双子と弁当屋の娘
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お弁当の代金を受け取って少々お待ち下さいと言えば、クダリさんは当たり前の様に家に入ってきた。
「何だ坊主、またここで食ってくのか」
おじいちゃんが尋ねれば元気に「そう!」と答えて勝手に卓袱台の前に着席。
私は溜め息をつきながらご飯を弁当の容器でなくバチュル柄のお茶碗にご飯を盛っていた。
「僕、ご飯大盛りが良い!」
「はいはい」
流石に毎日、同じ台詞を聞いていれば予想がつく。
言われる前には既にご飯は大盛りだった。
子供用の小さなお茶碗にこれでもかとご飯を載せ、出来立てのフライを受け取りクダリさんの前に出す。
「うわぁ、美味しそう!」
もりもりと大盛りご飯を片手にフライを食べるのはやはり若い男性だからか、毎回の事なのに見事な食べっぷりに驚きながらフライの側にお味噌とサラダ、飲み物を置く。
「ん?これは」
頼んでないよと言われたのでサービスと言っておいた。
うちの店は男性客が殆どで、質よりも量!という人が多い。
ならばサラダとか彩り何かは二の次におかずを沢山入れようと言う事でサラダや味噌汁、スープ類は別売りしている。
サクラにサービスと言われ喜んだクダリは味噌汁に口をつけ、ほっと一息ついた。
「あーサクラちゃんとこのお味噌汁美味しい」
「それはどうも、今日ノボリさんは?」
始めこそは一人で来ていたクダリだったが近頃は双子の兄弟、ノボリを連れて店に来ていた。
だが、今日はそのそっくりな顔が一つ足りない。
「えーと、ノボリは何だっけ?花粉症?サクラちゃんやおじいさんにうつすといけないからってギアスステーションにいる」
「クダリさん、花粉症は移りませんよ?ノボリさんが言ってたのは風邪じゃないんですか?」
「あーそれ!風邪って言ってた」
話を聞いていたゾロアークが『花粉症と風邪を間違えるってどんなだよ』と言っていたが、私はクダリさんだったので何となく納得出来た。
「黒い坊主はどうしたって?」
「風邪だって」
「じゃあ何か風邪に効くものでも持っていってやらんとな」
「うん。
と、いうわけで」
ギアスステーションに戻るクダリさんにくっついて私も来てしまいました。
ちなみに、
「ノボリだけズルい」
クダリさんは絶賛拗ねています。
どうやら私がノボリさんのお見舞いにお菓子を用意したのがいけないらしくさっきからクダリさんの頬袋が膨らみっぱなしである。
「パチリスみたい」
「え、僕可愛い?」
私はそんな事言っていない筈なのに抱きついてくるクダリさん。
そういえばクダリさんにお説教して日から抱きつかれる事が増えたのは気のせいだろうか?
いや、気のせいじゃない筈だ。
気付けば一日一回は抱きつかれている気がする。
「あ、ボス!何処に行ってたんですか。仕事中なのに逃げ出して」
こちらに気付くなり、走ってきたのは確か、
「カズマサさん!」
「あれ、サクラさん」
お久し振りだね、と私はカズマサさんと手を握りあった。
クダリさんにはまだ抱き着かれたままだけど・・・。
「あれ、二人とも知り合い?」
頭の上から聞こえてくるクダリさんの声が不機嫌に聞こえるがこれは気のせいだろう。
「はい、俺が迷って困ってた所を」
「私が拾ったんです。で、そのままギアスステーションの前迄案内したと」
いうわけです。
あの時は吃驚した。
迷ったて言うから何処に行きたいのかを聞いたらカズマサさん目的地と正反対の場所を歩いていたんだもん。
「それが何度かありまして」
「何時の間にかライブキャスターで連絡をとる程の仲になっていました」
連絡先を交換したのはカズマサさんが迷っているのを助ける為ですが、というかそれにしか使っていない。
「そういえば近頃は連絡が来ませんね。治ったんですか?」
言わずもがな方向音痴がだ。
前は特に朝、連絡が入る事があり仕入の帰りに拾ってはギアスステーションの前に下ろしていたが、どうやら彼の表情をみる限り方向音痴は治っていないらしい。
「僕、昨日終業時間過ぎた位に駅のホームでカズマサ見た!」
まさか、
「ギアスステーション広いから迷ってしまって、気付くと次の日になってたりするんですよね」
自分の職場で迷うなんて
『凄いな』
ゾロアークは呆れを通りこして褒めていた。
これは褒められる事なのだろうか?
「カズマサーどこやーっ」
「あ、先輩。ここです!」
ここーと人込みの中、カズマサが手を振ればクラウドが人混みの中から現れる。
「おーカズマサこんなとこにおったんやな。お前、すぐ迷子になるくせに勝手に何処か行くなや」
「すみません先輩。あ、でもボスを見つけましたよ」
「ほんまや!ボス何処行ってたんですか。急にいなくなるもんやからわいらえらい探したんですよ?!」
「クラウドその話しは駄目ーっ!」
逃がさない!とでも言わんばかりにクラウドはクダリの肩を掴んでいた。
そんな彼の口をクダリは手で塞ぐのだが、もう遅い。
「急にいなく・・・やっぱりクダリさん勝手に仕事を脱け出して来たんですね?」
クラウドの口からクダリが仕事をさぼって店に来た事を知ったサクラはにこりと笑う。
「クダリさん、お店に来た時私に言いましたよね?休憩だって」
「だってサクラちゃん家のご飯が食べたかったから」
「嘘ついてまでお弁当を買いに来て欲しいなんて私達は思ってません。
お仕事をさぼってまで店に来るんだったらもうクダリさんにはお弁当を売りませんから」
サクラがそう言うとクダリは首を振り「嫌だ」と言った。
すがる様にサクラの腕を掴み、何度も嫌だ嫌だと言う。
「やだ、そんな事言わないで!
僕、サクラちゃん家のご飯が食べたい」
「だったらどうするべきですか」
「・・・嘘吐いてごめんなさい」
「素直でよろしい。ちゃんと迷惑かけた駅員さん達に謝るんですよ」
「はい」
「・・・ボスが所長とノボリさん以外の人に謝ってる」
「なんや嬢ちゃん、ボスの母親みたいやな」
「何だ坊主、またここで食ってくのか」
おじいちゃんが尋ねれば元気に「そう!」と答えて勝手に卓袱台の前に着席。
私は溜め息をつきながらご飯を弁当の容器でなくバチュル柄のお茶碗にご飯を盛っていた。
「僕、ご飯大盛りが良い!」
「はいはい」
流石に毎日、同じ台詞を聞いていれば予想がつく。
言われる前には既にご飯は大盛りだった。
子供用の小さなお茶碗にこれでもかとご飯を載せ、出来立てのフライを受け取りクダリさんの前に出す。
「うわぁ、美味しそう!」
もりもりと大盛りご飯を片手にフライを食べるのはやはり若い男性だからか、毎回の事なのに見事な食べっぷりに驚きながらフライの側にお味噌とサラダ、飲み物を置く。
「ん?これは」
頼んでないよと言われたのでサービスと言っておいた。
うちの店は男性客が殆どで、質よりも量!という人が多い。
ならばサラダとか彩り何かは二の次におかずを沢山入れようと言う事でサラダや味噌汁、スープ類は別売りしている。
サクラにサービスと言われ喜んだクダリは味噌汁に口をつけ、ほっと一息ついた。
「あーサクラちゃんとこのお味噌汁美味しい」
「それはどうも、今日ノボリさんは?」
始めこそは一人で来ていたクダリだったが近頃は双子の兄弟、ノボリを連れて店に来ていた。
だが、今日はそのそっくりな顔が一つ足りない。
「えーと、ノボリは何だっけ?花粉症?サクラちゃんやおじいさんにうつすといけないからってギアスステーションにいる」
「クダリさん、花粉症は移りませんよ?ノボリさんが言ってたのは風邪じゃないんですか?」
「あーそれ!風邪って言ってた」
話を聞いていたゾロアークが『花粉症と風邪を間違えるってどんなだよ』と言っていたが、私はクダリさんだったので何となく納得出来た。
「黒い坊主はどうしたって?」
「風邪だって」
「じゃあ何か風邪に効くものでも持っていってやらんとな」
「うん。
と、いうわけで」
ギアスステーションに戻るクダリさんにくっついて私も来てしまいました。
ちなみに、
「ノボリだけズルい」
クダリさんは絶賛拗ねています。
どうやら私がノボリさんのお見舞いにお菓子を用意したのがいけないらしくさっきからクダリさんの頬袋が膨らみっぱなしである。
「パチリスみたい」
「え、僕可愛い?」
私はそんな事言っていない筈なのに抱きついてくるクダリさん。
そういえばクダリさんにお説教して日から抱きつかれる事が増えたのは気のせいだろうか?
いや、気のせいじゃない筈だ。
気付けば一日一回は抱きつかれている気がする。
「あ、ボス!何処に行ってたんですか。仕事中なのに逃げ出して」
こちらに気付くなり、走ってきたのは確か、
「カズマサさん!」
「あれ、サクラさん」
お久し振りだね、と私はカズマサさんと手を握りあった。
クダリさんにはまだ抱き着かれたままだけど・・・。
「あれ、二人とも知り合い?」
頭の上から聞こえてくるクダリさんの声が不機嫌に聞こえるがこれは気のせいだろう。
「はい、俺が迷って困ってた所を」
「私が拾ったんです。で、そのままギアスステーションの前迄案内したと」
いうわけです。
あの時は吃驚した。
迷ったて言うから何処に行きたいのかを聞いたらカズマサさん目的地と正反対の場所を歩いていたんだもん。
「それが何度かありまして」
「何時の間にかライブキャスターで連絡をとる程の仲になっていました」
連絡先を交換したのはカズマサさんが迷っているのを助ける為ですが、というかそれにしか使っていない。
「そういえば近頃は連絡が来ませんね。治ったんですか?」
言わずもがな方向音痴がだ。
前は特に朝、連絡が入る事があり仕入の帰りに拾ってはギアスステーションの前に下ろしていたが、どうやら彼の表情をみる限り方向音痴は治っていないらしい。
「僕、昨日終業時間過ぎた位に駅のホームでカズマサ見た!」
まさか、
「ギアスステーション広いから迷ってしまって、気付くと次の日になってたりするんですよね」
自分の職場で迷うなんて
『凄いな』
ゾロアークは呆れを通りこして褒めていた。
これは褒められる事なのだろうか?
「カズマサーどこやーっ」
「あ、先輩。ここです!」
ここーと人込みの中、カズマサが手を振ればクラウドが人混みの中から現れる。
「おーカズマサこんなとこにおったんやな。お前、すぐ迷子になるくせに勝手に何処か行くなや」
「すみません先輩。あ、でもボスを見つけましたよ」
「ほんまや!ボス何処行ってたんですか。急にいなくなるもんやからわいらえらい探したんですよ?!」
「クラウドその話しは駄目ーっ!」
逃がさない!とでも言わんばかりにクラウドはクダリの肩を掴んでいた。
そんな彼の口をクダリは手で塞ぐのだが、もう遅い。
「急にいなく・・・やっぱりクダリさん勝手に仕事を脱け出して来たんですね?」
クラウドの口からクダリが仕事をさぼって店に来た事を知ったサクラはにこりと笑う。
「クダリさん、お店に来た時私に言いましたよね?休憩だって」
「だってサクラちゃん家のご飯が食べたかったから」
「嘘ついてまでお弁当を買いに来て欲しいなんて私達は思ってません。
お仕事をさぼってまで店に来るんだったらもうクダリさんにはお弁当を売りませんから」
サクラがそう言うとクダリは首を振り「嫌だ」と言った。
すがる様にサクラの腕を掴み、何度も嫌だ嫌だと言う。
「やだ、そんな事言わないで!
僕、サクラちゃん家のご飯が食べたい」
「だったらどうするべきですか」
「・・・嘘吐いてごめんなさい」
「素直でよろしい。ちゃんと迷惑かけた駅員さん達に謝るんですよ」
「はい」
「・・・ボスが所長とノボリさん以外の人に謝ってる」
「なんや嬢ちゃん、ボスの母親みたいやな」