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双子と弁当屋の娘

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嫌だ嫌だと言っていれば往生際が悪いとトウコに黒髪ボブのウィッグを被せられる。
続いてトウヤが赤ぶちの伊達眼鏡をサクラの顔にかけた。
無理矢理いつも着ている赤いパーカを着せられ、フードを被せれば

「ほら、もうこれでサクラさん何て分からない」

とトウコは自信有り気に手鏡をサクラに渡す。
見れば長い前髪が目元を隠し、フードが顔に影を落としていて分かりにくいと言えば分かりにくい。

「これで大丈夫なのかな?」

「大丈夫!バレそうになったら私とトウヤでフォローするし」

サクラさんは黙って俺の腕に抱き着いていれば無問題」

トウヤの発言に「なにそれうらやま!」と揉め出した二人を放置してサクラは側にいたゾロアークにどうかな、と尋ねる。

『俺は良いと思うぞ・・・

短いのも、似合うな』

もごもごと言ったゾロアークをサクラは力一杯抱き締めた。
「ゾロアーク好き!」何て言えば腕の中のゾロアークには抵抗され、後ろからはブーイングがある。

「私達プロデュースなのに」

「ゾロアークだけずるっ」

双子からゾロアークに向けて嫉妬の目が向けられているのも知らず、サクラはゾロアークに頬擦りした。





[バトルサブウェイ

ノッテ タタカウ!]

「やっぱり片言ね」

『片言だな』

そう言ってギアスステーションの前に置かれた説明書きを読むサクラとゾロアーク。
ゾロアークはロトムに化けてサクラの側に浮いていた。

「さあ、サクラさん。こんな所で道草しないでマルチ行きますよマルチ!」

サクラさんってすぐに迷子になりそうだから手はここ」

とトウヤが案内したのか彼の腕。
言われるがままトウヤの腕に自分の腕を絡ませれば反対側の腕にトウコが絡み付く。
腕を引かれるがまま長い橙の階段を降りれば相変わらずギアスステーションは沢山の人で賑わいを見せていた。

「つかぬことを聞きますがサクラさんはマルチでマスターに勝った事はありますか?」

トウヤの質問に「無い」と答えた。

「バトルサブウェイ自体、マスターとしてでしか挑戦した事がない」

「そう言えばサクラさんってマスターのバイトをした時、マルチは誰と組んだんですか?クラウドさんとか?」

マルチはダブルと同じくポケモンを二体ずつ使ってのバトルとなるがダブルはトレーナーが1人なのに対しマルチは二人となり、トレーナー同志のコンビネーションが求められた。
それは挑戦者だけでなく彼等を迎え撃つマスターも同じで二人必要となる。

トウコの質問にサクラは頭上に浮かぶゾロアークを指差す。
「彼よ」

「「え?」」

「だからゾロアークが私に化けて二人。
で、二人でラッキーさんとカイリュー君に"はかいこうせん"を命じてダブル打ち」

これでどの挑戦者にも勝てたよ~と笑うサクラにトウコもトウヤもこの人鬼だと思った。


「取り敢えず今日は普通のマルチだね」

そう言って案内されたのは橙の色をした車両。
電車の側に立つ駅員にトウコとトウヤが声をかければ流石常連というべきか駅員は「二人とも久し振りだね」と話始めた。

「今日は珍しくマルチかい?君達二人はもうスーパーマルチの切符を持っているのに」

「あー今日はマルチ初挑戦の友達がいるから」

「マルチに三人で挑戦したいんだけど無理かな?勿論バトルするのは三人の内二人」

トウコの申し出に駅員は少し困った顔をした。
ちょっと待ってね、と二人に背を向けてインカムで何やら話している。

「トウコちゃん、トウヤ君、ここにはここのルールがあるんだからそんな無茶を言っちゃ駄目よ」


サクラさんと一緒にバトル出来るのに」

「どちらかが終わるのをずっと待ってる何て嫌だもん」

と言った二人に溜め息をついていれば、話が終わったらしい駅員が「大丈夫ですよ」と振り向く。

「ボスに話しましたら手持ち四体を守ってくれれば三人でも良いそうです」

それを聞いて双子はやった!とハイタッチ。
「参加するポケモンを選んで下さい」と言われてトウコはウォーグルを、トウヤはシャンデラを選び、サクラはゾロアークとカイリューを選んだ。
誘導されるがまま三人は車両に乗り込む。

「私だけ二体も選んで良かったの?」

「良いんです。私達どちらかが二体だと」

「不公平ってなりますから」

「なら良いんだけど」

車両の奥に進めばトレーナーが既に二人立っていた。
常套句を聞き、ボールを構えた彼等に一番手らしいトウコとサクラがボールを構えていれば車内にアナウンスが入る。

それがバトル始まりの合図だった。




「私サブウェイマスターのノボリと申します!」

とても良く見知った相手にサクラはただただトウヤの後ろに隠れている。

「片側に控えるは同じくサブウェイマスターのクダリです」

丁寧に説明された片割れもよく見知った相手でサクラはかなり動揺していた。

サクラさん急にどうしたんですか」

明らかに動揺しているサクラにトウコは小さな声で声をかける。

「・・・私、彼処の二人と知り合いなの」

「「え、」」

サクラの告白にトウコだけどなくトウヤも動揺を見せた。
その間もノボリは何か話しているのだが三人はそれを聞かず身を寄せ合い小声で内緒話。

「因みにノボリさんとクダリさんはサクラさんがバトルをするって言うのは」

「知らない筈」

それを聞いて双子は頭を押さえた。

「私、帰る!」

今に入ってきた扉に向かいそうなサクラの肩を二人が「待って!」と声を揃え止める。
それでもサクラは嫌々、と抵抗した。
トウコとトウヤは何とか逃げようとするサクラの腕を掴み捕えると「じゃあ、こうしよう」と一つ提案。

「今から俺達はサクラさんの名前を呼びません。
彼処の二人とはかなり距離があるし変装もしているからそう簡単にはバレない筈」

「私達が絶対にサクラさんの秘密を守ってあげる」

だから、ね?とサクラの手を握ったトウコにサクラは頷いた。

「・・・二人を信じて頑張ってみる」

サクラの心が決まった所で三人は振り向く。

「話がお済みになったようですね」

どうやら三人が話をし終わるのを待っていたらしいノボリはもう話す事がないらしくクダリに言いたい事はないか尋ねた。
クダリは帽子を深く被り直すと口を開く。

「ルールを守って安全運転!

ダイヤを守ってみなさんスマイル!

指差し確認準備オッケー!

目指すは勝利!


出発進行!」
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