双子と弁当屋の娘
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「ただいま・・・」
家を出た時はあんな賑やかだったのにと、老人は不思議に思い厨房から顔を出せばサクラは酷い顔をしていた。
苛ついているような
怒っているような
それでいて悲し気な顔のサクラに老人は「バトルサブウェイはどうだった」と尋ねる。
瞬間、サクラの表情が固まった。
この様子から安易にバトルサブウェイで何かあったのだろうと考えられる。
「つまらなかった」
そう答えたサクラの表情は冷めていて無表情だった。
まるで表情のないお面を貼り付けたかの様な顔のサクラに老人は「そうか」としか言えない。
「おじいちゃん」
「何だ」
「少しの間、お店休んでもいい?」
「別に構わんが」
サクラは老人の返事に良かったとそんな声が聴こえた。
ゾロアに姿を変えたゾロアークを腕に抱え、サクラは自分の部屋へと向かう。
部屋に入り、ゾロアークを床へと下ろしサクラはベッドに倒れ込んだ。
「私の見込み違いだったのかな」
『あの黒白の双子の事か?』
何時の間にベッドに上がったのか、枕元で体を丸めるゾロアークに「その二人」と俯せのまま答える。
強い人達何だろうなとは漠然と思っていた。
バトルサブウェイで勤めている事を忘れていて、会った時はかなり焦ったけど
「バトル、楽しみだったのにな」
強い人とバトルをするのが好きだ。
血が沸き立つ様な興奮も、少しの気の緩みも許されない緊張感も全部、全部丸めて好き。
だから、
今日のバトルも楽しみだったのに
「手加減された」
トレイン初挑戦だったからなのか、もしかしたら挑戦する度にレベルが上がるシステムなのかも知れない。
しかし、幾ら頭で手加減された理由を考えても心は納得出来なかった。
私は手加減されなくてはいけない程弱く見えたのだろうか
考えれば考える程、心がぐちゃぐちゃになる。
手加減されたのが
悔しくて
悲しくて
憤りも感じる。
『サクラさん?』
弱々しい声が聴こえて、見ればつい最近喋り方が確りしてきたラルトスが扉の隙間から覗き込むようにして立っていた。
『どうしたんですか?』
まるで長いドレスの裾の様なそれを引き摺りながらラルトスはサクラに向かって歩いてくる。よちよち、とまだおぼつかない足取りのラルトスは途中まで歩くと念力を使ったのかふわりと浮かんで、体を起こしたサクラの腕に収まった。
何がしたいのか自分の頭をサクラのお腹に押し付けぐりぐりするラルトスにサクラは只困惑する。
地味に頭の赤い触角(?)がお腹に刺さって痛い。
「ラルトスどうしたの?
ちょっと頭の触角?が痛いんだけどな~・・・」
やんわりとこの謎な行動を止めてもらおうとサクラは言うのだがラルトスはいっこうにこの「頭ぐりぐり」を止めようとしなかった。
それどころか抱きつくラルトスにサクラはどうしたのか尋ねる。
『サクラさんが冷たくてぐるぐるぐわぐわしてる』
「私が?」
冷たいと言うから始めは冷え症の事かと思ったのだがどうやら違うらしい。
ぐるぐるぐわぐわってどんな状態なのか凄く気になるのだがサクラはラルトスの話を聞き続ける。
『僕の特性は"シンクロ"だから
僕のぽかぽかしてあったかいのをサクラさんにシンクロさせるの』
「だから、私に抱きついてるのね」
何となくだがラルトスが考えている事が分かったサクラはラルトスの背中を優しく撫でた。
すると扉の向こうから『ずるい!』何て元気な声が聴こえる。
見ればヨーテリーにミミロル、ルリリやイーブイがいて、扉から飛び出してきた。
「うわっ」
どうやらラルトスだけ遊んでもらっていると勘違いしたらい彼等は一斉にサクラへ飛び付くと『僕も』『私も』遊んでとサクラにそばえる。
小さなポケモン達に襲われベッドに沈んだサクラはゾロアークに助けを求めるのだが彼は結局助けてはくれず、此処は五月蝿くて眠れないからと無慈悲にポケモンに埋もれたサクラを置き去りにした。
「ゾロアークの薄情者!!」
家を出た時はあんな賑やかだったのにと、老人は不思議に思い厨房から顔を出せばサクラは酷い顔をしていた。
苛ついているような
怒っているような
それでいて悲し気な顔のサクラに老人は「バトルサブウェイはどうだった」と尋ねる。
瞬間、サクラの表情が固まった。
この様子から安易にバトルサブウェイで何かあったのだろうと考えられる。
「つまらなかった」
そう答えたサクラの表情は冷めていて無表情だった。
まるで表情のないお面を貼り付けたかの様な顔のサクラに老人は「そうか」としか言えない。
「おじいちゃん」
「何だ」
「少しの間、お店休んでもいい?」
「別に構わんが」
サクラは老人の返事に良かったとそんな声が聴こえた。
ゾロアに姿を変えたゾロアークを腕に抱え、サクラは自分の部屋へと向かう。
部屋に入り、ゾロアークを床へと下ろしサクラはベッドに倒れ込んだ。
「私の見込み違いだったのかな」
『あの黒白の双子の事か?』
何時の間にベッドに上がったのか、枕元で体を丸めるゾロアークに「その二人」と俯せのまま答える。
強い人達何だろうなとは漠然と思っていた。
バトルサブウェイで勤めている事を忘れていて、会った時はかなり焦ったけど
「バトル、楽しみだったのにな」
強い人とバトルをするのが好きだ。
血が沸き立つ様な興奮も、少しの気の緩みも許されない緊張感も全部、全部丸めて好き。
だから、
今日のバトルも楽しみだったのに
「手加減された」
トレイン初挑戦だったからなのか、もしかしたら挑戦する度にレベルが上がるシステムなのかも知れない。
しかし、幾ら頭で手加減された理由を考えても心は納得出来なかった。
私は手加減されなくてはいけない程弱く見えたのだろうか
考えれば考える程、心がぐちゃぐちゃになる。
手加減されたのが
悔しくて
悲しくて
憤りも感じる。
『サクラさん?』
弱々しい声が聴こえて、見ればつい最近喋り方が確りしてきたラルトスが扉の隙間から覗き込むようにして立っていた。
『どうしたんですか?』
まるで長いドレスの裾の様なそれを引き摺りながらラルトスはサクラに向かって歩いてくる。よちよち、とまだおぼつかない足取りのラルトスは途中まで歩くと念力を使ったのかふわりと浮かんで、体を起こしたサクラの腕に収まった。
何がしたいのか自分の頭をサクラのお腹に押し付けぐりぐりするラルトスにサクラは只困惑する。
地味に頭の赤い触角(?)がお腹に刺さって痛い。
「ラルトスどうしたの?
ちょっと頭の触角?が痛いんだけどな~・・・」
やんわりとこの謎な行動を止めてもらおうとサクラは言うのだがラルトスはいっこうにこの「頭ぐりぐり」を止めようとしなかった。
それどころか抱きつくラルトスにサクラはどうしたのか尋ねる。
『サクラさんが冷たくてぐるぐるぐわぐわしてる』
「私が?」
冷たいと言うから始めは冷え症の事かと思ったのだがどうやら違うらしい。
ぐるぐるぐわぐわってどんな状態なのか凄く気になるのだがサクラはラルトスの話を聞き続ける。
『僕の特性は"シンクロ"だから
僕のぽかぽかしてあったかいのをサクラさんにシンクロさせるの』
「だから、私に抱きついてるのね」
何となくだがラルトスが考えている事が分かったサクラはラルトスの背中を優しく撫でた。
すると扉の向こうから『ずるい!』何て元気な声が聴こえる。
見ればヨーテリーにミミロル、ルリリやイーブイがいて、扉から飛び出してきた。
「うわっ」
どうやらラルトスだけ遊んでもらっていると勘違いしたらい彼等は一斉にサクラへ飛び付くと『僕も』『私も』遊んでとサクラにそばえる。
小さなポケモン達に襲われベッドに沈んだサクラはゾロアークに助けを求めるのだが彼は結局助けてはくれず、此処は五月蝿くて眠れないからと無慈悲にポケモンに埋もれたサクラを置き去りにした。
「ゾロアークの薄情者!!」