逃亡劇→終着(ユウキ+▲▽/絡み無)
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「貴女、大丈夫?」
体を揺り動かして声をかけてきたのは隣のベンチに座る見知らぬ老女。
彼女の膝にはまだまだ幼いヨーテリーが一匹。
「・・・あれ、私、」
「貴女が余りに魘されていたから起こしちゃったんだけど、余計な事をしたかしら」
自分を起こした事を気にした老女は申し訳無さそうな表情をするのだが、サクラは寧ろ彼女のその行動に感謝していた。
「いえ、丁度嫌な夢を見てた所だったので助かりました」
お礼をのべ深々と頭を下げれば老女の表情は安心で和らぐ。
優しい笑みを浮かべた老女は「ちょっと待っててね」と不用心にも幼いヨーテリーをベンチの上に置いて何処かへと行ってしまった。
「私はそんな事するつもりないけど君だけを置いて何処かに行っちゃったご主人様はちょっと不用心だね」
どの地方に行っても人のポケモンを奪う輩はいるらしい。
道中で聞いた名前は何だったか、サクラは頭を傾げながらベンチで主人を待つヨーテリーのふわふわな毛を撫でた。
「確か、えっと
・・・プラザ?」
違う。何か短いと頭を動かすがヨーテリーを撫でるサクラの手は止まらない。
「ああ、プラズマ団だ」
と、しっくりする答えが出る頃にはサクラの両手には様々な櫛が、主人を待つヨーテリーはふわふわな毛並みを輝く艶々滑らかな毛並みに変えていた。
「あ、」
「あら、」
やっと戻ってきた老女は持っていたサイコソーダーの缶を落とし、鈍い音を出した缶はサクラの足音に迄転がってくる。
サクラは自分の顔色が悪くなるのを感じた。
「あ、あの、私勝手に、
ヨーテリーちゃんを」
落とした缶も拾わず固まる老女にサクラは何か言い訳じゃ無くても説明になる事をと口を開いたのだが、焦りでまともに話せず只似た様な言葉を続けるばかりで言い訳にもなっていない。
「あの、私、勝手に、
すみません!ごめんなさい!」
まともに話せずいたサクラは手に持っていた櫛をベンチに置いて自分はホームのタイルに膝を付き頭を下げた。
土下座をしていたサクラに構わずヨーテリーに近寄った老女はぐっすりと眠るヨーテリーを抱き抱え、声を漏らす。
「まあ、まあ、まあ!」
段々と大きくなる老女の声に叱られる事を覚悟していたサクラは頭を下げながら軽率な行動をした自身を恨む。
どうして人様のポケモンを弄ってしまったのだろう。
撫でるだけなら未だしもブラシングにカット迄してしまった。
老女に抱き抱えられたヨーテリーは毛並みを艶々滑らかにして元々のふわふわ感を台無しにしてしまった。
それは衝動的にした事だが冷静になってみれば自分が何れだげ大変な事をしたのか今のサクラにはよく分かる。
「本当に、
すみませんでした!」
二度目の土下座をしていればやっとサクラを見た老女はきょとんとした顔をして頭を傾げていた。
「あら、どうして貴女が謝るの?」