双子と弁当屋の娘
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「おじいちゃんが泊めても良いと言った以上、私はもう文句を言いません」
そこで一息付いたサクラはクダリにタオルとパジャマを渡し、
「私達は貴方を善意で泊めています。
何が起きても私達は責任をとりませんから」
笑った。
にこりと月の光に照された彼女の笑みは憐れみの色を含んでいる。
サクラの肩に乗ったゾロアークも『そうだぞ』と同調するように一鳴き。
「それじゃあ私はまだ仕事があるので」
と彼女はゾロアークと共に一階へと下りていく。
「何が起きるって、」
クダリはぐるりと辺りを見渡すのだが建っている場所以外は普通の民家だ。
変な所も無ければおかしな所も無い至って普通の民家で何が起こると言うのか、想像も出来なくてクダリは案内された客室の襖を開けた。
「おい、ちゃんと案内したか?」
翌日販売するお弁当の下拵えをしていた老人は階段から下りてきたサクラに声をかける。
「うん、したよ。
お風呂もトイレの場所も教えた。屋上には上がらないよう言ったし・・・」
言いかけた所で上の階からクダリの悲鳴が聴こえた。
「おい」と何か言いたげな老人の視線にサクラは思わず視線を逸らす。
「姐さんの事、忘れてました」
その言葉に溜め息をついた老人は手を洗い、濡れた手をタオルで拭いて、側に置いていた空のモンスターボールをサクラへ投げた。
ボールを受け取ったサクラは「ちょっと行ってくる」と残して再び階段を駆け上がる。
二階、三階と階段を上がると襖が開いたままの客間から悲鳴やら悲鳴、兎に角悲鳴が聴こえた。
少しずつ近付けば客間まで後少しという所で肩にいたゾロアークが『俺は無理』と逃げ出す。
「ゾロアークの臆病者」
と彼の情けない姿に呆れて嫌味を言ってみるのだが彼は首を振るだけでそこから一歩も動こうとしない。
それどころか『別に臆病者って呼ばれてもいい』と迄言い出す始末。
「そんなに姐さんが駄目?」
確かに"姐さん"はこの家のヒエラルキーでおじいちゃんに続く第二位の位置にいるが、サクラからすれば頼りになる良い"姐さん"なのだ。
そんな彼女を恐がる何て、ゾロアークと長い付き合いであるサクラでもその事には理解が出来なかった。
『お前は良いんだよ。女だからな』
『だけど俺は・・・』と、その後を黙りこんだゾロアークにサクラは「そこにいて」と頼むと悲鳴の途切れない客間に入る。
「うわぁ・・・」
そんな言葉した出なかった。
用意した布団が乱れに乱れ、折角アイロンしたシーツも滅茶苦茶に
乱れたシーツの上で重なり合う男女・・・この場合は男と雌とでも言った方が良いのだろうか。
いや、そんな事はどうでも良いとサクラは今までの思考は全て捨ててしまおうと思った。
ついでに今、目の前の光景も全て記憶から消去してしまおうと思う。
よし、じゃあ、1、2、のポカンでいこう。
「1、2、の「サクラちゃん、見てないで助けて!」」
『あら、坊や。人に見られたからってそんなに恥ずかしがらなくても良いのよ』
「サクラちゃん、本当にお願い助けて!!」
悲鳴を聴いた時点で姐さんが何かしたんだろうなとサクラには予想がついていた。
見た目は普通のルージュラだが性格はガツガツとした女性の様で、彼女の特性は【どんかん】とメロメロ状態にならない筈なのに人でもポケモンでもイケメンを見付ければ即メロメロの即アタック。(そんな彼女のお陰で家には訪問販売やセールスの人が来なくなった)
クダリも何時も笑っているのを除けば整った顔をしているので注意しなくちゃいけないな、とサクラは思っていたのだが、失念。
うっかり注意を忘れ今、彼は姐さんこと、ルージュラに"のしかかり"で体を押さえ付けられ"あくまのキッス"で迫られていた。
というか、待て姐さん。
"あくまのキッス"で眠らせてその後、彼をどうするつもりなんだ。
兎に角、興奮気味の姐さんを正気に戻さなくてはいけないし、クダリさんは必死に叫んでいるし
「ああ、もう!
二人共、近所迷惑だから!」
ご近所さんなんていないけど、夜中に騒ぐのは非常識だし他の子達が起きてしまうかもしれない。
サクラは「姐さんごめん!」と後で怒られる覚悟でクダリに迫る彼女にボールを投げる。
彼女を吸い込んだボールは始め、激しくガタガタと揺れていたが暫くすると大人しくなった。
サクラはボールを小さくしてポケットにしまうと、体を起こしたまま放心状態のクダリに声をかける。
「クダリさん、クダリさん」
「サクラ、ちゃん?」
「はい、サクラです。
大丈夫ですか?」
軽く肩を叩くと彼の目からぽろぽろと涙が溢れる。
「サクラちゃん、
恐かったよー!!」
がばり、と勢いよく抱きつかれ、泣き付かれた。
わーんわん、と小さな子供みたいに抱きつき泣きわめかれて、もう「恐かったんだね」なんて小さい子をあやかすみたいに彼の大きな背中を撫でるしかなくて
「もう大丈夫だから」
と彼に言った。
心の中では今日、一日のハードな出来事に
「もう私は疲れたよ」
と呟いていた。
そこで一息付いたサクラはクダリにタオルとパジャマを渡し、
「私達は貴方を善意で泊めています。
何が起きても私達は責任をとりませんから」
笑った。
にこりと月の光に照された彼女の笑みは憐れみの色を含んでいる。
サクラの肩に乗ったゾロアークも『そうだぞ』と同調するように一鳴き。
「それじゃあ私はまだ仕事があるので」
と彼女はゾロアークと共に一階へと下りていく。
「何が起きるって、」
クダリはぐるりと辺りを見渡すのだが建っている場所以外は普通の民家だ。
変な所も無ければおかしな所も無い至って普通の民家で何が起こると言うのか、想像も出来なくてクダリは案内された客室の襖を開けた。
「おい、ちゃんと案内したか?」
翌日販売するお弁当の下拵えをしていた老人は階段から下りてきたサクラに声をかける。
「うん、したよ。
お風呂もトイレの場所も教えた。屋上には上がらないよう言ったし・・・」
言いかけた所で上の階からクダリの悲鳴が聴こえた。
「おい」と何か言いたげな老人の視線にサクラは思わず視線を逸らす。
「姐さんの事、忘れてました」
その言葉に溜め息をついた老人は手を洗い、濡れた手をタオルで拭いて、側に置いていた空のモンスターボールをサクラへ投げた。
ボールを受け取ったサクラは「ちょっと行ってくる」と残して再び階段を駆け上がる。
二階、三階と階段を上がると襖が開いたままの客間から悲鳴やら悲鳴、兎に角悲鳴が聴こえた。
少しずつ近付けば客間まで後少しという所で肩にいたゾロアークが『俺は無理』と逃げ出す。
「ゾロアークの臆病者」
と彼の情けない姿に呆れて嫌味を言ってみるのだが彼は首を振るだけでそこから一歩も動こうとしない。
それどころか『別に臆病者って呼ばれてもいい』と迄言い出す始末。
「そんなに姐さんが駄目?」
確かに"姐さん"はこの家のヒエラルキーでおじいちゃんに続く第二位の位置にいるが、サクラからすれば頼りになる良い"姐さん"なのだ。
そんな彼女を恐がる何て、ゾロアークと長い付き合いであるサクラでもその事には理解が出来なかった。
『お前は良いんだよ。女だからな』
『だけど俺は・・・』と、その後を黙りこんだゾロアークにサクラは「そこにいて」と頼むと悲鳴の途切れない客間に入る。
「うわぁ・・・」
そんな言葉した出なかった。
用意した布団が乱れに乱れ、折角アイロンしたシーツも滅茶苦茶に
乱れたシーツの上で重なり合う男女・・・この場合は男と雌とでも言った方が良いのだろうか。
いや、そんな事はどうでも良いとサクラは今までの思考は全て捨ててしまおうと思った。
ついでに今、目の前の光景も全て記憶から消去してしまおうと思う。
よし、じゃあ、1、2、のポカンでいこう。
「1、2、の「サクラちゃん、見てないで助けて!」」
『あら、坊や。人に見られたからってそんなに恥ずかしがらなくても良いのよ』
「サクラちゃん、本当にお願い助けて!!」
悲鳴を聴いた時点で姐さんが何かしたんだろうなとサクラには予想がついていた。
見た目は普通のルージュラだが性格はガツガツとした女性の様で、彼女の特性は【どんかん】とメロメロ状態にならない筈なのに人でもポケモンでもイケメンを見付ければ即メロメロの即アタック。(そんな彼女のお陰で家には訪問販売やセールスの人が来なくなった)
クダリも何時も笑っているのを除けば整った顔をしているので注意しなくちゃいけないな、とサクラは思っていたのだが、失念。
うっかり注意を忘れ今、彼は姐さんこと、ルージュラに"のしかかり"で体を押さえ付けられ"あくまのキッス"で迫られていた。
というか、待て姐さん。
"あくまのキッス"で眠らせてその後、彼をどうするつもりなんだ。
兎に角、興奮気味の姐さんを正気に戻さなくてはいけないし、クダリさんは必死に叫んでいるし
「ああ、もう!
二人共、近所迷惑だから!」
ご近所さんなんていないけど、夜中に騒ぐのは非常識だし他の子達が起きてしまうかもしれない。
サクラは「姐さんごめん!」と後で怒られる覚悟でクダリに迫る彼女にボールを投げる。
彼女を吸い込んだボールは始め、激しくガタガタと揺れていたが暫くすると大人しくなった。
サクラはボールを小さくしてポケットにしまうと、体を起こしたまま放心状態のクダリに声をかける。
「クダリさん、クダリさん」
「サクラ、ちゃん?」
「はい、サクラです。
大丈夫ですか?」
軽く肩を叩くと彼の目からぽろぽろと涙が溢れる。
「サクラちゃん、
恐かったよー!!」
がばり、と勢いよく抱きつかれ、泣き付かれた。
わーんわん、と小さな子供みたいに抱きつき泣きわめかれて、もう「恐かったんだね」なんて小さい子をあやかすみたいに彼の大きな背中を撫でるしかなくて
「もう大丈夫だから」
と彼に言った。
心の中では今日、一日のハードな出来事に
「もう私は疲れたよ」
と呟いていた。