双子と弁当屋の娘
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何かこの光景見たことがある。
サクラは目の前の事にぼんやりと思った。
辺り一帯に響く電子音に草むらで遊んでいたラルトスとヨーテリーが何事かとサクラの元へ戻ってくる。
電話の呼び出しであろうその電子音は諦める様子もなくただ坦々と鳴いていた。
「二人とも、電話取らないんですか?」
何時まで経っても電話に出ようとしない二人にトウヤが尋ねる。
「凄く嫌な予感がする」
そう呟いたクダリの表情は相変わらす笑っていたが顔色は真っ青で、ノボリも同じく顔面蒼白。
「私もクダリと同意見でございます」
電話に出ない二人にトウコは「焦れったいな」と言って、ディスプレイに出た通話ボタンを勝手に押した。
「あーっ!!」
「トウコ様何を」
「大の大人が電話一つにびくびくして出ないからですよ!」
反省する様子もなくそっぽを向くトウコ。
通話ボタンを押さえたライブキャスターははっきりとは聴こえなくとも、小さく微かに向こうの声が聴こえた。
観念したノボリがライブキャスターを耳に当てる。
それを見てクダリも同じ様に当てるのだが、向こうは混乱しているのか言葉は途切れ途切れ。
声の向こうで喋る駅員とは別の駅員が「ボス何処にいるんですか?!」と叫びにも似た声を上げている。
『ボスー!!何処に行ってるんですか!!?』
『挑戦者がもうすぐそこまで・・・あぁっ43戦目に入りました!』
『お願いですから』
『早く』
そこで駅員の声は途切れた。
二人が通話を終わらせるボタンを押したのだ。
「クダリさんの嫌な予感が当たったみたいだね」
「ノボリさんのあの様子、原因はバトルサブウェイとみた」
あくまでも傍観の粋を越えず眺め実況するトウコとトウヤ。
顔面蒼白の二人にはらはらしていたサクラの肩にネイティに化けたゾロアークが乗る。
「起きたのね」
『あんなに五月蝿く騒がれちゃあカビゴンでも目を覚ますさ』
「確かに」
ゾロアークの言葉にサクラは笑っていたがライブキャスターを握り茫然としていた二人には一刻の猶予も無かった。
「・・・クダリ」
「・・・ノボリも?」
「"も"という事はクダリ、貴方もなのですか?」
「そうだよ。スーパーダブルで挑戦者が43戦目に入っちゃった」
クダリの言葉に彼らが置かれた状況をやっと把握したトウコとトウヤの口から「うわっ」と言葉が漏れる。
「私もでございます。スーパーダブルのお客様が43戦目・・・こうしている間にも次々勝ち進んでいるやもしれません」
「どうしよ!今すぐギアスステーション戻れば、」
「もうお客様が電車に乗ってしまった以上追い掛けるなど不可能でございます!」
「じゃあ、どうするって言うのさ!」
「それは今、考えて!」
「あーあー、また始まった」
傍観者:Aのトウヤは呟く。
「ここで口論してもしょうがないのに」
同じく傍観者:Bのトウコは何処と無く呆れていた。
「どうします」「どうする」と振り返った二人にサクラは
「どうしましょう」
と笑う。
「丁度、ここにエスパータイプのポケモンが二匹いるし」
足元にいたラルトスを抱き上げ、肩にいたネイティを手の甲へ移動させた。
「二人を送りましょうか」
無駄な口論を繰り返すノボリとクダリに近付けばネイティは文句を言いながらもクダリの頭の上に、ラルトスはノボリの肩に移動する。
「クダリ、貴方。頭に」
「ノボリだって肩に乗せてる」
「「・・・」」
一体、今から何が起こるのか検討もつかない二人は一度顔を見合わせてからサクラに顔を向けた。
「さあ、目を瞑って」
「あの貴女は私達に何を」
「簡単に言えばその子達の力で貴殿方を貴殿方の仕事場へ飛ばします」
そう答えたサクラは時間がない事を理由にノボリに目を瞑るよう指示する。
すると指示通り、ノボリは目を瞑るのだが色々と心配な様子で口を開く。
「ですがギアスステーションまでかなりの距離があります。この様な幼いポケモンの力では無理があるかと」
「大丈夫ですよ。家の子は強い子達ばかりですから、遠くても大人数でもちゃんとテレポートで送り届けます」
だから、大丈夫だとサクラはノボリの背中を叩いた。
文句も言えない程、思いっきり
その大きな音にクダリもトウコもトウヤも「痛そう」と呟く。
「これって行きたい所、頭に浮かべて念じればいいの?」
「そうです。そうすれば二人に乗った二匹が運んでくれますから
集中して」
クダリは慣れた様子で、ノボリは痛みに堪えながらサクラに言われた通りの事をする。
「ネイティ、ラルトス、
"テレポート"」
瞬間、頭のネイティが肩のラルトスが発光をして瞬きをする間に二人ごと消えてしまう。
「ノボリさんもクダリさんも」
「消えちゃった・・・」
まさに瞬間で消えてしまった二人にはトウヤもトウコも驚いて立ち尽くす。
サクラだけが驚く様子もなく近くの椅子へと移動する。
「二匹が帰ってくるまで待たないと」
その間は暇ね、とサクラは足元でそばえるヨーテリーの頭を撫でた。
サクラは目の前の事にぼんやりと思った。
辺り一帯に響く電子音に草むらで遊んでいたラルトスとヨーテリーが何事かとサクラの元へ戻ってくる。
電話の呼び出しであろうその電子音は諦める様子もなくただ坦々と鳴いていた。
「二人とも、電話取らないんですか?」
何時まで経っても電話に出ようとしない二人にトウヤが尋ねる。
「凄く嫌な予感がする」
そう呟いたクダリの表情は相変わらす笑っていたが顔色は真っ青で、ノボリも同じく顔面蒼白。
「私もクダリと同意見でございます」
電話に出ない二人にトウコは「焦れったいな」と言って、ディスプレイに出た通話ボタンを勝手に押した。
「あーっ!!」
「トウコ様何を」
「大の大人が電話一つにびくびくして出ないからですよ!」
反省する様子もなくそっぽを向くトウコ。
通話ボタンを押さえたライブキャスターははっきりとは聴こえなくとも、小さく微かに向こうの声が聴こえた。
観念したノボリがライブキャスターを耳に当てる。
それを見てクダリも同じ様に当てるのだが、向こうは混乱しているのか言葉は途切れ途切れ。
声の向こうで喋る駅員とは別の駅員が「ボス何処にいるんですか?!」と叫びにも似た声を上げている。
『ボスー!!何処に行ってるんですか!!?』
『挑戦者がもうすぐそこまで・・・あぁっ43戦目に入りました!』
『お願いですから』
『早く』
そこで駅員の声は途切れた。
二人が通話を終わらせるボタンを押したのだ。
「クダリさんの嫌な予感が当たったみたいだね」
「ノボリさんのあの様子、原因はバトルサブウェイとみた」
あくまでも傍観の粋を越えず眺め実況するトウコとトウヤ。
顔面蒼白の二人にはらはらしていたサクラの肩にネイティに化けたゾロアークが乗る。
「起きたのね」
『あんなに五月蝿く騒がれちゃあカビゴンでも目を覚ますさ』
「確かに」
ゾロアークの言葉にサクラは笑っていたがライブキャスターを握り茫然としていた二人には一刻の猶予も無かった。
「・・・クダリ」
「・・・ノボリも?」
「"も"という事はクダリ、貴方もなのですか?」
「そうだよ。スーパーダブルで挑戦者が43戦目に入っちゃった」
クダリの言葉に彼らが置かれた状況をやっと把握したトウコとトウヤの口から「うわっ」と言葉が漏れる。
「私もでございます。スーパーダブルのお客様が43戦目・・・こうしている間にも次々勝ち進んでいるやもしれません」
「どうしよ!今すぐギアスステーション戻れば、」
「もうお客様が電車に乗ってしまった以上追い掛けるなど不可能でございます!」
「じゃあ、どうするって言うのさ!」
「それは今、考えて!」
「あーあー、また始まった」
傍観者:Aのトウヤは呟く。
「ここで口論してもしょうがないのに」
同じく傍観者:Bのトウコは何処と無く呆れていた。
「どうします」「どうする」と振り返った二人にサクラは
「どうしましょう」
と笑う。
「丁度、ここにエスパータイプのポケモンが二匹いるし」
足元にいたラルトスを抱き上げ、肩にいたネイティを手の甲へ移動させた。
「二人を送りましょうか」
無駄な口論を繰り返すノボリとクダリに近付けばネイティは文句を言いながらもクダリの頭の上に、ラルトスはノボリの肩に移動する。
「クダリ、貴方。頭に」
「ノボリだって肩に乗せてる」
「「・・・」」
一体、今から何が起こるのか検討もつかない二人は一度顔を見合わせてからサクラに顔を向けた。
「さあ、目を瞑って」
「あの貴女は私達に何を」
「簡単に言えばその子達の力で貴殿方を貴殿方の仕事場へ飛ばします」
そう答えたサクラは時間がない事を理由にノボリに目を瞑るよう指示する。
すると指示通り、ノボリは目を瞑るのだが色々と心配な様子で口を開く。
「ですがギアスステーションまでかなりの距離があります。この様な幼いポケモンの力では無理があるかと」
「大丈夫ですよ。家の子は強い子達ばかりですから、遠くても大人数でもちゃんとテレポートで送り届けます」
だから、大丈夫だとサクラはノボリの背中を叩いた。
文句も言えない程、思いっきり
その大きな音にクダリもトウコもトウヤも「痛そう」と呟く。
「これって行きたい所、頭に浮かべて念じればいいの?」
「そうです。そうすれば二人に乗った二匹が運んでくれますから
集中して」
クダリは慣れた様子で、ノボリは痛みに堪えながらサクラに言われた通りの事をする。
「ネイティ、ラルトス、
"テレポート"」
瞬間、頭のネイティが肩のラルトスが発光をして瞬きをする間に二人ごと消えてしまう。
「ノボリさんもクダリさんも」
「消えちゃった・・・」
まさに瞬間で消えてしまった二人にはトウヤもトウコも驚いて立ち尽くす。
サクラだけが驚く様子もなく近くの椅子へと移動する。
「二匹が帰ってくるまで待たないと」
その間は暇ね、とサクラは足元でそばえるヨーテリーの頭を撫でた。