幽霊退治(▲/幽霊)
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「ちょっと!」
レジで合コンの参加費を払っていたサクラに声をかけたのは先程の自称霊感持ちのエリートトレーナーその娘だ。
彼女は水色の髪とオレンジのミニスカートを揺らしながらかなりご立腹なのだろうサクラに詰め寄る。
「さっきのあれ、何よ!」
"あれ"とはどの事か思う節があり過ぎてサクラは頭を傾げていた。
その動作が気に入らなかったのか顔が徐々に険しくなる彼女にサクラは生き霊の事を言っているのか尋ねてみると彼女はそうだと頷く。
「あんただってどうせ霊感があるとかキャラ作りの為の嘘何でしょ?!
そう言うのは他所でやってよ。言い出したのは私が先なのにキャラが被る何て最悪よ!!!」
「私が霊を視えるって嘘を吐いてるとでも言いたいの?」
「どうせ嘘なんでしょ?さっきの騒ぎだって男と口裏を合わせただけで実際、貴女は霊何て視えてない。
寧ろこの世に霊何ているのかしら」
エリートトレーナーな彼女の言葉にサクラの表情は歪んだ。
サクラは前に倒れる様に彼女に凭れかかると、彼女の手を握り指を絡ませる。
「そこまで言うなら視せてあげる」
突然、サクラに抱き付かれたエリートトレーナーの彼女は抵抗を見せるがサクラの密着した体は離れない。
彼女に抱き付いたサクラは彼女の耳元で囁く様に言った。
「悪夢の様な恐ろしい世界を」
甲高い女の悲鳴に何事かと野次馬が集まりだす。
野次馬で出来た人垣を抜けたサクラと擦れ違う人達の話題は発狂でもしたのか、道の真ん中で怯え叫ぶ彼女で持ちきりだ。
上機嫌に鼻歌を歌うサクラに今の今までボールの中にいたジュペッタは外へと飛び出し、彼の定位置であるサクラの腕の中に納まる。
まるで人形の様に大人しくサクラの腕の中に納まったジュペッタは彼女を見上げ何をしたのか尋ねた。
「嘘吐きな彼女に本物を視せてあげただけだよ」
そう答えたサクラの手は何時もしている黒の長い手袋が見当たらない。
たかがちっぽけな嘘に彼処まで彼女を怖がらせる必要があったのか、ジュペッタは問うが彼の表情は相変わらず"楽"のままで寧ろサクラよりも楽しげだった。
「何よ。自分だけ真面目ぶって
私より人を怖がらせるのが好きなくせに」
大口を開けて此方を招く地下鉄の入り口にサクラは進めていた足を止めると、道の脇に寄りジュペッタと向き合う。
「今から地下鉄に乗るけど変な事しちゃ駄目よ」
特に人を怖がらせる様な悪戯はと自分で反面教師だと分かりながらも一応念を押しておけばまかせろと彼は胸を張る。
そう答えたジュペッタにサクラは抱いた不安を拭えなかったが自宅に帰るにはこの地下鉄を使わなくてはならず彼女は腹をくくって地下へと続く長い階段を下った。