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私は産まれた時から死んでいたのです。
「先生、昔話を聞いてくれますか?」
今迄沈黙を貫いていた少女の声に先生は少し驚きながら顔を上げる。
先生はずれた眼鏡を直し、少女に話を続けるよう促すと少女は優しく微笑み話を続けた。
「昔々、とても仲が良い二人の子供がいました」
とても仲良しの二人は家族というわけではなく家がお隣同士の所謂幼馴染という関係。
町に同じ年頃の子供が少なかったわけではなく、ただ馬が合ったのか何時も一緒に遊ぶ二人を双方の親は微笑ましく見ていました。
「あら、今日も可愛い彼女と一緒なのね」
「カッコ良い彼氏じゃないか」
町の人達も双方の親と同じく二人の仲の良さを茶化しながらも微笑ましく思っていました。
それが良かったのか悪かったのか今更言っても仕方ありません。
ですが、二人は子供ながらに本気でした。
子供だったから本気になれたのかもしれません。
「僕は彼女を生涯妻とし、
幸せや喜びを共に分かち合い
悲しみや苦しみは共に乗り越え」
「私は彼を生涯夫とし、
幸せや喜びを共に分かち合い
悲しみや苦しみは共に乗り越え」
二人と彼の兄しか知らない秘密の場所で交わされた永遠の誓い。
白詰草の冠に指輪、家から持ち出した白いカーテンのベール。
今はどれも本物でないけれどいつか本物を贈る事を、身に付ける事を約束した。
「「永遠に愛することを誓います」」
「それは君の昔話なのかい?」
話に区切りをつけ一息付いた少女に先生は尋ねた。
すると少女は一度きょとんとしてから表情を歪める。
「まさか」
そう短く答えた少女の表情は未だ十代の子供とは思えない皮肉めいたものだった。
「私にもそんな素敵な青春時代があれば良かったんですけどねー」
椅子の背凭れに凭れ足をぶらつかせる少女。
そういう仕草はまだまだ子供ながら年寄り臭い少女の発言に「青春は今これからだろ」と心の内で思いながらも先生は苦笑いを浮かべる。
「じゃあ、今の君には同年代のカッコ良い彼氏はいないんだね」
「カッコ良いどころか同年代の男子って子供っぽいから嫌い」
何か同年代の男子に嫌な思いでもしたのか頬を膨らませそっぽを向く少女。
「私は同年代より・・・」
そこ迄言って少女はちらりと先生を見た。
目を細め、赤い唇は弧を描き、
頬をほんのり色染める。
何だその目は、そう聞きたくなる扇情的な少女の様に彼は思わず唾を飲み込む。
「先生の方が好み、
と思ったけど違うみたい」
頭をトンカチで殴られた気分だった。
「私、もっとストイックな人が好きなの」
先程と変わらぬ筈の少女の笑顔。
その笑顔を見て自分は今、この少女に遊ばれたのだと理解する。
まさか十代の少女に遊ばれるとは、と先生は痛み出した頭を押さえた。
「大丈夫ですか?先生」
少女は自身の身を心配してくれている筈なのに彼には己を嘲笑う少女の声が聴こえる。
「大丈夫だ。気にしないで話を続けてくれ」
此方へと伸ばされる少女の柔らかな手が自身に触れる前に彼は静止を求め大人しく帰ってもらった。
大人しく着席し直す少女はつまらなさそうに溜息を零す。
「どこ迄話ましたっけ?」
深刻に話し出した話はもうどうでも良くなったのかやる気のない少女の発言に今度は先生が溜息をつき、少女が話した所迄を少女に話した。
「ああ、そうでした」
そうだったと言って少女は肘掛に肘を置くとその手に顔を乗せる。
「永遠の愛を誓いあった二人はその後どうなったと思いますか?
その後、結婚してめでたしめでたし?
人生そんなに甘くはないんですよね」
二人だけで永遠の愛を誓った二人はすくすくと成長しました。
もう二人が手を繋いでいても茶化す大人はいません。
けど、まだ微笑ましく二人を見ていました。
本人達はそう思っていなくても大人から見たら二人はまだまだ子供だったのです。
まだ、大丈夫。
二人はまだ子供だから
まだまだ
まだまだ
大人達の〝まだ〟がこの後の悲劇を産んだのかもしれません。
婚姻を結んだ男女がその後何をするのか授業で習った二人はその日の内に実践しました。
既に婚姻の儀を結んだ二人にはその行為が今の自分達に早過ぎる事だとは毛頭にも思っていなかったのです。
初めは痛いだけの行為もハマってしまえば抜けられず、何より抱き合う二人の距離が近くて幸せだった。
「何だが生々しくなってきたね」
出だしが微笑ましい話だっただけに生々しさは倍増である。
しかもこんな話を性教育を受けているのか分からない少女が話すのだから尚更。
「話に茶々入れないで下さい」
「すみません」
話を遮られ叱る少女に謝る先生。
これでは何方が大人か分からない。
『性交渉の際は必ずコンドームを付けましょう』
確かに授業を行った先生は開封前のコンドーム片手にそんな事を言っていた。
コンドームは性感染症の予防、避妊目的のものらしい
「けど僕達は初めて同士だから病気の心配はないし」
「子供は早く欲しいもの」
「だからって生でズコバコしちゃ駄目ですよね」
ね?先生と突然話を振られて彼は飲んでいた珈琲を思わず噴きだす。
「やだ、先生汚い」
咄嗟の反応で噴き出された珈琲を見事に避けた少女は噎せている彼に冷たい言葉を浴びせた。
「君が変な擬音を使うからだろう!」
「え、変な擬音って〝ズコバコ〟ですか?」
「それは言わなくて良い!!」
もう止めてくれと言う先生に少女は純真な顔をして頭を傾げる。
「でも他にどう言えば良いのか・
・・
あ!生ハ「もう止めて」」
もがっと自身の口を塞ぐ先生の手に少女は言葉を最後迄発する事が叶わなかった。
「お願いだから先生の女の子に対する幻想をぶち壊さないで」
少女と初めて対面した時のときめきはもう、ない。
「つまり黙れと」
「黙らなくて良いけど下ネタは止めて下さい」
先生は懇願した。
このままでは彼の中で世の中の少女が皆、目の前の少女の様に平気な顔をして下ネタを話すおっさんに見えかねないからだ。
少女は始めこそ難色示したが自分より遥かに年上の先生に土下座迄されてしまっては彼の言葉を聞かずにはいられない。
「仕方ありません。
下の話はできる限り自重しましょう」
「ありがとうございます!」
譲歩をする子供と土下座をする大人。
そのおかしな光景を偶々書類を届けに来たナースに見られていた何て先生は知る由もないだろう。
「ゴムは大切ですよね。
性感染症の心配が無くても、いくら子供が欲しくても
だってゴムを付けなかったから」
椅子が軋んだ。
椅子に深く座り込んだ少女は右手を胸に当て笑う。
その笑顔は窓から射し込む西日に照らされて今に泣きそうな表情に見えた。
「先生、昔話を聞いてくれますか?」
今迄沈黙を貫いていた少女の声に先生は少し驚きながら顔を上げる。
先生はずれた眼鏡を直し、少女に話を続けるよう促すと少女は優しく微笑み話を続けた。
「昔々、とても仲が良い二人の子供がいました」
とても仲良しの二人は家族というわけではなく家がお隣同士の所謂幼馴染という関係。
町に同じ年頃の子供が少なかったわけではなく、ただ馬が合ったのか何時も一緒に遊ぶ二人を双方の親は微笑ましく見ていました。
「あら、今日も可愛い彼女と一緒なのね」
「カッコ良い彼氏じゃないか」
町の人達も双方の親と同じく二人の仲の良さを茶化しながらも微笑ましく思っていました。
それが良かったのか悪かったのか今更言っても仕方ありません。
ですが、二人は子供ながらに本気でした。
子供だったから本気になれたのかもしれません。
「僕は彼女を生涯妻とし、
幸せや喜びを共に分かち合い
悲しみや苦しみは共に乗り越え」
「私は彼を生涯夫とし、
幸せや喜びを共に分かち合い
悲しみや苦しみは共に乗り越え」
二人と彼の兄しか知らない秘密の場所で交わされた永遠の誓い。
白詰草の冠に指輪、家から持ち出した白いカーテンのベール。
今はどれも本物でないけれどいつか本物を贈る事を、身に付ける事を約束した。
「「永遠に愛することを誓います」」
「それは君の昔話なのかい?」
話に区切りをつけ一息付いた少女に先生は尋ねた。
すると少女は一度きょとんとしてから表情を歪める。
「まさか」
そう短く答えた少女の表情は未だ十代の子供とは思えない皮肉めいたものだった。
「私にもそんな素敵な青春時代があれば良かったんですけどねー」
椅子の背凭れに凭れ足をぶらつかせる少女。
そういう仕草はまだまだ子供ながら年寄り臭い少女の発言に「青春は今これからだろ」と心の内で思いながらも先生は苦笑いを浮かべる。
「じゃあ、今の君には同年代のカッコ良い彼氏はいないんだね」
「カッコ良いどころか同年代の男子って子供っぽいから嫌い」
何か同年代の男子に嫌な思いでもしたのか頬を膨らませそっぽを向く少女。
「私は同年代より・・・」
そこ迄言って少女はちらりと先生を見た。
目を細め、赤い唇は弧を描き、
頬をほんのり色染める。
何だその目は、そう聞きたくなる扇情的な少女の様に彼は思わず唾を飲み込む。
「先生の方が好み、
と思ったけど違うみたい」
頭をトンカチで殴られた気分だった。
「私、もっとストイックな人が好きなの」
先程と変わらぬ筈の少女の笑顔。
その笑顔を見て自分は今、この少女に遊ばれたのだと理解する。
まさか十代の少女に遊ばれるとは、と先生は痛み出した頭を押さえた。
「大丈夫ですか?先生」
少女は自身の身を心配してくれている筈なのに彼には己を嘲笑う少女の声が聴こえる。
「大丈夫だ。気にしないで話を続けてくれ」
此方へと伸ばされる少女の柔らかな手が自身に触れる前に彼は静止を求め大人しく帰ってもらった。
大人しく着席し直す少女はつまらなさそうに溜息を零す。
「どこ迄話ましたっけ?」
深刻に話し出した話はもうどうでも良くなったのかやる気のない少女の発言に今度は先生が溜息をつき、少女が話した所迄を少女に話した。
「ああ、そうでした」
そうだったと言って少女は肘掛に肘を置くとその手に顔を乗せる。
「永遠の愛を誓いあった二人はその後どうなったと思いますか?
その後、結婚してめでたしめでたし?
人生そんなに甘くはないんですよね」
二人だけで永遠の愛を誓った二人はすくすくと成長しました。
もう二人が手を繋いでいても茶化す大人はいません。
けど、まだ微笑ましく二人を見ていました。
本人達はそう思っていなくても大人から見たら二人はまだまだ子供だったのです。
まだ、大丈夫。
二人はまだ子供だから
まだまだ
まだまだ
大人達の〝まだ〟がこの後の悲劇を産んだのかもしれません。
婚姻を結んだ男女がその後何をするのか授業で習った二人はその日の内に実践しました。
既に婚姻の儀を結んだ二人にはその行為が今の自分達に早過ぎる事だとは毛頭にも思っていなかったのです。
初めは痛いだけの行為もハマってしまえば抜けられず、何より抱き合う二人の距離が近くて幸せだった。
「何だが生々しくなってきたね」
出だしが微笑ましい話だっただけに生々しさは倍増である。
しかもこんな話を性教育を受けているのか分からない少女が話すのだから尚更。
「話に茶々入れないで下さい」
「すみません」
話を遮られ叱る少女に謝る先生。
これでは何方が大人か分からない。
『性交渉の際は必ずコンドームを付けましょう』
確かに授業を行った先生は開封前のコンドーム片手にそんな事を言っていた。
コンドームは性感染症の予防、避妊目的のものらしい
「けど僕達は初めて同士だから病気の心配はないし」
「子供は早く欲しいもの」
「だからって生でズコバコしちゃ駄目ですよね」
ね?先生と突然話を振られて彼は飲んでいた珈琲を思わず噴きだす。
「やだ、先生汚い」
咄嗟の反応で噴き出された珈琲を見事に避けた少女は噎せている彼に冷たい言葉を浴びせた。
「君が変な擬音を使うからだろう!」
「え、変な擬音って〝ズコバコ〟ですか?」
「それは言わなくて良い!!」
もう止めてくれと言う先生に少女は純真な顔をして頭を傾げる。
「でも他にどう言えば良いのか・
・・
あ!生ハ「もう止めて」」
もがっと自身の口を塞ぐ先生の手に少女は言葉を最後迄発する事が叶わなかった。
「お願いだから先生の女の子に対する幻想をぶち壊さないで」
少女と初めて対面した時のときめきはもう、ない。
「つまり黙れと」
「黙らなくて良いけど下ネタは止めて下さい」
先生は懇願した。
このままでは彼の中で世の中の少女が皆、目の前の少女の様に平気な顔をして下ネタを話すおっさんに見えかねないからだ。
少女は始めこそ難色示したが自分より遥かに年上の先生に土下座迄されてしまっては彼の言葉を聞かずにはいられない。
「仕方ありません。
下の話はできる限り自重しましょう」
「ありがとうございます!」
譲歩をする子供と土下座をする大人。
そのおかしな光景を偶々書類を届けに来たナースに見られていた何て先生は知る由もないだろう。
「ゴムは大切ですよね。
性感染症の心配が無くても、いくら子供が欲しくても
だってゴムを付けなかったから」
椅子が軋んだ。
椅子に深く座り込んだ少女は右手を胸に当て笑う。
その笑顔は窓から射し込む西日に照らされて今に泣きそうな表情に見えた。