逃亡劇→終着(ユウキ+▲▽/絡み無)
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「ごめんなさいごめんなさい
ごめんなさい!」
出された珈琲にも手をつけずサクラはひたすら床の上で頭を下げていた。
「顔をお上げ下さいましサクラ様!」
このやり取りは先程からずっと続いている。
サクラの土下座ショーに何事かと珍しいもの見たさの駅員が集まるだけで状況は少しも変わりはしない。
「ごめんなさい、本当にすみませんでした」
と謝るサクラ
「貴女様の話を聞いて訳はしっかりと分かりました。ですので頭をお上げて下さいまし」
とそんな彼女の土下座を止めさせようとするノボリ。
そしてギャラリーの駅員に混ざり二人のやり取りを眺めるだけのクダリ。
何故この様な状況になったかと言うとそれは少し時間が遡る。
人目を憚らないクダリの肩に担がれ、サクラが運ばれたのは【関係者以外立入禁止】と書かれた扉の向こうで事務机を前に下ろされたサクラは顔がそっくりなノボリとクダリに挟まれ事情聴取を受けた。
先ずは自分が何気無くしていたポケモンのトリミングに並ぶ人達でホームの入り口を塞いでいた事をクダリの口から知らされてサクラは顔を青ざめさせる。
その時点でサクラは二人に何度も頭を下げていた。
ごめんなさい
すみません
と他地方では謝罪の最上級とも言われているとか何とかの土下座で二人は必死に謝られる。
その内、額が擦りむけてしまうのではと思える程何度も頭を下げるサクラにノボリが何故ホームでポケモンのトリミングを行う事になったのか尋ねたのがちょっと前。
ノボリの問いに老婆やチラーミィを連れた女の子の話などを包み隠さず話した。
結果、無罪放免。
サクラに非はないと認められたのだが
その後は謝るサクラと宥めるノボリに、傍観者クダリの図が今の今まで続いていた。
「ご迷惑をかけて本当にすみません!!」
「サクラ様、私共は本当にもう気にしておりませんので」
やはり謝るサクラを宥めるノボリ。
何度も続くこのやり取りに流石のノボリも疲れて来たのか、今まで傍観の位置から動かずにいたクダリに彼は助けを求める。
「助けて下さいまし」
と今にも彼の声が聴こえて来そうな程念の篭った瞳に、クダリは重い腰を上げた。
「これ、全部櫛と鋏?」
頭を下げたサクラに聞こえるよう大きな声で尋ねたクダリの手には持ち物検査で鞄から出された分厚いポーチで、ファスナーを開けた中には種類の違う沢山の櫛と鋏が入っている。
「そう言えば、さっきも沢山櫛持ってたよね。
どうして?」
「あ、櫛は櫛でも物によって鋤ける具合が違いますし、鋏も刃の形で切れ味が違いますから使ってる内にだんだんと増えまして」
「成る程。だからこんなにも櫛と鋏が、
サクラ様は美容師の仕事をなされているのですか」
「あ、いえ、美容師じゃなくて・・・」
そこでサクラの言葉が止まった。
一体、どうしたのか。
二人が彼女の様子を眺めていれば彼女の瞳からぽろりと涙が溢れる。
その突然の涙に驚くノボリとクダリ。
彼等二人の後ろでは事の始まりも知らず集まっていた駅員達は、彼女が泣き出したのはノボリとクダリが原因だと勘違いしている。
「大丈夫?ごめんね。ノボリが変な事言ったりするから」
「私は何も・・・!」
「でもサクラちゃん、ノボリが話した後泣いた」
「確かにそうですが」
泣かす様な事を聞いた覚えはノボリになかった。
クダリの言葉もあって駅員達の非難の眼差しがノボリに向けられるなか、一頻り泣いたサクラが口元にハンカチを当て顔を上げた。
「すみません。突然泣き出して、ちょっと色々思い出してしまって」
「色々って、何かあったの」
「クダリ、」
サクラの言った"色々"に興味を抱いたクダリは体を乗り出すのだが、そんな彼をノボリが止める。
「人の・・・ましてや女性の事情を聞き出そうとするのは如何なものかと」
「えー・・・
でも」
とクダリがちらりと自分の方を見てサクラは苦笑いを浮かべた。
「あの、私は大丈夫ですよ。
人に聞いて貰えたら少しは自分の中でも整理がつけれると思いますし」
と、ここまで言うと彼女は俯き「でも」と続ける。
「あまり沢山の方に話す様な話ではないので
恥ずかしいなぁって」
顔を上げたサクラの視線の先にはノボリとクダリの後ろで話を今か今かと待つ駅員達。
それに気付いたノボリは駅員達に解散を申し付けるのだが中々解散しない。
これでは何時まで立っても話が出来ないとクダリはサクラの腕を掴み引っ張り上げる。
「クダリ!何処に行くのです?!」
サクラの腕を引っ張りながら今に部屋を飛び出さんとするクダリにノボリは声を上げた。
「ノボリも来て!誰にも邪魔されない所に行くから」
ごめんなさい!」
出された珈琲にも手をつけずサクラはひたすら床の上で頭を下げていた。
「顔をお上げ下さいましサクラ様!」
このやり取りは先程からずっと続いている。
サクラの土下座ショーに何事かと珍しいもの見たさの駅員が集まるだけで状況は少しも変わりはしない。
「ごめんなさい、本当にすみませんでした」
と謝るサクラ
「貴女様の話を聞いて訳はしっかりと分かりました。ですので頭をお上げて下さいまし」
とそんな彼女の土下座を止めさせようとするノボリ。
そしてギャラリーの駅員に混ざり二人のやり取りを眺めるだけのクダリ。
何故この様な状況になったかと言うとそれは少し時間が遡る。
人目を憚らないクダリの肩に担がれ、サクラが運ばれたのは【関係者以外立入禁止】と書かれた扉の向こうで事務机を前に下ろされたサクラは顔がそっくりなノボリとクダリに挟まれ事情聴取を受けた。
先ずは自分が何気無くしていたポケモンのトリミングに並ぶ人達でホームの入り口を塞いでいた事をクダリの口から知らされてサクラは顔を青ざめさせる。
その時点でサクラは二人に何度も頭を下げていた。
ごめんなさい
すみません
と他地方では謝罪の最上級とも言われているとか何とかの土下座で二人は必死に謝られる。
その内、額が擦りむけてしまうのではと思える程何度も頭を下げるサクラにノボリが何故ホームでポケモンのトリミングを行う事になったのか尋ねたのがちょっと前。
ノボリの問いに老婆やチラーミィを連れた女の子の話などを包み隠さず話した。
結果、無罪放免。
サクラに非はないと認められたのだが
その後は謝るサクラと宥めるノボリに、傍観者クダリの図が今の今まで続いていた。
「ご迷惑をかけて本当にすみません!!」
「サクラ様、私共は本当にもう気にしておりませんので」
やはり謝るサクラを宥めるノボリ。
何度も続くこのやり取りに流石のノボリも疲れて来たのか、今まで傍観の位置から動かずにいたクダリに彼は助けを求める。
「助けて下さいまし」
と今にも彼の声が聴こえて来そうな程念の篭った瞳に、クダリは重い腰を上げた。
「これ、全部櫛と鋏?」
頭を下げたサクラに聞こえるよう大きな声で尋ねたクダリの手には持ち物検査で鞄から出された分厚いポーチで、ファスナーを開けた中には種類の違う沢山の櫛と鋏が入っている。
「そう言えば、さっきも沢山櫛持ってたよね。
どうして?」
「あ、櫛は櫛でも物によって鋤ける具合が違いますし、鋏も刃の形で切れ味が違いますから使ってる内にだんだんと増えまして」
「成る程。だからこんなにも櫛と鋏が、
サクラ様は美容師の仕事をなされているのですか」
「あ、いえ、美容師じゃなくて・・・」
そこでサクラの言葉が止まった。
一体、どうしたのか。
二人が彼女の様子を眺めていれば彼女の瞳からぽろりと涙が溢れる。
その突然の涙に驚くノボリとクダリ。
彼等二人の後ろでは事の始まりも知らず集まっていた駅員達は、彼女が泣き出したのはノボリとクダリが原因だと勘違いしている。
「大丈夫?ごめんね。ノボリが変な事言ったりするから」
「私は何も・・・!」
「でもサクラちゃん、ノボリが話した後泣いた」
「確かにそうですが」
泣かす様な事を聞いた覚えはノボリになかった。
クダリの言葉もあって駅員達の非難の眼差しがノボリに向けられるなか、一頻り泣いたサクラが口元にハンカチを当て顔を上げた。
「すみません。突然泣き出して、ちょっと色々思い出してしまって」
「色々って、何かあったの」
「クダリ、」
サクラの言った"色々"に興味を抱いたクダリは体を乗り出すのだが、そんな彼をノボリが止める。
「人の・・・ましてや女性の事情を聞き出そうとするのは如何なものかと」
「えー・・・
でも」
とクダリがちらりと自分の方を見てサクラは苦笑いを浮かべた。
「あの、私は大丈夫ですよ。
人に聞いて貰えたら少しは自分の中でも整理がつけれると思いますし」
と、ここまで言うと彼女は俯き「でも」と続ける。
「あまり沢山の方に話す様な話ではないので
恥ずかしいなぁって」
顔を上げたサクラの視線の先にはノボリとクダリの後ろで話を今か今かと待つ駅員達。
それに気付いたノボリは駅員達に解散を申し付けるのだが中々解散しない。
これでは何時まで立っても話が出来ないとクダリはサクラの腕を掴み引っ張り上げる。
「クダリ!何処に行くのです?!」
サクラの腕を引っ張りながら今に部屋を飛び出さんとするクダリにノボリは声を上げた。
「ノボリも来て!誰にも邪魔されない所に行くから」