あの葉が落ちたら(▽/暗)
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「自業自得でございます」
ベットで横になるクダリを見下しながらノボリは呆れた物言いで言う。
「勉強の時間に逃げ出し、バチュルと木の上で遊んでいてうっかり足を滑らせたなんて
高い場所から落ちて足の骨折で済んだのですから自分の悪運の強さに感謝なさい」
「ノボリ、骨折で済んだって言うけど足折れるって結構痛い」
「だまらっしゃい!!」
ノボリの怒声にクダリの耳は耳鳴りを起こした。
「もし木から落ちて頭を打っていたらどうするのです!私は木の側で倒れた貴方を見たとき、心臓が止まる思いだったのですよ」
木から落ちたクダリを一番に発見したのはノボリだった。
勉強の時間だと言うのに一向に現れない双子の兄弟を気にして探しに出た所で発見する。
木から落ちたのであろうクダリの周りには落ちるには早い若葉が落ちていて、彼の手には咄嗟に掴んだのか細い枝が握られていた。
クダリの側にはバチュルがいて、多分彼の名前を呼んでいる。
本当は頭を打ったかもしれない人間を揺らしてはいけないのだがノボリは知らなかったし知っていても思い出せる程余裕はなかった。
「クダリ、クダリ!」
呼んでも意識はない。
いくら揺らしてもいつもみたいに文句を言いながら起きる様子はない。
その後すぐに騒ぎを聞き付けた大人達が駆けつけてクダリは病院に運ばれた。
医師が診断した結果は、
「寝不足ですね。
後、右足に骨折がみられます」
いくらノボリが呼んでも目を覚まさなかった原因は寝不足だと言われる。
念の為に脳の精密検査を受けたが異常はなく、まず頭を打った外傷も見当たらない。
「きっと木から落ちて足で着地したのでしょう。その証拠に右足は折れていますからね」
今は病室のベットでぐっすりとおやすみですよと、医者に言われてノボリも大人達も恥ずかしい思いをするのだった。
そこで冒頭のノボリの嫌味に戻る。
ノボリはクダリが目を覚ます迄溜めていた文句という文句を彼が目を覚ました所で全て吐き出すと目を涙に潤ませ病室を飛び出した。
怪我をしたのは自分なのにと、口を尖らせたクダリに大人達は「あれでも貴方を見付けた時のノボリは凄く貴方を心配していたんですよ」と宥める。
医者の診断は右足の骨折で四週間は絶対安静だと言われた。
骨折箇所にはギプスが巻かれ、安静、安静兎に角じっとしてなさいとクダリは言われる。
医者が出ていき大人達も一旦帰るというので、その後にでも病院内を探索しようと考えていたクダリに大人達は「兎に角安静だ」と釘を刺した。
大人しく返事をしたクダリに安心したのかそのまま病室を出ていく大人達。
だが、いくら周りに「安静にしていろ」と言われて従う程クダリは聞き分けの良い子供では無い。
動かさないよう固定された右足を床に下ろし、ベットに立て掛けられた松葉杖を掴んでクダリは病室を飛び出した。
「つまんない」
探検と言っても珍しい物がいっぱいみつかる訳もなく、何処に言っても怪我人と病人ばかりでゾンビ化したナースも顔に大きな縫い目のある藪医者もいなかった。
唯一、探検して良かったのはクダリと同じく足を骨折し車椅子に乗っていた老婆からは苺のキャンディを、休憩中だった看護婦からバタークッキーを貰った事だろうか
貰った苺のキャンディを舐めながらクダリはぶらぶらと病院の裏庭を歩いた。
何も面白い物は見付けられず、こんな場所に約一ヶ月もいなくてはならないとなると考えるだけで辟易する。
らしくもない溜め息をついて空を見上げれば秋空にたった一枚の葉が木から離れまいとしがみついて風に揺らされていた。
「・・・バチュル」
寝間着のポケットから取り出したモンスターボールを開く。
中から出てきたバチュルに分かるよう木にしがみつく一枚の葉を指差し尋ねる。
「あの木の葉にエレキボールぶつけれる?」
聞けば、バチュルは『ちょっと難しいかも』何て表情をしていた。
どうしてクダリがそんな事を尋ねたかというと、それは少し前の話しに戻る。
何時もの様に家の庭でノボリのヒトモシとバトルをしている時だった。
覚えたばかりの"エレキボール"を試してみようとバチュルに命令したのだがいくらやっても当たらない。
結局、どうこうしている内に劣勢だったノボリ達からのどんでん返しに合いバトルは負けてしまった。
バトル終了後、何故"エレキボール"が当たら無かったのかバチュルと悩んでいれば
「バチュルは集中力が足らないのではないですか」
とノボリに言われた。
詳しく聞けばバチュルの集中力が足りない
↓
狙いが上手く定まらない
↓
結果、当たらないとの事。
成る程とノボリの仮説に頷いていれば
「集中力が足りないと言えばクダリにも言える事ですが」
と笑われた。
そこでクダリのやる気に火が着く。
「あの木の葉、風で揺れてるから凄く狙いにくいと思うの!
それにここから木の葉迄距離あるから毎日あの葉に技を当てる練習したらノボリが言ってた集中力?が上がる気がする」
どうかな?のバチュルに尋ねれば彼も大賛成の様だった。
「頑張って集中力上げて、ノボリ達見返そうね!」
さっそく練習と"エレキボール"を何発か飛ばした所で先程のノボリの怒声に劣らない声がクダリの耳に届く。
「そこで何してるのー!!」
何処からか聞こえる声に声の主を探していれば「上よ、上」と怒鳴り声とは別の落ち着いた声が聞こえる。
見上げれば三階の窓から看護婦が今に飛び下りようと窓枠に足をかけている所だった。
「何、病院の木に悪戯しようとしてるの」
悪戯ではなく技の練習だと言えば看護婦は
「だったら他の木にしなさい!」
そう言うだけ言って病院の奥に消えた。
しかし、看護婦がいなくなっても開いた窓には一人の少女が残っていて、クダリを見下ろす彼女は静かに笑う。
「頑張ってその木の葉っぱを落としてね」
この木の葉だけは落とすなと言う看護婦と、この木の葉を落としてねという少女。
どうして二人はこの木に拘るのかクダリにはさっぱり分からなかった。
ベットで横になるクダリを見下しながらノボリは呆れた物言いで言う。
「勉強の時間に逃げ出し、バチュルと木の上で遊んでいてうっかり足を滑らせたなんて
高い場所から落ちて足の骨折で済んだのですから自分の悪運の強さに感謝なさい」
「ノボリ、骨折で済んだって言うけど足折れるって結構痛い」
「だまらっしゃい!!」
ノボリの怒声にクダリの耳は耳鳴りを起こした。
「もし木から落ちて頭を打っていたらどうするのです!私は木の側で倒れた貴方を見たとき、心臓が止まる思いだったのですよ」
木から落ちたクダリを一番に発見したのはノボリだった。
勉強の時間だと言うのに一向に現れない双子の兄弟を気にして探しに出た所で発見する。
木から落ちたのであろうクダリの周りには落ちるには早い若葉が落ちていて、彼の手には咄嗟に掴んだのか細い枝が握られていた。
クダリの側にはバチュルがいて、多分彼の名前を呼んでいる。
本当は頭を打ったかもしれない人間を揺らしてはいけないのだがノボリは知らなかったし知っていても思い出せる程余裕はなかった。
「クダリ、クダリ!」
呼んでも意識はない。
いくら揺らしてもいつもみたいに文句を言いながら起きる様子はない。
その後すぐに騒ぎを聞き付けた大人達が駆けつけてクダリは病院に運ばれた。
医師が診断した結果は、
「寝不足ですね。
後、右足に骨折がみられます」
いくらノボリが呼んでも目を覚まさなかった原因は寝不足だと言われる。
念の為に脳の精密検査を受けたが異常はなく、まず頭を打った外傷も見当たらない。
「きっと木から落ちて足で着地したのでしょう。その証拠に右足は折れていますからね」
今は病室のベットでぐっすりとおやすみですよと、医者に言われてノボリも大人達も恥ずかしい思いをするのだった。
そこで冒頭のノボリの嫌味に戻る。
ノボリはクダリが目を覚ます迄溜めていた文句という文句を彼が目を覚ました所で全て吐き出すと目を涙に潤ませ病室を飛び出した。
怪我をしたのは自分なのにと、口を尖らせたクダリに大人達は「あれでも貴方を見付けた時のノボリは凄く貴方を心配していたんですよ」と宥める。
医者の診断は右足の骨折で四週間は絶対安静だと言われた。
骨折箇所にはギプスが巻かれ、安静、安静兎に角じっとしてなさいとクダリは言われる。
医者が出ていき大人達も一旦帰るというので、その後にでも病院内を探索しようと考えていたクダリに大人達は「兎に角安静だ」と釘を刺した。
大人しく返事をしたクダリに安心したのかそのまま病室を出ていく大人達。
だが、いくら周りに「安静にしていろ」と言われて従う程クダリは聞き分けの良い子供では無い。
動かさないよう固定された右足を床に下ろし、ベットに立て掛けられた松葉杖を掴んでクダリは病室を飛び出した。
「つまんない」
探検と言っても珍しい物がいっぱいみつかる訳もなく、何処に言っても怪我人と病人ばかりでゾンビ化したナースも顔に大きな縫い目のある藪医者もいなかった。
唯一、探検して良かったのはクダリと同じく足を骨折し車椅子に乗っていた老婆からは苺のキャンディを、休憩中だった看護婦からバタークッキーを貰った事だろうか
貰った苺のキャンディを舐めながらクダリはぶらぶらと病院の裏庭を歩いた。
何も面白い物は見付けられず、こんな場所に約一ヶ月もいなくてはならないとなると考えるだけで辟易する。
らしくもない溜め息をついて空を見上げれば秋空にたった一枚の葉が木から離れまいとしがみついて風に揺らされていた。
「・・・バチュル」
寝間着のポケットから取り出したモンスターボールを開く。
中から出てきたバチュルに分かるよう木にしがみつく一枚の葉を指差し尋ねる。
「あの木の葉にエレキボールぶつけれる?」
聞けば、バチュルは『ちょっと難しいかも』何て表情をしていた。
どうしてクダリがそんな事を尋ねたかというと、それは少し前の話しに戻る。
何時もの様に家の庭でノボリのヒトモシとバトルをしている時だった。
覚えたばかりの"エレキボール"を試してみようとバチュルに命令したのだがいくらやっても当たらない。
結局、どうこうしている内に劣勢だったノボリ達からのどんでん返しに合いバトルは負けてしまった。
バトル終了後、何故"エレキボール"が当たら無かったのかバチュルと悩んでいれば
「バチュルは集中力が足らないのではないですか」
とノボリに言われた。
詳しく聞けばバチュルの集中力が足りない
↓
狙いが上手く定まらない
↓
結果、当たらないとの事。
成る程とノボリの仮説に頷いていれば
「集中力が足りないと言えばクダリにも言える事ですが」
と笑われた。
そこでクダリのやる気に火が着く。
「あの木の葉、風で揺れてるから凄く狙いにくいと思うの!
それにここから木の葉迄距離あるから毎日あの葉に技を当てる練習したらノボリが言ってた集中力?が上がる気がする」
どうかな?のバチュルに尋ねれば彼も大賛成の様だった。
「頑張って集中力上げて、ノボリ達見返そうね!」
さっそく練習と"エレキボール"を何発か飛ばした所で先程のノボリの怒声に劣らない声がクダリの耳に届く。
「そこで何してるのー!!」
何処からか聞こえる声に声の主を探していれば「上よ、上」と怒鳴り声とは別の落ち着いた声が聞こえる。
見上げれば三階の窓から看護婦が今に飛び下りようと窓枠に足をかけている所だった。
「何、病院の木に悪戯しようとしてるの」
悪戯ではなく技の練習だと言えば看護婦は
「だったら他の木にしなさい!」
そう言うだけ言って病院の奥に消えた。
しかし、看護婦がいなくなっても開いた窓には一人の少女が残っていて、クダリを見下ろす彼女は静かに笑う。
「頑張ってその木の葉っぱを落としてね」
この木の葉だけは落とすなと言う看護婦と、この木の葉を落としてねという少女。
どうして二人はこの木に拘るのかクダリにはさっぱり分からなかった。