あの葉が落ちたら(▽/暗)
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それから一週目。
クダリは葉っぱが一枚だけ残るあの木で技の練習をしたが技は当たる所かかする様子も無かった。
朝からずっとだったのでバチュルを一旦ボールに戻し自分の病室に戻ろうとした所、院内のエレベーターで見覚えのある少女と出会う。
少女と言ってもまだ十もいかぬクダリよりは遥かに年上。
その年上の彼女に気付いたクダリは彼女の肩を叩いた。
「この間のお姉さんだよね」
「ああ、この間看護婦さんに怒られてた子ね。
あの木の葉っぱは落とせた?」
尋ねられクダリは無言のまま視線を不自然に剃らす。
その不自然な態度で悟ってくれたらしい彼女は初めて見た時と同じ様に静かに笑った。
「あの葉っぱもなかなかしぶといから大変かもね」
クダリには彼女のその言葉が妙に引っ掛かった。
あの葉っぱ"も"とは、まるで誰かに例えている様でとてもそれが気になり彼女の事も気になる。
入院が二週目に入り、技の飛距離が安定してきた。
"エレキボール"があの葉っぱの位置まで届くようにはなったが揺れる葉になかなか焦点が定まらない。
葉っぱが縁を結んだのか彼女とは院内で会えば挨拶をして二~三言話す仲には発展していた。
やはり彼女は会う度にクダリに「あの葉は落とせた?」と尋ねてきて、駄目だった事を話すと少し嬉しそうな顔をしてその後少し残念そうな顔をする。
何で彼女はあんな顔をするのか、考えていたクダリは後ろから捕まった。
「うわっ?!」
抱き締める様に捕まり持ち上げられたクダリは何事か後ろを見れば彼女と初めて会った時側にいた看護婦で、やはりあの時と同様に
「この木は駄目って言ったでしょ」
と怒っている。
「何でこの木は駄目なの」
体を持ち上げられ中ぶらりんになった足をばたつかせながらクダリは反論した。
「どうして他の木は良くてこの木は駄目なの」
「それは、」
看護婦はクダリを地面に下ろすと辺りを見渡して誰もいない事を確認しだす。
前後左右にオマケで上を見上げ、此方に聞き耳を立てる人間がいないと分かると膝を折り口元を隠すように手を添えて話を始めた。
「私が前に君を怒った時、側に君より年上のお姉さんがいたでしょ」
年上のお姉さんとは彼女の事だ。
「あのお姉さん、凄く難しい病気にかかっててね。
君よりもっと小さい時からこの病院にいるの、何度か危なくなっては回復したんだけど丁度前月担当の先生に」
『君の病気はかなり進行していてもうどんな名医でも手の施し様がないだろう。君の命は』
「この木の葉が全て散る頃に終わってしまうって言われてるのよ。その先生が見積もるに後三ヶ月、四ヶ月はもつと思ってたからそんな事を言ったみたいなんだけどこの前の暴風雨で殆どの木の葉が飛んじゃってね・・・」
それ以上、クダリの耳に話しは入らなかった。
クダリの頭の中には「あの葉は落とせた?」と聞いてくる彼女の顔が占めていて他には何も考えられない。
「お医者様から聞きましたよ。あれほど安静にと言われていたのに何時も病室から抜け出しているんですってね」
週末の休みを利用してクダリのお見舞いに来たノボリは、クダリの前に立つなりお説教を始めた。
「たまに出歩くのは気分転換になって良いかもしれないですがそう毎日出歩いては治るものも治りません。
毎日じっとしているのも辛いでしょうがこれも怪我を完治させる為、大人しく・・・クダリ?貴方聞いているのですか」
何時もならノボリの説教が始まるとあの手この手で話題を変えようとするクダリの反応が無かった。
反応が無かったからと言ってお説教を真面目に聞いているのかと聞かれれば、それは否。
前にもこんな事は何度か会ったがその時のクダリはだいたい話も聞かずに眠っていた。
今回もそうなのかと、クダリがくるまる布団を剥げば
「貴方、何て顔をしているんですか」
ぼろぼろと涙を溢している。
「どうして泣いているんです」
そんなに強く叱り過ぎたのか、と病室に入ってからの自身の行動を振り替えってみたが普段通りでノボリには過ぎる様な事は無いように思えた。
だったら何故クダリは泣いているのか
「色々考えたらわけ分からなくなって」
そこでクダリの顔が赤いのに気付いたノボリは自身の手を彼の額に伸ばした。
「貴方、熱がありますよ」
「うえ?」
クダリは葉っぱが一枚だけ残るあの木で技の練習をしたが技は当たる所かかする様子も無かった。
朝からずっとだったのでバチュルを一旦ボールに戻し自分の病室に戻ろうとした所、院内のエレベーターで見覚えのある少女と出会う。
少女と言ってもまだ十もいかぬクダリよりは遥かに年上。
その年上の彼女に気付いたクダリは彼女の肩を叩いた。
「この間のお姉さんだよね」
「ああ、この間看護婦さんに怒られてた子ね。
あの木の葉っぱは落とせた?」
尋ねられクダリは無言のまま視線を不自然に剃らす。
その不自然な態度で悟ってくれたらしい彼女は初めて見た時と同じ様に静かに笑った。
「あの葉っぱもなかなかしぶといから大変かもね」
クダリには彼女のその言葉が妙に引っ掛かった。
あの葉っぱ"も"とは、まるで誰かに例えている様でとてもそれが気になり彼女の事も気になる。
入院が二週目に入り、技の飛距離が安定してきた。
"エレキボール"があの葉っぱの位置まで届くようにはなったが揺れる葉になかなか焦点が定まらない。
葉っぱが縁を結んだのか彼女とは院内で会えば挨拶をして二~三言話す仲には発展していた。
やはり彼女は会う度にクダリに「あの葉は落とせた?」と尋ねてきて、駄目だった事を話すと少し嬉しそうな顔をしてその後少し残念そうな顔をする。
何で彼女はあんな顔をするのか、考えていたクダリは後ろから捕まった。
「うわっ?!」
抱き締める様に捕まり持ち上げられたクダリは何事か後ろを見れば彼女と初めて会った時側にいた看護婦で、やはりあの時と同様に
「この木は駄目って言ったでしょ」
と怒っている。
「何でこの木は駄目なの」
体を持ち上げられ中ぶらりんになった足をばたつかせながらクダリは反論した。
「どうして他の木は良くてこの木は駄目なの」
「それは、」
看護婦はクダリを地面に下ろすと辺りを見渡して誰もいない事を確認しだす。
前後左右にオマケで上を見上げ、此方に聞き耳を立てる人間がいないと分かると膝を折り口元を隠すように手を添えて話を始めた。
「私が前に君を怒った時、側に君より年上のお姉さんがいたでしょ」
年上のお姉さんとは彼女の事だ。
「あのお姉さん、凄く難しい病気にかかっててね。
君よりもっと小さい時からこの病院にいるの、何度か危なくなっては回復したんだけど丁度前月担当の先生に」
『君の病気はかなり進行していてもうどんな名医でも手の施し様がないだろう。君の命は』
「この木の葉が全て散る頃に終わってしまうって言われてるのよ。その先生が見積もるに後三ヶ月、四ヶ月はもつと思ってたからそんな事を言ったみたいなんだけどこの前の暴風雨で殆どの木の葉が飛んじゃってね・・・」
それ以上、クダリの耳に話しは入らなかった。
クダリの頭の中には「あの葉は落とせた?」と聞いてくる彼女の顔が占めていて他には何も考えられない。
「お医者様から聞きましたよ。あれほど安静にと言われていたのに何時も病室から抜け出しているんですってね」
週末の休みを利用してクダリのお見舞いに来たノボリは、クダリの前に立つなりお説教を始めた。
「たまに出歩くのは気分転換になって良いかもしれないですがそう毎日出歩いては治るものも治りません。
毎日じっとしているのも辛いでしょうがこれも怪我を完治させる為、大人しく・・・クダリ?貴方聞いているのですか」
何時もならノボリの説教が始まるとあの手この手で話題を変えようとするクダリの反応が無かった。
反応が無かったからと言ってお説教を真面目に聞いているのかと聞かれれば、それは否。
前にもこんな事は何度か会ったがその時のクダリはだいたい話も聞かずに眠っていた。
今回もそうなのかと、クダリがくるまる布団を剥げば
「貴方、何て顔をしているんですか」
ぼろぼろと涙を溢している。
「どうして泣いているんです」
そんなに強く叱り過ぎたのか、と病室に入ってからの自身の行動を振り替えってみたが普段通りでノボリには過ぎる様な事は無いように思えた。
だったら何故クダリは泣いているのか
「色々考えたらわけ分からなくなって」
そこでクダリの顔が赤いのに気付いたノボリは自身の手を彼の額に伸ばした。
「貴方、熱がありますよ」
「うえ?」