双子と弁当屋の娘
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やはりと言うべきか、
その夜のお客さんは少なかった。
「予想はしてたけど、何だか寂しい」
「まあ、こんな日もあるだろう」
暢気に笑っている老人にサクラは「おじいちゃんってば」とぶつぶつ言っていた。
「やっぱり稼ぎに出ようかな・・・」
「また、旅に出るのか?」
「ううん、近場でバトルか四天王に挑戦してくる」
「そうか、あんまり無茶するんじゃないぞ」
「分かってる」
鍋やフライパンを洗い終えたサクラは他にする事はないか辺りを見回した。
すると、厨房の入り口から顔を出したヨーテリーが控え目に鳴いている。
「おい、ちびが鳴いてるぞ」
「分かってる
どうしたの?」
と尋ねればやはり控えめな声で『お散歩・・・』と呟いた。
そういえば昼間に散歩の約束をしたのを思い出す。
「ごめん、忘れてた
おじいちゃん今から散歩に行って来ても良い?」
「ああ、暇だし行ってこい」
「よし、じゃあ行こうか!」
『お散歩!』
さっきの控えめさは何処に行った!と言いたくなる程
『お散歩、お散歩』
と今にスキップでもしそうなはしゃぎ様のヨーテリーに気付いたミミロルとラルトスが『いいなー』と言わんばかりに此方を見ていた。
本当ならまだ幼いミミロルとラルトスは寝かしつけなければいけない時間なのだが、それを言うなら二匹と同じ位幼いヨーテリーも寝かさなくてはいけない。
しかしヨーテリーとは約束していたし、だからと言って一匹だけ特別扱い何て出来る筈もなく。
「しょうがない、今夜は特別。
ミミロルとラルトスもお散歩しよ」
『やった!お散歩だよ』
『お散歩です』
こちらも仲良く喜ぶ二匹にサクラの表情も綻んだ。
「というわけで引率、お願いしますよ教官!」
ぽん、とカウンターの上でゾロアの姿のまま丸まるゾロアークの背を叩けば、
『だから教官って呼ぶなって!!』
と噛まれた。
・・・甘噛みだったけど
何かと便利な大きめの篭を持ち、さあ出掛けるぞって時、おじいちゃんに懐中電灯は持ったのか聞かれた。
ここらの地区は倉庫ばかりで電灯の数が少ないのだ。
「大丈夫。私には月明かりがあるし
あ、私達が外に出たらちゃんと鍵しめてね」
この頃また物騒だからと、言ってサクラはポケモン達と共に夜の散歩に出た。
「おじいさん、ポッポとナゾノクサ上の部屋に寝かしつけたよ」
サクラが外に出てから暫くしてクダリが階段から降りてきた。
クダリは今の今迄眠ってしまったポケモン達を家の屋上に作られた温室に運んでいたのだ。
「おお、お疲れさん。
じゃあ休んでくれ。数が多くて大変だったろ」
「うん、僕疲れたー
朝から思ってたけどあの沢山のポケモン達っておじいさんとサクラちゃんの?」
「そうだとも言えるし、そうでないとも言えるな」
「何それよく分かんない」
頭を傾げてさっぱりだと言ったクダリに老人は笑い、カウンターにドーナッツとポフィンを出した。
「ポケモン達を運んだご褒美だ。坊主の肩にいるバチュルも頑張ったんだろう?」
お食べ、と進められクダリとバチュルは喜んで出されたお菓子を食べた。
「そういえばサクラちゃんは?それにゾロアークとヨーテリーもいない」
クダリは試しにサクラの名を呼んでみたが返事は無かった。
変わりに老人が「サクラ達は夜の散歩だ」と答える。
「わしも少し休憩するかな」
冷蔵庫から珈琲を取りだし、クダリにも飲むか尋ねた。
「飲む飲む!」
「バチュルは何かいるか?」
聞かれたバチュルは質問の意味を分かってか分かってなくてか「バチュ?」と鳴くだけ
「こういう時にサクラがいると便利何だがな」
「何でサクラちゃん?」
まさか自分の呟きを拾われると思っていなかった老人は少し驚き、困惑の色を見せた。
けれど答える様子はなく「何でだろうな」と笑うだけ。
「バチュルはミルクでも良いか?」
老人が見せたモーモーミルクの大瓶に味を知っているのかバチュルは「バチュバチュ!」と興奮気味に頷いた。
「・・・」
あからさまにはぐらかされた。
クダリは思った。
その夜のお客さんは少なかった。
「予想はしてたけど、何だか寂しい」
「まあ、こんな日もあるだろう」
暢気に笑っている老人にサクラは「おじいちゃんってば」とぶつぶつ言っていた。
「やっぱり稼ぎに出ようかな・・・」
「また、旅に出るのか?」
「ううん、近場でバトルか四天王に挑戦してくる」
「そうか、あんまり無茶するんじゃないぞ」
「分かってる」
鍋やフライパンを洗い終えたサクラは他にする事はないか辺りを見回した。
すると、厨房の入り口から顔を出したヨーテリーが控え目に鳴いている。
「おい、ちびが鳴いてるぞ」
「分かってる
どうしたの?」
と尋ねればやはり控えめな声で『お散歩・・・』と呟いた。
そういえば昼間に散歩の約束をしたのを思い出す。
「ごめん、忘れてた
おじいちゃん今から散歩に行って来ても良い?」
「ああ、暇だし行ってこい」
「よし、じゃあ行こうか!」
『お散歩!』
さっきの控えめさは何処に行った!と言いたくなる程
『お散歩、お散歩』
と今にスキップでもしそうなはしゃぎ様のヨーテリーに気付いたミミロルとラルトスが『いいなー』と言わんばかりに此方を見ていた。
本当ならまだ幼いミミロルとラルトスは寝かしつけなければいけない時間なのだが、それを言うなら二匹と同じ位幼いヨーテリーも寝かさなくてはいけない。
しかしヨーテリーとは約束していたし、だからと言って一匹だけ特別扱い何て出来る筈もなく。
「しょうがない、今夜は特別。
ミミロルとラルトスもお散歩しよ」
『やった!お散歩だよ』
『お散歩です』
こちらも仲良く喜ぶ二匹にサクラの表情も綻んだ。
「というわけで引率、お願いしますよ教官!」
ぽん、とカウンターの上でゾロアの姿のまま丸まるゾロアークの背を叩けば、
『だから教官って呼ぶなって!!』
と噛まれた。
・・・甘噛みだったけど
何かと便利な大きめの篭を持ち、さあ出掛けるぞって時、おじいちゃんに懐中電灯は持ったのか聞かれた。
ここらの地区は倉庫ばかりで電灯の数が少ないのだ。
「大丈夫。私には月明かりがあるし
あ、私達が外に出たらちゃんと鍵しめてね」
この頃また物騒だからと、言ってサクラはポケモン達と共に夜の散歩に出た。
「おじいさん、ポッポとナゾノクサ上の部屋に寝かしつけたよ」
サクラが外に出てから暫くしてクダリが階段から降りてきた。
クダリは今の今迄眠ってしまったポケモン達を家の屋上に作られた温室に運んでいたのだ。
「おお、お疲れさん。
じゃあ休んでくれ。数が多くて大変だったろ」
「うん、僕疲れたー
朝から思ってたけどあの沢山のポケモン達っておじいさんとサクラちゃんの?」
「そうだとも言えるし、そうでないとも言えるな」
「何それよく分かんない」
頭を傾げてさっぱりだと言ったクダリに老人は笑い、カウンターにドーナッツとポフィンを出した。
「ポケモン達を運んだご褒美だ。坊主の肩にいるバチュルも頑張ったんだろう?」
お食べ、と進められクダリとバチュルは喜んで出されたお菓子を食べた。
「そういえばサクラちゃんは?それにゾロアークとヨーテリーもいない」
クダリは試しにサクラの名を呼んでみたが返事は無かった。
変わりに老人が「サクラ達は夜の散歩だ」と答える。
「わしも少し休憩するかな」
冷蔵庫から珈琲を取りだし、クダリにも飲むか尋ねた。
「飲む飲む!」
「バチュルは何かいるか?」
聞かれたバチュルは質問の意味を分かってか分かってなくてか「バチュ?」と鳴くだけ
「こういう時にサクラがいると便利何だがな」
「何でサクラちゃん?」
まさか自分の呟きを拾われると思っていなかった老人は少し驚き、困惑の色を見せた。
けれど答える様子はなく「何でだろうな」と笑うだけ。
「バチュルはミルクでも良いか?」
老人が見せたモーモーミルクの大瓶に味を知っているのかバチュルは「バチュバチュ!」と興奮気味に頷いた。
「・・・」
あからさまにはぐらかされた。
クダリは思った。