Lacking broken(▲▽/オリキャラ注意)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「私は産まれた時から死んでいたの。
私という個体は存在しない。
私は産まれた瞬間からお母さんの代用品になる事が決まってた」
酷いよね、と漏らした サクラの手にアブソルは己の頭を擦り付ける。
「でも初めは知らなかったからお婆ちゃんがどんな事を言っても信じて受けいれたよ。
だって私にとってはお婆ちゃんが私のお母さん何だもん。
死人なんて知らない」
しかし知ってしまった。
何故自分の母親だけが周りの母親に比べて老けているのか。
何故時たま、火が着いたかの様に己を叩くのか。
事実を知るきっかけになったのは屋根裏部屋で見付けた古い日記帳。
自分と同じ名前の少女が付けたのであろう、少しずつ歪んでいく日常を日々書き連ねた日記。
「何してるんだい」
日記を読むのに夢中で背後にいた母親の気配に気付かなかった。
「あ、えっとね」
咄嗟に日記帳を隠した私の判断は今考えれば賞賛されるものだろう。
だけどこの後の言葉は落第点。
「私には別にお母さんがいるの?」
お母さんが、違う。
お婆ちゃんが何か叫んで右手を振り上げる。
瞬間、さっきまで読んでいた日記の内容が頭を過ぎった。
〝お母さんが私を叩く〟
〝お腹だけは叩かないで〟
〝痛い痛い痛い痛い痛い痛い〟
「痛いよ、お母さん!」
怒り狂う彼女の攻撃から身を守ろうと身を縮こまらせていたサクラは声を上げた。
途端、止まる攻撃に安心するも束の間。
「私をお母さん何て呼ばないで頂戴!」
「え、」
「悪魔の子はやっぱり悪魔ね!
あんたのその髪!その目!
あの子を誑かして殺したあの白い悪魔にそっくりだよ」
悪魔とは誰の事を言っているのだろうか。
サクラには皆目、見当もつかない。
「あんた達親子は揃って人殺しだよ!!
この悪魔!人殺し!
ヒトゴロシ!!!!」
今迄の日常が壊れ崩れる音がした。
気でも狂ったのか己を酸欠に追い込む迄恨み言を吐き続けた彼女は一旦、市民病院に搬送されるもすぐに精神科医のいる大きな病院に移される。
父親元い祖父は『もう疲れた』という書き置きだけを残して姿を消した。
「ねえ、アブソル。
私が今から何処に行こうとしてるのか分かる?」
突然の問いにアブソルは顔を上げ「分からない」という表情で返す。
「今から本当のパパに会いに行くの
急に会いに来たら吃驚するかな?
するよね?
だって私、見た目はママにそっくり何だもん。
きっと吃驚して倒れちゃうかもね」
凄く楽しみ!と笑ったサクラの声は宵闇に溶けた。