双子と弁当屋の娘
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「終わった・・・!」
すっかりと書類の山が無くなり綺麗になった机にクダリは腕を伸ばし倒れ込んだ。
部屋の壁にかけられた時計を見ればお昼の休憩迄後10分程。
「ノボリー僕頑張った」
「お疲れ様です。
普段もこれくらい頑張って下されば良いのですけどね」
そうなれば書類の提出が遅れる度、ノボリは部下に泣き付かれなくて済むのだ。
「ですが、今日はよく頑張りました」
"今日"はまだ、残り半日あるがクダリには今日提出と嘘を付き溜まっていた書類を全て片付けさせたので急ぎの書類が入ってこない限り今日のデスクワークはない。
今日は部下に泣き付かれず済みそうだ、とノボリは一人思った。
今だぐったりとしたクダリの頭を撫でてやれば、撫でられて喜んでいるのか嬉しげな声が聞こえる。
「では約束通り外に出ましょう」
「うん!行く」
外では目立つサブウェイマスターのコートを脱ぎ、ノボリは黒のクダリは白のベストを着て制帽をキャスケットに変えた。
「これで外に出ても僕達がサブウェイマスターだってバレない!」
「そうでしょうか」
自分達を知る人が見ればすぐ分かるんじゃないかと思いつつ、ノボリは財布とライブキャスターをスラックスのポケットにしまう。
昼の休憩にちょっと外へ出るだけなのにかなりはしゃいだクダリをノボリが引っ張り、部屋を出れば丁度クラウドがいた。
「何やボス達、今日は二人して外で昼を摂るんですか?」
ならこれは後やなと言った彼の手には新しい書類がある。
「帰ってきたら読みますので私達の机に置いておいて下さい」
「えーまた書類?僕やだー・・・あいてっ」
あからさまにクラウドが持つ書類に嫌な顔をしたクダリの頭をノボリは軽く叩いた。
「ノボリ痛い」
「貴方が仕事を嫌だと言うからです」
「でも叩く事ない!」
目の前で兄弟喧嘩を始めた二人にクラウドは笑う。
「ほんと、ボス達は面白いわ。
見てて飽きやん」
「上司に対して面白いは」
「凄く失礼だと思う」
二人の目標が互いではなく、自分達を笑ったクラウドに向けられた。
明らかに笑われて不本意だという顔の二人にクラウドは「えらいすみません」と頭を下げる。
「ああ、そや。クダリさん安心してください。これは書類でも読んで済む書類らしいですから」
「本当?じゃあその書類、嫌いじゃない」
「・・・・・・」
部下に「読んで済む書類だから安心して」と言わる上司がいて良いものなのか、その報告に喜ぶクダリに問題があるのは確かだが
眉間を押さえたノボリをクダリは「早く行こー」と引っ張った。
気付けばクラウドは書類を二人の執務室に置きに行ったのかそこにはいない。
「そうですね。ここでうかうかとしていれば貴重な休み時間が無くなってしまいます」
「じゃあ、ギアスステーションの外へ出発進行ー!」
「だから何でトウヤはあの時ノボリさんにあんな事を言ったのよ!」
勢いよくトウコがテーブルを叩き、昼食と一緒に買ったジュースのボトルがぐらぐらと揺れた。
トウコの剣幕に慣れた様子のトウヤは怯む事もなく「何が?」と頭を傾げる。
「何って、コートを返す時にあのコートがサクラさんの手掛かりになる的な事を言ったじゃない!」
「ああ、あれはノボリさんが
この服が彼女の手掛かりになるのですか?
って聞いてきたから」
「だからなんでそこでハイそうですって馬鹿正直に答えるのよー!」
馬鹿トウヤ!とトウコは彼が机を挟んだ向こう側に座っているにも関わらず、胸ぐらを掴むと勢いよく揺らした。
ガクガクガクとひたすらトウコに体を揺すぶられるトウヤ。
「何やってるの?」
胸ぐらを掴むトウコと掴まれているトウヤ。
事の原因を知らずそこだけ見れば何が何やらよく分からない状況の二人にゾロアークを腕に抱えたサクラは頭を傾げた。
今はゾロアに化けたゾロアークを机に下ろし、サクラは残していたジュースを一口飲む。
「あ、えっと護身術の練習?」
かな?とトウコはトウヤに助けを求める視線を送るのだがその視線を見事にかわされる。
トウヤの胸ぐらを掴むに迄至った原因は昨日の、サクラがトレインを下りた後の会話でトウコとしてはサクラに知られたくはない会話だった。
胸ぐらを掴む原因を話してサクラを困らせたくはないトウコは苦しい嘘をつくが、どうみても護身術の練習には見えない。
が、サクラは意外な反応を見せる。
「護身術?なら私が教えようか」
トウコの嘘を信じたのか「これでも色々な人に鍛えてもらったから」と、拳を構えたサクラにトウコは首を振った。
「大丈夫です。
それより、サクラさんまた勝ったんですか?」
「うん、勝ったよ。
賞金も確りゲット!」
と、ボトル片手にピースしたサクラの後ろでは彼女に負けたらしい男が財布を見つめて肩を落としている。
あれは財布の中身を根こそぎ取られたんだなと双子は思った。
無謀にも彼女にバトルを挑んで財布の中身をごっそり持って行かれたのは何も後ろの男だけではない。
サクラの甘い誘い文句に誘われ、逆に返り討ちとなったトレーナーはトウコとトウヤが把握するかぎり既に二桁には到達していた。
「サクラさんって何時もこんな事してるんですか?」
「何時もじゃ無いよ。基本は月末がお金が無いとき、月の半分位かな」
「一ヶ月の内半分は金欠何ですね」
「まあね」
他人に自宅の厳しい経済事情を知られても恥ずかしがる様子の無いサクラはジュースをもう一口飲んだ。
腕を組み、軽い柔軟体操をしたサクラは遠巻きに此方の様子を伺い見るトレーナー達に目を向ける。
「次は誰が相手してくれるのかな」
朝から連戦が続く中、疲れた様子も見せないサクラは机の上で袋に入ったクッキーと格闘していたゾロアークに声をかけた。
「ゾロアーク、バトルしたい?」
『流石に疲れた』
「じゃあ、ラルトスやヨーテリーとバトルしてくるね」
『おう』
短い返事で答えたゾロアークは袋に前足を伸ばしクッキーを取ろうと頑張る。
のだが、ゾロアークが化けたゾロアの姿では足が短すぎてクッキーは少しかするだけ。
『くそーっ』
袋から足を出し、ゾロアークは恨めしげに自分の短い足を見つめた。
「元の姿に戻るか、クッキーが取れる様な姿になれば良いのに」
はい、とサクラは袋からクッキーを取り出すとゾロアークに差し出す。
サクラはもう一枚、クッキーを取り出し半分に割ればそれは彼女の足元にいた小さな二匹の分。
「ヨーテリーとラルトスは今からバトルだから半分ずつね」
屈み、小さな二匹の前にクッキーを出せばヨーテリーは飛び付き、ラルトスは礼を言ってから受け取り食べ出す。
『クッキー美味しいです』
『もっと頂戴!』
「バトルを一回したらね」
すっかりと書類の山が無くなり綺麗になった机にクダリは腕を伸ばし倒れ込んだ。
部屋の壁にかけられた時計を見ればお昼の休憩迄後10分程。
「ノボリー僕頑張った」
「お疲れ様です。
普段もこれくらい頑張って下されば良いのですけどね」
そうなれば書類の提出が遅れる度、ノボリは部下に泣き付かれなくて済むのだ。
「ですが、今日はよく頑張りました」
"今日"はまだ、残り半日あるがクダリには今日提出と嘘を付き溜まっていた書類を全て片付けさせたので急ぎの書類が入ってこない限り今日のデスクワークはない。
今日は部下に泣き付かれず済みそうだ、とノボリは一人思った。
今だぐったりとしたクダリの頭を撫でてやれば、撫でられて喜んでいるのか嬉しげな声が聞こえる。
「では約束通り外に出ましょう」
「うん!行く」
外では目立つサブウェイマスターのコートを脱ぎ、ノボリは黒のクダリは白のベストを着て制帽をキャスケットに変えた。
「これで外に出ても僕達がサブウェイマスターだってバレない!」
「そうでしょうか」
自分達を知る人が見ればすぐ分かるんじゃないかと思いつつ、ノボリは財布とライブキャスターをスラックスのポケットにしまう。
昼の休憩にちょっと外へ出るだけなのにかなりはしゃいだクダリをノボリが引っ張り、部屋を出れば丁度クラウドがいた。
「何やボス達、今日は二人して外で昼を摂るんですか?」
ならこれは後やなと言った彼の手には新しい書類がある。
「帰ってきたら読みますので私達の机に置いておいて下さい」
「えーまた書類?僕やだー・・・あいてっ」
あからさまにクラウドが持つ書類に嫌な顔をしたクダリの頭をノボリは軽く叩いた。
「ノボリ痛い」
「貴方が仕事を嫌だと言うからです」
「でも叩く事ない!」
目の前で兄弟喧嘩を始めた二人にクラウドは笑う。
「ほんと、ボス達は面白いわ。
見てて飽きやん」
「上司に対して面白いは」
「凄く失礼だと思う」
二人の目標が互いではなく、自分達を笑ったクラウドに向けられた。
明らかに笑われて不本意だという顔の二人にクラウドは「えらいすみません」と頭を下げる。
「ああ、そや。クダリさん安心してください。これは書類でも読んで済む書類らしいですから」
「本当?じゃあその書類、嫌いじゃない」
「・・・・・・」
部下に「読んで済む書類だから安心して」と言わる上司がいて良いものなのか、その報告に喜ぶクダリに問題があるのは確かだが
眉間を押さえたノボリをクダリは「早く行こー」と引っ張った。
気付けばクラウドは書類を二人の執務室に置きに行ったのかそこにはいない。
「そうですね。ここでうかうかとしていれば貴重な休み時間が無くなってしまいます」
「じゃあ、ギアスステーションの外へ出発進行ー!」
「だから何でトウヤはあの時ノボリさんにあんな事を言ったのよ!」
勢いよくトウコがテーブルを叩き、昼食と一緒に買ったジュースのボトルがぐらぐらと揺れた。
トウコの剣幕に慣れた様子のトウヤは怯む事もなく「何が?」と頭を傾げる。
「何って、コートを返す時にあのコートがサクラさんの手掛かりになる的な事を言ったじゃない!」
「ああ、あれはノボリさんが
この服が彼女の手掛かりになるのですか?
って聞いてきたから」
「だからなんでそこでハイそうですって馬鹿正直に答えるのよー!」
馬鹿トウヤ!とトウコは彼が机を挟んだ向こう側に座っているにも関わらず、胸ぐらを掴むと勢いよく揺らした。
ガクガクガクとひたすらトウコに体を揺すぶられるトウヤ。
「何やってるの?」
胸ぐらを掴むトウコと掴まれているトウヤ。
事の原因を知らずそこだけ見れば何が何やらよく分からない状況の二人にゾロアークを腕に抱えたサクラは頭を傾げた。
今はゾロアに化けたゾロアークを机に下ろし、サクラは残していたジュースを一口飲む。
「あ、えっと護身術の練習?」
かな?とトウコはトウヤに助けを求める視線を送るのだがその視線を見事にかわされる。
トウヤの胸ぐらを掴むに迄至った原因は昨日の、サクラがトレインを下りた後の会話でトウコとしてはサクラに知られたくはない会話だった。
胸ぐらを掴む原因を話してサクラを困らせたくはないトウコは苦しい嘘をつくが、どうみても護身術の練習には見えない。
が、サクラは意外な反応を見せる。
「護身術?なら私が教えようか」
トウコの嘘を信じたのか「これでも色々な人に鍛えてもらったから」と、拳を構えたサクラにトウコは首を振った。
「大丈夫です。
それより、サクラさんまた勝ったんですか?」
「うん、勝ったよ。
賞金も確りゲット!」
と、ボトル片手にピースしたサクラの後ろでは彼女に負けたらしい男が財布を見つめて肩を落としている。
あれは財布の中身を根こそぎ取られたんだなと双子は思った。
無謀にも彼女にバトルを挑んで財布の中身をごっそり持って行かれたのは何も後ろの男だけではない。
サクラの甘い誘い文句に誘われ、逆に返り討ちとなったトレーナーはトウコとトウヤが把握するかぎり既に二桁には到達していた。
「サクラさんって何時もこんな事してるんですか?」
「何時もじゃ無いよ。基本は月末がお金が無いとき、月の半分位かな」
「一ヶ月の内半分は金欠何ですね」
「まあね」
他人に自宅の厳しい経済事情を知られても恥ずかしがる様子の無いサクラはジュースをもう一口飲んだ。
腕を組み、軽い柔軟体操をしたサクラは遠巻きに此方の様子を伺い見るトレーナー達に目を向ける。
「次は誰が相手してくれるのかな」
朝から連戦が続く中、疲れた様子も見せないサクラは机の上で袋に入ったクッキーと格闘していたゾロアークに声をかけた。
「ゾロアーク、バトルしたい?」
『流石に疲れた』
「じゃあ、ラルトスやヨーテリーとバトルしてくるね」
『おう』
短い返事で答えたゾロアークは袋に前足を伸ばしクッキーを取ろうと頑張る。
のだが、ゾロアークが化けたゾロアの姿では足が短すぎてクッキーは少しかするだけ。
『くそーっ』
袋から足を出し、ゾロアークは恨めしげに自分の短い足を見つめた。
「元の姿に戻るか、クッキーが取れる様な姿になれば良いのに」
はい、とサクラは袋からクッキーを取り出すとゾロアークに差し出す。
サクラはもう一枚、クッキーを取り出し半分に割ればそれは彼女の足元にいた小さな二匹の分。
「ヨーテリーとラルトスは今からバトルだから半分ずつね」
屈み、小さな二匹の前にクッキーを出せばヨーテリーは飛び付き、ラルトスは礼を言ってから受け取り食べ出す。
『クッキー美味しいです』
『もっと頂戴!』
「バトルを一回したらね」