幽霊退治(▲/幽霊)
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正しくは視えもしないのに私は幽霊が見えると"言う"人。
「視えるって、やっぱりこれ?」
絵に描かれる様な典型的な幽霊のポーズを取り、おどけて見せた男性Aに周りからは笑いが上がった。
その場で笑っていないのはサクラと自分は視えると言った自称霊感持ちエリートトレーナーだけ
「もう!本当に視えるんですってば現に」
ほら!と彼女は何も見当たらない部屋の角を指差す。
「あそこに髪の長い女の人が・・・」
そう言った途端私と言い出しっぺの彼女以外の女子達から悲鳴にも似た声が上がった。
声を上げた女子の向かい側にいた男子達は「嘘だろ?」と笑っているが目は口ほどに、瞳はゆらゆらと揺らぎ怯えている。
そんな彼等の様子に気付いていてか恐怖を増強させるかの様に自称霊感持ちのエリートトレーナーは向かいに座る男子を見て
「誰かを恨んで此処にいるみたいね」
と言った。
途端、その場の空気が冷たい物に変わる。
「幽霊が視える何て馬鹿じゃないの?」
そう言って席から立ったのはサクラ自身で、サクラは隣に座る自称霊感持ちのエリートトレーナーを見下す。
「人の気を引きたいのは分かるけどそういう嘘はあまり吐かない方が良いよ」
友人の代わりにと顔も名前も知らない人達の合コンに無理矢理参加せられたサクラが初めて(自己紹介は他人任せだった為)口を開いた瞬間だった。
その初めての声に誰もが驚き固まるなか、自称霊感持ちのエリートトレーナーだけは体を振るわせサクラを睨みつけている。
「初めて喋ったのに私を嘘つき呼ばわり何てあまりにも失礼なんじゃない?」
「だって、嘘でしょ?
貴女が指を指した先には髪の長い女何ていない
いるのは・・・」
向かいに並ぶ四人の男子に対しサクラは左から二番目の男を指指した。
「俺?」
「貴方、妻子持ちのくせによく合コンに参加できましたね」
サクラの発言にその場が幽霊の時よりもざわめく。
「女ぐせが相当酷い様で、貴方の奥さんは大変ですね。
自分の生き霊を貴方に憑けて常に監視しなくちゃいけないんですから」
「生き霊?!」
男は顔を真っ青にして自分の辺りを見回した。
「生き霊何て嘘を吐くの止めなさいよ!」
サクラの言葉を嘘と言い切ったのは先程迄幽霊話でこの場を盛り上げていた自称霊感持ちのエリートトレーナー。
その彼女をサクラは又も見下し、笑った。
「嘘・・・ね、」
だったら嘘じゃない証拠を見せて上げると言うと、サクラは何もいない男の向こう側を見つめてすらすらと
身長、
体型、
髪型
とそこにいる者の特徴を上げる。
最後にその男の向こうにいる彼女の服装を言えば男は頭を押さえて悲鳴を上げた。
その男の突然の声に何事か、隣の席の男が声をかけると声を上げた男は顔面蒼白。
体は震え、歯を鳴らし、何度も女性の名前を呟き謝っていた。
「・・・本当にごめん。
もう絶対に浮気何てしないから、毎日直帰で家に帰るから・・・
許してくれ」
これはつまり、
彼女の言った生き霊の話が本当だったと言うのか。
男の異様な怯え様にその場にいた皆が皆、同じ事を考えていた。
霊が視える何て話、飲み会何かでよくあるネタ話だと心の何処かで笑っていた彼等だが男のこの様子を見る限り本物にも思えてくる。
怖いもの見たさから沸き上がる好奇心に自分は何かに憑かれているのか尋ねようと一人の男が手を挙げたのだがその場にサクラの姿は無かった。