双子と弁当屋の娘
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「ほら、行くでボス」
「やだー!僕もサクラちゃんと行くのー!」
「もう、挑戦者が来てるんですから諦めて下さい!」
やだーと言いながらサクラの腕を掴んでクダリは離さない。
クラウドがクダリの体を引っ張り、カズマサはサクラの体をクダリ達とは反対側に引っ張る。
大人三人の力で体を引っ張られる事になったサクラはとにかく「痛い!」と声を上げた。
サクラが出した声は思いの外大きく、驚いたクダリが掴んでいた手の力を緩めるとクラウドから「今や!」と声が上がる。
瞬間、サクラの腕を掴んでいたクダリの手がサクラから外れた。
そのまま引き摺られていくクダリにサクラはただ
「お仕事頑張って下さい」
と応援するしかなかった。
姿が見えなくなるまで手を振っていれば背後から荒い息が聴こえる。
カズマサだった。
「カズマサさんも行かなくて良いんですか?クラウドさん達もういませんよ」
いない所か姿すら見えない。
サクラに言われて気付いたカズマサは慌てて立ち上がると軽く礼をして人混みへと駆けていた。
「あ!あー・・・」
カズマサが慌てて駆けて行った方向は明らかにクラウド達が消えた方向とずれていた。
それを伝え様にもカズマサは慌てて駆けて行ったのでもう、いない。
『一応ここの職員なんだろ?
じゃあほっとけよ』
肩に乗ったゾロアークはそう言って欠伸をしていた。
コンコン
「ノボリさん?」
コンコン
「ノボリさーん」
もう何度、この扉を叩いたのかいくら叩いてもノボリからの返事がない。
留守なのかもと思ったのだが、サクラはここへ来る前に駅員さんにノボリはいるか確めている。
駅員はシングルもマルチも挑戦者が来ていないからいる筈だよといい、何故かサクラにチョコレートを渡した。
「・・・お嬢ちゃん偉いねって褒められた」
扉に体を凭れかけたサクラは地味に落ち込んでいる。
「四捨五入すれば私だって二十歳なのに」
チョコレートをくれた駅員は明らかにサクラを幼い子供と勘違いしている素振りがあった。
お菓子はお弁当を買いにくるお客様さんにたもらう事はあったがどの人も年上、しかし今日、チョコレートをくれた駅員は年若い。
「お菓子もらう度にもしかして、なんて思ってたんだけど私ってそんな子供っぽいのかな」
『背はここらじゃ小さいよな。胸はそれなりに「ゾロアーク、それ以上言ったらセクハラとしてご飯抜きね」ナンデモナイデース』
「身長はカントーとかだと普通だったんだけど」
イッシュ以外の地方では普通、というか女性平均の身長はあった。
しかし、旅を終えてイッシュに帰ってみれば周りの人がとにかくでかい。
「私も純イッシュの人間だったらな」
自分がイッシュの人間の血を引いていないというのは髪と目の色で分かる。
黒髪は街を歩けば何人かいるが黒髪黒目の人間はサクラが知る限りだいたいがカントーやジョウトといった他地方の人間だ。
『・・・それは自虐ネタか?』
ネタにもなっていないが、と言われてサクラは笑った。
「かもね
あ、中から何か聴こえる」
意外にも扉が薄いのか部屋の音が耳に聞こえた。
『黒いのか?』
中から聞こえたのは人の声じゃない。
ポケモンの声だ。
「違うこれは、シャンデラ。
ん?誰か、ノボリさんを、
助けて・・・
ノボリさん?!!」
シャンデラの助けを求める声にサクラは今まで無断で入るのは、と躊躇っていた扉を開けた。それはもう、扉の金具が外れる勢いで
しかし、部屋に入ってもシャンデラもノボリの姿も何処にもない。
何処だと探していれば肩にいたゾロアークが『あそこ』と指差す。
ゾロアークが示した先にはゆらゆら揺れる紫色の炎、そこへ駆け寄ればノボリが俯せに倒れていた。
「やだー!僕もサクラちゃんと行くのー!」
「もう、挑戦者が来てるんですから諦めて下さい!」
やだーと言いながらサクラの腕を掴んでクダリは離さない。
クラウドがクダリの体を引っ張り、カズマサはサクラの体をクダリ達とは反対側に引っ張る。
大人三人の力で体を引っ張られる事になったサクラはとにかく「痛い!」と声を上げた。
サクラが出した声は思いの外大きく、驚いたクダリが掴んでいた手の力を緩めるとクラウドから「今や!」と声が上がる。
瞬間、サクラの腕を掴んでいたクダリの手がサクラから外れた。
そのまま引き摺られていくクダリにサクラはただ
「お仕事頑張って下さい」
と応援するしかなかった。
姿が見えなくなるまで手を振っていれば背後から荒い息が聴こえる。
カズマサだった。
「カズマサさんも行かなくて良いんですか?クラウドさん達もういませんよ」
いない所か姿すら見えない。
サクラに言われて気付いたカズマサは慌てて立ち上がると軽く礼をして人混みへと駆けていた。
「あ!あー・・・」
カズマサが慌てて駆けて行った方向は明らかにクラウド達が消えた方向とずれていた。
それを伝え様にもカズマサは慌てて駆けて行ったのでもう、いない。
『一応ここの職員なんだろ?
じゃあほっとけよ』
肩に乗ったゾロアークはそう言って欠伸をしていた。
コンコン
「ノボリさん?」
コンコン
「ノボリさーん」
もう何度、この扉を叩いたのかいくら叩いてもノボリからの返事がない。
留守なのかもと思ったのだが、サクラはここへ来る前に駅員さんにノボリはいるか確めている。
駅員はシングルもマルチも挑戦者が来ていないからいる筈だよといい、何故かサクラにチョコレートを渡した。
「・・・お嬢ちゃん偉いねって褒められた」
扉に体を凭れかけたサクラは地味に落ち込んでいる。
「四捨五入すれば私だって二十歳なのに」
チョコレートをくれた駅員は明らかにサクラを幼い子供と勘違いしている素振りがあった。
お菓子はお弁当を買いにくるお客様さんにたもらう事はあったがどの人も年上、しかし今日、チョコレートをくれた駅員は年若い。
「お菓子もらう度にもしかして、なんて思ってたんだけど私ってそんな子供っぽいのかな」
『背はここらじゃ小さいよな。胸はそれなりに「ゾロアーク、それ以上言ったらセクハラとしてご飯抜きね」ナンデモナイデース』
「身長はカントーとかだと普通だったんだけど」
イッシュ以外の地方では普通、というか女性平均の身長はあった。
しかし、旅を終えてイッシュに帰ってみれば周りの人がとにかくでかい。
「私も純イッシュの人間だったらな」
自分がイッシュの人間の血を引いていないというのは髪と目の色で分かる。
黒髪は街を歩けば何人かいるが黒髪黒目の人間はサクラが知る限りだいたいがカントーやジョウトといった他地方の人間だ。
『・・・それは自虐ネタか?』
ネタにもなっていないが、と言われてサクラは笑った。
「かもね
あ、中から何か聴こえる」
意外にも扉が薄いのか部屋の音が耳に聞こえた。
『黒いのか?』
中から聞こえたのは人の声じゃない。
ポケモンの声だ。
「違うこれは、シャンデラ。
ん?誰か、ノボリさんを、
助けて・・・
ノボリさん?!!」
シャンデラの助けを求める声にサクラは今まで無断で入るのは、と躊躇っていた扉を開けた。それはもう、扉の金具が外れる勢いで
しかし、部屋に入ってもシャンデラもノボリの姿も何処にもない。
何処だと探していれば肩にいたゾロアークが『あそこ』と指差す。
ゾロアークが示した先にはゆらゆら揺れる紫色の炎、そこへ駆け寄ればノボリが俯せに倒れていた。