」
この視界が真っ黒な状況はサクラに覚えがある。
「はい、私でございます」
大丈夫ですか?と尋ねられ、顔を上げたサクラはノボリに抱き付く様にして傾いた体を支えられていた。
「おかげ様で、大丈夫です」
思わず片言になりながらそう答えれば、ノボリから安堵の息。
「クダリ、遊園地が楽しみなのは分かりますがこうも先走った行動をされては私も、サクラ様も困ります」
「うっ・・・」
「はしゃぐなとは言いませんが、せめてサクラ様に合わせた行動をお願いします」
「・・・はい」
まるで、母親とその子供だ。
叱るノボリと叱られたクダリを見てサクラはそう思った。
ノボリの手を借りて体勢を整えればクダリから控え目な声で「ごめん」と謝られる。
肩を落としたクダリと手を繋ぎ直し、サクラは笑う。
「まぁまぁ、せっかく遊園地に来たんですから楽しみましょうよ」
「そうでございますね」
「僕、ジェットコースター乗りたい!」
苦笑いのノボリに対し、さっきまでの落ち込みは何処へ行ったのか。
エスコートと言うよりもサクラを無理に引き摺るクダリにサクラもノボリも顔を見合わせて笑った。