双子と弁当屋の娘
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銀行を出て、私は溜め息をついた。
通帳に記された残高。
もう月末だと言うのにこの残高はかなり厳しい。
店は自営業、しかも家族経営なので給料など無いに等しい。
なので月末だから、生活費が~というよりは月末でお客さんの財布の紐が締まるのが問題なのだ。
お客の殆どが男性で占めるライモン亭はその傾向が顕著にでる。
せめて後、一つ"0"があればと考えた自分の思考が虚しくてサクラはまた溜め息を吐く。
『あんまり溜め息をつくと幸せが逃げるぞ』
「そうよね。もう、溜め息つかない」
と言った側からまた溜め息。
『おい、』
「だってこの残高!月末はお客さんが減るのに」
『また、出稼ぎでもするか』
「そうね。出稼ぎしかないよね」
今度は「『出稼ぎか・・・』」と呟いた二人の口から溜め息が出るのだった。
[バトルサブウェイ
ノッテ タタカウ!]
「何で片言?」
サクラが何気無く無機物に迄ツッコミを入れている間にも地下鉄には続々と人が吸い込まれるかの様に入っていた。
その様子をただ見つめるサクラとゾロアーク。
「バトルサブウェイってそんなに楽しいのかな?」
『さあ、どうだろな』
「バトルって言う位何だし賞金出る、よね?」
『そう言って何度もこんな施設に挑戦してきたけど、貰ったのはよく分からないアイテム』
「う~ん、ならやっぱり即金なら四天王とか出稼ぎの方が良いね」
うん、と自己完結したサクラは人の波に乗り、地下鉄の中へ降りていった。
オレンジの階段を降りて、波に飲まれかけながら進むと沢山の人が行き交う広いホームにつく。
地下鉄の筈なのに擦れ違う人達の目がギラギラしているのはきっと地下鉄の前にバトルが付くからだ。
バトル前だからか明らかに気がたっている人もいて、サクラはぶつかったりしないようにしないと、意気込んだ。
矢先、
「あぎゃっ」
さっそくぶつかった。
見上げればマッチョで厳つい顔のお兄さん。
「あの、すみません」
『注意力無さすぎだろお前』
「う、五月蝿い!」
呆れるゾロアークに何だと!とサクラが言い返していれば、それを恐い顔のお兄さんが自分に言ったかと思いこんだのか「あ゛ぁ?!」とサクラの胸ぐらを掴み顔を近付けた。
「人にぶつかっといて五月蝿いとはなんだぁ?」
「あの、今のはゾロア・・・この子に言ったんです!この子が意地悪な事を言ったから」
ね、とサクラが目配せを送れば事を穏便に済ませたいサクラの気持ちが伝わったのかゾロアークはこくこくと頭を縦に振る。
それを見て、男は笑った。
「へーゾロアがねー
んなわけあるかゴルァ!!
ポケモンが喋るだぁ?俺を馬鹿にしてんじゃねぇぞ」
男から発せられた轟音にサクラは思わず目を閉じた。
「人にぶつかっといて、俺が五月蝿いだぁ?
お前、一体親からどんな教育受けてんだ。言ってみろ」
「・・・先に謝ったじゃないですか。五月蝿いって言ったのは間違い何です」
反論する気が無かったサクラだったが、肩のゾロアークから小さな唸り声が聴こえたのでこれは不味いと思わず反論してしまった。
普段はそれなりに冷静なゾロアークも私に向けて「親」という単語が発せられると冷静さを失い怒り狂う。
それは私を心配しての行動なのだが、私の胸ぐらを掴んだ相手は丸腰でポケモンを出していない。
そんな相手に手を出したとなれば最悪、私とゾロアークは離れ離れになってしまう。
そんなのは嫌だ。
そう言えば、前にもこんな事があった事をサクラは思い出した。
前というか昨日、やはり悪そうなお兄さんに絡まれた時。
何れだけ私はこんなお兄さん達と縁があるのか自嘲気味に笑った。
その笑顔が気に入らなかったらしい男は「何、笑ってんだ」と睨んでくる。
「いや、昨日もこんな事があったなと思いまして」
「はぁ?」
サクラは男に笑顔を向けたまま爪先で地面を叩いた。
駄目だ。今日はパンプスだった。
これでも殺傷能力は充分あるが最悪、代償として足先が駄目になるかもしれない。
それは困ると考えたサクラは自分の二倍はあろうか男を背負い投げる事に決めた。
周りには助けてはくれない野次馬が沢山いる。
背負い投げた場合、誰か巻き込まれる可能性もあるがそれは正当防衛に巻き込まれた。
で、済んでくれないかな。
サクラは淡い期待を抱く。
兎に角男が胸ぐらを掴んでいるせいか息苦しくて、我慢が出来なくってきたサクラは男の手を掴んだ。
その時、何処かから鋭いホイッスルの音が聴こえた。
通帳に記された残高。
もう月末だと言うのにこの残高はかなり厳しい。
店は自営業、しかも家族経営なので給料など無いに等しい。
なので月末だから、生活費が~というよりは月末でお客さんの財布の紐が締まるのが問題なのだ。
お客の殆どが男性で占めるライモン亭はその傾向が顕著にでる。
せめて後、一つ"0"があればと考えた自分の思考が虚しくてサクラはまた溜め息を吐く。
『あんまり溜め息をつくと幸せが逃げるぞ』
「そうよね。もう、溜め息つかない」
と言った側からまた溜め息。
『おい、』
「だってこの残高!月末はお客さんが減るのに」
『また、出稼ぎでもするか』
「そうね。出稼ぎしかないよね」
今度は「『出稼ぎか・・・』」と呟いた二人の口から溜め息が出るのだった。
[バトルサブウェイ
ノッテ タタカウ!]
「何で片言?」
サクラが何気無く無機物に迄ツッコミを入れている間にも地下鉄には続々と人が吸い込まれるかの様に入っていた。
その様子をただ見つめるサクラとゾロアーク。
「バトルサブウェイってそんなに楽しいのかな?」
『さあ、どうだろな』
「バトルって言う位何だし賞金出る、よね?」
『そう言って何度もこんな施設に挑戦してきたけど、貰ったのはよく分からないアイテム』
「う~ん、ならやっぱり即金なら四天王とか出稼ぎの方が良いね」
うん、と自己完結したサクラは人の波に乗り、地下鉄の中へ降りていった。
オレンジの階段を降りて、波に飲まれかけながら進むと沢山の人が行き交う広いホームにつく。
地下鉄の筈なのに擦れ違う人達の目がギラギラしているのはきっと地下鉄の前にバトルが付くからだ。
バトル前だからか明らかに気がたっている人もいて、サクラはぶつかったりしないようにしないと、意気込んだ。
矢先、
「あぎゃっ」
さっそくぶつかった。
見上げればマッチョで厳つい顔のお兄さん。
「あの、すみません」
『注意力無さすぎだろお前』
「う、五月蝿い!」
呆れるゾロアークに何だと!とサクラが言い返していれば、それを恐い顔のお兄さんが自分に言ったかと思いこんだのか「あ゛ぁ?!」とサクラの胸ぐらを掴み顔を近付けた。
「人にぶつかっといて五月蝿いとはなんだぁ?」
「あの、今のはゾロア・・・この子に言ったんです!この子が意地悪な事を言ったから」
ね、とサクラが目配せを送れば事を穏便に済ませたいサクラの気持ちが伝わったのかゾロアークはこくこくと頭を縦に振る。
それを見て、男は笑った。
「へーゾロアがねー
んなわけあるかゴルァ!!
ポケモンが喋るだぁ?俺を馬鹿にしてんじゃねぇぞ」
男から発せられた轟音にサクラは思わず目を閉じた。
「人にぶつかっといて、俺が五月蝿いだぁ?
お前、一体親からどんな教育受けてんだ。言ってみろ」
「・・・先に謝ったじゃないですか。五月蝿いって言ったのは間違い何です」
反論する気が無かったサクラだったが、肩のゾロアークから小さな唸り声が聴こえたのでこれは不味いと思わず反論してしまった。
普段はそれなりに冷静なゾロアークも私に向けて「親」という単語が発せられると冷静さを失い怒り狂う。
それは私を心配しての行動なのだが、私の胸ぐらを掴んだ相手は丸腰でポケモンを出していない。
そんな相手に手を出したとなれば最悪、私とゾロアークは離れ離れになってしまう。
そんなのは嫌だ。
そう言えば、前にもこんな事があった事をサクラは思い出した。
前というか昨日、やはり悪そうなお兄さんに絡まれた時。
何れだけ私はこんなお兄さん達と縁があるのか自嘲気味に笑った。
その笑顔が気に入らなかったらしい男は「何、笑ってんだ」と睨んでくる。
「いや、昨日もこんな事があったなと思いまして」
「はぁ?」
サクラは男に笑顔を向けたまま爪先で地面を叩いた。
駄目だ。今日はパンプスだった。
これでも殺傷能力は充分あるが最悪、代償として足先が駄目になるかもしれない。
それは困ると考えたサクラは自分の二倍はあろうか男を背負い投げる事に決めた。
周りには助けてはくれない野次馬が沢山いる。
背負い投げた場合、誰か巻き込まれる可能性もあるがそれは正当防衛に巻き込まれた。
で、済んでくれないかな。
サクラは淡い期待を抱く。
兎に角男が胸ぐらを掴んでいるせいか息苦しくて、我慢が出来なくってきたサクラは男の手を掴んだ。
その時、何処かから鋭いホイッスルの音が聴こえた。