双子と弁当屋の娘
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「もーサクラちゃん何処なの?!」
辺りを見渡しても周りは全て同じ倉庫ばかり
「サクラちゃんを探すなら月明かりって言われたけど」
出掛け際、確かにそう言われた。
「今日は新月で月明かりがないじゃないか!」
そう、今日は新月で月の無い真っ暗な夜だった。
月が無ければ月明かりなどあるわけが無く、クダリは情けない声で「サクラちゃん何処ー!」と叫んだ。
「!・・・?」
突然、辺りをきょろきょろし始めたサクラにラルトスがどうしたのかと頭を傾げた。
『どうしゃれたんですか?サクラしゃん』
舌ったらずなラルトスに名を呼ばれ、サクラは笑った。
「何でも無いよ誰かに呼ばれた気がしただけ」
気のせいだったみたいだけど、と言ってサクラは前を見た。
三人いた相手もサクラが一人蹴り飛ばしたので今は二人。
あー良かった。
旅をしてる間に護身術を習っておいて
こういう時程染々思う。
残りの二人は私の蹴りを見て少し驚いているみたいだし、このまま倒れた人を引き摺って何処か見えない所に言ってくれないのかなと思うんだけど、
モンスターボールを構えた二人にサクラは溜め息をついた。
「人生、そう上手く行かないよね」
『だから溜め息つくなって、さっきから幸せを逃がし過ぎだ!』
そう言いつつゾロアークも溜め息をつく。
「何、一人でごちゃごちゃ言ってんだ!行けワルビアル」
「お前もだ、行けワルビル」
投げられたボールが弧を描き、出てきたのは赤い体躯にサングラスをかけたような黒い目許のワルビアルと、ワルビアルの進化前で黄土色をしたワルビルだった。
ボールから出た二匹は白い歯を剥き出しに此方を威嚇する。
「ワルビル"すなかけ"だ!」
「ワルビアルは"あなをほる"」
ワルビルのすなかけにサクラとゾロアークの視界が一面、砂となる。
その間に地面へと潜ったと思われたワルビアルは一つの大きな穴を残してその姿を消していた。
微かに地面が揺れる。
「ゾロアーク、ミロカロスに化けて!」
サクラが命令した瞬間、ゾロアの姿をしていたゾロアークが霧がかる様に薄れ、まるで入れ替わるように6mを越える巨体が現れた。
長い睫毛を瞬かし、月明かりに輝くミロカロスは地上に立つワルビルを見下す。
するとその巨体に圧倒されてかワルビルは後ろへとたじろいた。
「ワルビル、怯むな!あの長い蛇みたいな奴に"かみくだく"だ」
主人に鼓舞され、気を取り直したワルビルは白く鋭い歯を剥き出しにしてミロカロスに迫った。
「ミロカロス、ワルビルに"アクアテール"」
向かってくるワルビルを薙ぎ払うかのようにミロカロスの"アクアテール"がワルビルの横顔に入る。
効果抜群である水タイプの技をまともにくらったのと、道幅の狭い場所でのバトルで体勢をとり直せぬまま倉庫の壁に体を打ち付けたワルビルはそのまま地面に落ちて目を回す。
ワルビルは戦闘不能になった。
それでも男達は笑っている。
『サクラさん!地面が』
ヨーテリーが吠えた。
何処の地面か、探していればミロカロスの側で土が不自然に盛り上っている。
男は笑みを深めた。
盛り上った土から勢いよく飛び出してきたワルビアルがその鋭い爪をミロカロスに向けて振り下ろす。
「ゾロアーク、戻って!」
ミロカロスをゾロアークとサクラは呼んだ。
途端、月明かりに輝いていた6mもの巨体は霧の様に消え、ミロカロスの巨体を狙って振り下ろされたワルビアルの爪は空を切る。
「くそう、ゾロアークの姿を元に戻して避けたか。
ワルビアルもう一度、"あなをほる"だ」
男がそう指示を出した時、今度はサクラが笑った。
「お前、何がおかしいんだ」
「だって私の勝ちだから」
「ワルビアルがまだいるんだぞ!」
「その子はもう戦闘不能
だから私の勝ち」
男はサクラの言うことを信じられなかったのか、ワルビアルがあなをほるの途中だと言うのに戻るよう指示を出す。
だか、いくら男が呼び掛けてもワルビアルは地面から出て来なかった。
「おい!ワルビアル!」
くそっ!!と、怒りなのか虚しさなのか男はワルビアルの入っていたモンスターボールを地面に投げつける。
ポケモンと人を繋ぐ大事なボールは無惨にも粉々に砕けてしまう。
「何て事してるんだお前は!」
「うるせぇ!それよりもあのガキを何とかするぞ」
バトルが負けたのか余程悔しいのか、仲間の声に耳を傾けず男はナイフを取り出した。
やはり男が身に付けたアクセサリーの様にぎらぎらと輝いていたナイフ。
刃物を取り出した男にサクラの服の中や後ろから悲鳴が聞こえた。
『キャーナイフよ!!』
『ヤバイですよサクラさん!』
何故かナイフを向けられた自分より乙女らしい反応を見せるミミロルに、怯えているのか情けない声のヨーテリー。
『逃げましょうよ!』
と、ヨーテリーに逃げる事を進められたが小さいとはいえポケモン三匹を背負って逃げる難しいし、ゾロアークに何か飛べるものに化けてもらい空に逃げるのも良いが準備している間に刺されてしまえばそれで終了。
「へへ、どうしたんだお嬢ちゃん?逃げても良いんだぜ」
「おい、いい加減にしろよ。ワルビアルのボール壊して子供にナイフを向けて!
血が昇りすぎだ正気に戻れ!」
仲間の男がサクラとナイフ男の間に立ち塞がる
が、邪魔だと男は投げ飛ばされた。
鈍い音が聴こえて、見れば彼の手持ちのワルビルの様に彼も倉庫の壁に頭を打ち付け気絶している。
「ワルビアルは弱っちいしお前は俺のフォローもまともに出来ねぇ。
そのくせ俺の邪魔する何て何様のつもりだ?!」
「・・・」
「ワルビアルなんかもういらねぇ、お前ももう俺のダチじゃねえ。
一生そこで寝てろ」
気絶している仲間に唾を吐きかけた男にサクラは眉を寄せた。
辺りを見渡しても周りは全て同じ倉庫ばかり
「サクラちゃんを探すなら月明かりって言われたけど」
出掛け際、確かにそう言われた。
「今日は新月で月明かりがないじゃないか!」
そう、今日は新月で月の無い真っ暗な夜だった。
月が無ければ月明かりなどあるわけが無く、クダリは情けない声で「サクラちゃん何処ー!」と叫んだ。
「!・・・?」
突然、辺りをきょろきょろし始めたサクラにラルトスがどうしたのかと頭を傾げた。
『どうしゃれたんですか?サクラしゃん』
舌ったらずなラルトスに名を呼ばれ、サクラは笑った。
「何でも無いよ誰かに呼ばれた気がしただけ」
気のせいだったみたいだけど、と言ってサクラは前を見た。
三人いた相手もサクラが一人蹴り飛ばしたので今は二人。
あー良かった。
旅をしてる間に護身術を習っておいて
こういう時程染々思う。
残りの二人は私の蹴りを見て少し驚いているみたいだし、このまま倒れた人を引き摺って何処か見えない所に言ってくれないのかなと思うんだけど、
モンスターボールを構えた二人にサクラは溜め息をついた。
「人生、そう上手く行かないよね」
『だから溜め息つくなって、さっきから幸せを逃がし過ぎだ!』
そう言いつつゾロアークも溜め息をつく。
「何、一人でごちゃごちゃ言ってんだ!行けワルビアル」
「お前もだ、行けワルビル」
投げられたボールが弧を描き、出てきたのは赤い体躯にサングラスをかけたような黒い目許のワルビアルと、ワルビアルの進化前で黄土色をしたワルビルだった。
ボールから出た二匹は白い歯を剥き出しに此方を威嚇する。
「ワルビル"すなかけ"だ!」
「ワルビアルは"あなをほる"」
ワルビルのすなかけにサクラとゾロアークの視界が一面、砂となる。
その間に地面へと潜ったと思われたワルビアルは一つの大きな穴を残してその姿を消していた。
微かに地面が揺れる。
「ゾロアーク、ミロカロスに化けて!」
サクラが命令した瞬間、ゾロアの姿をしていたゾロアークが霧がかる様に薄れ、まるで入れ替わるように6mを越える巨体が現れた。
長い睫毛を瞬かし、月明かりに輝くミロカロスは地上に立つワルビルを見下す。
するとその巨体に圧倒されてかワルビルは後ろへとたじろいた。
「ワルビル、怯むな!あの長い蛇みたいな奴に"かみくだく"だ」
主人に鼓舞され、気を取り直したワルビルは白く鋭い歯を剥き出しにしてミロカロスに迫った。
「ミロカロス、ワルビルに"アクアテール"」
向かってくるワルビルを薙ぎ払うかのようにミロカロスの"アクアテール"がワルビルの横顔に入る。
効果抜群である水タイプの技をまともにくらったのと、道幅の狭い場所でのバトルで体勢をとり直せぬまま倉庫の壁に体を打ち付けたワルビルはそのまま地面に落ちて目を回す。
ワルビルは戦闘不能になった。
それでも男達は笑っている。
『サクラさん!地面が』
ヨーテリーが吠えた。
何処の地面か、探していればミロカロスの側で土が不自然に盛り上っている。
男は笑みを深めた。
盛り上った土から勢いよく飛び出してきたワルビアルがその鋭い爪をミロカロスに向けて振り下ろす。
「ゾロアーク、戻って!」
ミロカロスをゾロアークとサクラは呼んだ。
途端、月明かりに輝いていた6mもの巨体は霧の様に消え、ミロカロスの巨体を狙って振り下ろされたワルビアルの爪は空を切る。
「くそう、ゾロアークの姿を元に戻して避けたか。
ワルビアルもう一度、"あなをほる"だ」
男がそう指示を出した時、今度はサクラが笑った。
「お前、何がおかしいんだ」
「だって私の勝ちだから」
「ワルビアルがまだいるんだぞ!」
「その子はもう戦闘不能
だから私の勝ち」
男はサクラの言うことを信じられなかったのか、ワルビアルがあなをほるの途中だと言うのに戻るよう指示を出す。
だか、いくら男が呼び掛けてもワルビアルは地面から出て来なかった。
「おい!ワルビアル!」
くそっ!!と、怒りなのか虚しさなのか男はワルビアルの入っていたモンスターボールを地面に投げつける。
ポケモンと人を繋ぐ大事なボールは無惨にも粉々に砕けてしまう。
「何て事してるんだお前は!」
「うるせぇ!それよりもあのガキを何とかするぞ」
バトルが負けたのか余程悔しいのか、仲間の声に耳を傾けず男はナイフを取り出した。
やはり男が身に付けたアクセサリーの様にぎらぎらと輝いていたナイフ。
刃物を取り出した男にサクラの服の中や後ろから悲鳴が聞こえた。
『キャーナイフよ!!』
『ヤバイですよサクラさん!』
何故かナイフを向けられた自分より乙女らしい反応を見せるミミロルに、怯えているのか情けない声のヨーテリー。
『逃げましょうよ!』
と、ヨーテリーに逃げる事を進められたが小さいとはいえポケモン三匹を背負って逃げる難しいし、ゾロアークに何か飛べるものに化けてもらい空に逃げるのも良いが準備している間に刺されてしまえばそれで終了。
「へへ、どうしたんだお嬢ちゃん?逃げても良いんだぜ」
「おい、いい加減にしろよ。ワルビアルのボール壊して子供にナイフを向けて!
血が昇りすぎだ正気に戻れ!」
仲間の男がサクラとナイフ男の間に立ち塞がる
が、邪魔だと男は投げ飛ばされた。
鈍い音が聴こえて、見れば彼の手持ちのワルビルの様に彼も倉庫の壁に頭を打ち付け気絶している。
「ワルビアルは弱っちいしお前は俺のフォローもまともに出来ねぇ。
そのくせ俺の邪魔する何て何様のつもりだ?!」
「・・・」
「ワルビアルなんかもういらねぇ、お前ももう俺のダチじゃねえ。
一生そこで寝てろ」
気絶している仲間に唾を吐きかけた男にサクラは眉を寄せた。