双子と弁当屋の娘
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「またプラズマ団が出たんですって」
「どうやらポケモンを奪われたらしい」
「小さな子供が相手でも容赦がないんですって」
「「「おお、恐い」」」
声を揃え、何処か他人事の様に話す人達にサクラは溜め息を溢す。
昨日の晩に残っていたモーモーミルクを全部クダリさんに飲まれ悔しい思いをしたが、今日はそんな思いをしないように大瓶を二本買った。
モーモーミルクは輸入品のせいか値は張るが一度飲めば病み付きになる美味しさだ。
ジョウトにいる知り合いから毎月何本か送って貰っているのだがそれを昨日、クダリさんが最後の一本を飲みきってしまった。
「あの時は殺意が沸いたね~」
『沸いたな』
うんうん、と二人(正しくは一人と一匹)で頷いていると腹部にドスンと衝撃を感じる。
その衝撃に押さえるがまま尻餅をついていれば「大丈夫ー?」なんてクダリさんの暢気な声が聴こえた。
『サクラさん、大丈夫ですか?』
何故か興奮気味の荒い鼻息が聴こえて、視線を落とせばくりくりおめめのヨーテリーがサクラのお腹に座っている。
「ああ、君だったのね」
『おかえりなさい』
「よしよし、ただいま~」
クダリに遊んで貰っていたのか興奮している彼の頭や顎の下を撫でてあげれば気持ち良いのか、サクラの手に身を委ねるヨーテリー。
その間にこっちへ来たのかクダリさんがヨーテリーを見つめて「いいなー」と呟いた。
「クダリさんも撫でて欲しいんですか?」
そう尋ねれば、
「うん!撫でてー」
と歪みない解答。
しかも撫でやすい様に屈んでも来た。
これじゃあ、本当に大きなヨーテリーじゃないかと思う。
思わず頭を撫でそうになる手だが、ゾロアークの声に伸ばしかけた手は止まった。
「サクラちゃん?」
「・・・悪い子の頭は撫でてあげません!」
そう言って立ち上がったサクラは地面に落としてしまったモーモーミルクを袋ごと広い上げ、ヨーテリーを抱き抱えるとクダリを置いてサクラは家に入った。
「なんだ坊主。フラれたのか?」
上から声がするので見上げれば、店の二階で老人が煙草を吸っていた。
そういえば昨日、初めて来た日も彼はあそこで煙草を吸っていたなとクダリはぼんやり思う。
昨日、
と思い出すだけでクダリは眉間に皺を寄せた。
だがそれはほんの少しですぐにいつもの笑顔に戻る。
「うん、フラれちゃった」
そう言えば老人は白い煙を深々て吐き出す。
「人間、何時も素直にいられたらいいのにな」
「何の話?」
「いや、耄碌じじいの戯言だ」
気にすんな、と言った老人は煙草を灰皿に潰して窓から消えた。
そしてすぐに店の方から声が聴こえる。
一人、誰もいない通りに残ったクダリは唇を噛み両手を強く握った。
「そんなの
出来たら苦労しないよ」
「どうやらポケモンを奪われたらしい」
「小さな子供が相手でも容赦がないんですって」
「「「おお、恐い」」」
声を揃え、何処か他人事の様に話す人達にサクラは溜め息を溢す。
昨日の晩に残っていたモーモーミルクを全部クダリさんに飲まれ悔しい思いをしたが、今日はそんな思いをしないように大瓶を二本買った。
モーモーミルクは輸入品のせいか値は張るが一度飲めば病み付きになる美味しさだ。
ジョウトにいる知り合いから毎月何本か送って貰っているのだがそれを昨日、クダリさんが最後の一本を飲みきってしまった。
「あの時は殺意が沸いたね~」
『沸いたな』
うんうん、と二人(正しくは一人と一匹)で頷いていると腹部にドスンと衝撃を感じる。
その衝撃に押さえるがまま尻餅をついていれば「大丈夫ー?」なんてクダリさんの暢気な声が聴こえた。
『サクラさん、大丈夫ですか?』
何故か興奮気味の荒い鼻息が聴こえて、視線を落とせばくりくりおめめのヨーテリーがサクラのお腹に座っている。
「ああ、君だったのね」
『おかえりなさい』
「よしよし、ただいま~」
クダリに遊んで貰っていたのか興奮している彼の頭や顎の下を撫でてあげれば気持ち良いのか、サクラの手に身を委ねるヨーテリー。
その間にこっちへ来たのかクダリさんがヨーテリーを見つめて「いいなー」と呟いた。
「クダリさんも撫でて欲しいんですか?」
そう尋ねれば、
「うん!撫でてー」
と歪みない解答。
しかも撫でやすい様に屈んでも来た。
これじゃあ、本当に大きなヨーテリーじゃないかと思う。
思わず頭を撫でそうになる手だが、ゾロアークの声に伸ばしかけた手は止まった。
「サクラちゃん?」
「・・・悪い子の頭は撫でてあげません!」
そう言って立ち上がったサクラは地面に落としてしまったモーモーミルクを袋ごと広い上げ、ヨーテリーを抱き抱えるとクダリを置いてサクラは家に入った。
「なんだ坊主。フラれたのか?」
上から声がするので見上げれば、店の二階で老人が煙草を吸っていた。
そういえば昨日、初めて来た日も彼はあそこで煙草を吸っていたなとクダリはぼんやり思う。
昨日、
と思い出すだけでクダリは眉間に皺を寄せた。
だがそれはほんの少しですぐにいつもの笑顔に戻る。
「うん、フラれちゃった」
そう言えば老人は白い煙を深々て吐き出す。
「人間、何時も素直にいられたらいいのにな」
「何の話?」
「いや、耄碌じじいの戯言だ」
気にすんな、と言った老人は煙草を灰皿に潰して窓から消えた。
そしてすぐに店の方から声が聴こえる。
一人、誰もいない通りに残ったクダリは唇を噛み両手を強く握った。
「そんなの
出来たら苦労しないよ」