▲▽×主人公
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「「サクラー」」
私は今日も坊っちゃん達に呼ばれる。
「はいはい、何でございましょう」
やる気のない返事の私を自分の主人に向かって何と言う態度なのかと怒る人もいるかもしれないが、私のこの反応も仕方ない。
休日、お昼前の時間。この家事や掃除やで忙しい時に呼ばれる時は決まって
「見て!ぼくのバチュルが頭にのった!」
しょうもない事なのだから
「初めてみたいな反応をしておられますがバチュルは昨日もその前もクダリ様の頭に乗っておりましたよ?」
「そうだったけ?そうだったかなー?」
とぼけながら腕に抱き変えたバチュルと頭を傾げるクダリ様可愛い。
マジ天使っ!
「ノボリ様はどうされたんですか?」
顔がにやけるのを我慢しながらクダリの隣にいたノボリに用件を尋ねれば何故か彼は驚く。
「わたくしですか?!わたくしは・・・」
反応を見る限りノボリ様はクダリさんが私を呼んだので真似してみただけの様だ。
服の裾を掴み俯くノボリは「ごめんなさい」と小さな声で謝る。
サクラはそんな彼の頭を優しく撫でた。
すぐ側から大声で「ノボリだけずるいー!!」とクダリ様が地団駄を踏んでいるが今はノボリ様が先だ。
「私の様な賎しい身分の女に謝らないで下さい。クダリ様はもちろんノボリ様も私の主、どうぞ好きな時、気紛れに私をお呼び下さい」
「ぼくも、もっと、サクラよぶー!」
「クダリ様は必要以上に私を呼びすぎです」
しかもだいたい掃除や家事と忙しい時間を狙って呼ぶのだから質が悪い。
「えへへー」
だがしかし何時もこのエンジェルスマイルで許してしまう。
笑顔は天使でも中身は中々の策士じゃないのだろうかと思うようになったのはつい最近の事だ。
「さてと、」
サクラがどこから出したのか、幼い主人二人の前に出したのは黒茶色のボディーに鈍く光るゴツい掃除機だった。
「せっかく坊っちゃま達の部屋に来たので、ついでに掃除機をかけていきますね」
バッフロン印のバッフロン掃除機。
その強力な吸引力は業界初の技術からなるもので人気は高いが不人気でもある。
原因は使用時に出る音で、そのけたましく喧しい音は商品名であるバッフロンの雄叫びそのものなのだとか。
開発者の話ではそのバッフロンの雄叫びにも似た音から商品名が付けられたらしいが、多くの消費者からは「五月蝿い音が出るって分かってるなら音を何とかしろよ」との事。
おかげですぐにサイレントバッフロンと無音でゴミを吸う掃除機が発売され、そちらは完売御免とメーカーの在庫が無くなるまで売れているらしい。
私の主人のお母様、この屋敷の奥様もその掃除機が欲しいらしく今は生産待ちだが私はこの旧式バッフロンが好きだ。
この、『何でも俺が吸い込んでやるぜ。任せろ☆』と言わんばかりの音、イケメンぷりが大好きだ。
だけど、私のご主人二人はこのバッフロンが大嫌い。
その凄まじい吸引力で何度も私物を飲み込まれてしまっているせいかまるで彼を(バッフロン掃除機を)親の仇でも見るような目で見るのだ。
今も、私が出したバッフロンを見て明らかに警戒している。
「先程も言いましたが、坊っちゃまの部屋に掃除機をかけますので吸い込まれて困る物は机でもベッドの上にでも上げて下さい」
サクラの警告とも言える言葉に二人は慌てて動きだす。
クダリはまず腕に抱えたバチュルを、ノボリも足元にいたヒトモシをベッドに(何時もはその場に大人しく出来ない二匹も一度、掃除機に飲まれかけてからは掃除機を見るだけで大人しくなるようになった)、それに床に散らばった本や紙、クレヨンに人形。
サクラから見ればガラクタにも見える様な物を移動し終え最後に二人がベッドへ飛び込む。
「もう良いんですか?」
「大丈夫です」
「始めていいよー」
彼等二人がベッドへ避難したのを確認して、サクラはバッフロン掃除機のスイッチをいれた。
坊っちゃまと私
(掃除機が五月蝿い)
(午前の話)
私は今日も坊っちゃん達に呼ばれる。
「はいはい、何でございましょう」
やる気のない返事の私を自分の主人に向かって何と言う態度なのかと怒る人もいるかもしれないが、私のこの反応も仕方ない。
休日、お昼前の時間。この家事や掃除やで忙しい時に呼ばれる時は決まって
「見て!ぼくのバチュルが頭にのった!」
しょうもない事なのだから
「初めてみたいな反応をしておられますがバチュルは昨日もその前もクダリ様の頭に乗っておりましたよ?」
「そうだったけ?そうだったかなー?」
とぼけながら腕に抱き変えたバチュルと頭を傾げるクダリ様可愛い。
マジ天使っ!
「ノボリ様はどうされたんですか?」
顔がにやけるのを我慢しながらクダリの隣にいたノボリに用件を尋ねれば何故か彼は驚く。
「わたくしですか?!わたくしは・・・」
反応を見る限りノボリ様はクダリさんが私を呼んだので真似してみただけの様だ。
服の裾を掴み俯くノボリは「ごめんなさい」と小さな声で謝る。
サクラはそんな彼の頭を優しく撫でた。
すぐ側から大声で「ノボリだけずるいー!!」とクダリ様が地団駄を踏んでいるが今はノボリ様が先だ。
「私の様な賎しい身分の女に謝らないで下さい。クダリ様はもちろんノボリ様も私の主、どうぞ好きな時、気紛れに私をお呼び下さい」
「ぼくも、もっと、サクラよぶー!」
「クダリ様は必要以上に私を呼びすぎです」
しかもだいたい掃除や家事と忙しい時間を狙って呼ぶのだから質が悪い。
「えへへー」
だがしかし何時もこのエンジェルスマイルで許してしまう。
笑顔は天使でも中身は中々の策士じゃないのだろうかと思うようになったのはつい最近の事だ。
「さてと、」
サクラがどこから出したのか、幼い主人二人の前に出したのは黒茶色のボディーに鈍く光るゴツい掃除機だった。
「せっかく坊っちゃま達の部屋に来たので、ついでに掃除機をかけていきますね」
バッフロン印のバッフロン掃除機。
その強力な吸引力は業界初の技術からなるもので人気は高いが不人気でもある。
原因は使用時に出る音で、そのけたましく喧しい音は商品名であるバッフロンの雄叫びそのものなのだとか。
開発者の話ではそのバッフロンの雄叫びにも似た音から商品名が付けられたらしいが、多くの消費者からは「五月蝿い音が出るって分かってるなら音を何とかしろよ」との事。
おかげですぐにサイレントバッフロンと無音でゴミを吸う掃除機が発売され、そちらは完売御免とメーカーの在庫が無くなるまで売れているらしい。
私の主人のお母様、この屋敷の奥様もその掃除機が欲しいらしく今は生産待ちだが私はこの旧式バッフロンが好きだ。
この、『何でも俺が吸い込んでやるぜ。任せろ☆』と言わんばかりの音、イケメンぷりが大好きだ。
だけど、私のご主人二人はこのバッフロンが大嫌い。
その凄まじい吸引力で何度も私物を飲み込まれてしまっているせいかまるで彼を(バッフロン掃除機を)親の仇でも見るような目で見るのだ。
今も、私が出したバッフロンを見て明らかに警戒している。
「先程も言いましたが、坊っちゃまの部屋に掃除機をかけますので吸い込まれて困る物は机でもベッドの上にでも上げて下さい」
サクラの警告とも言える言葉に二人は慌てて動きだす。
クダリはまず腕に抱えたバチュルを、ノボリも足元にいたヒトモシをベッドに(何時もはその場に大人しく出来ない二匹も一度、掃除機に飲まれかけてからは掃除機を見るだけで大人しくなるようになった)、それに床に散らばった本や紙、クレヨンに人形。
サクラから見ればガラクタにも見える様な物を移動し終え最後に二人がベッドへ飛び込む。
「もう良いんですか?」
「大丈夫です」
「始めていいよー」
彼等二人がベッドへ避難したのを確認して、サクラはバッフロン掃除機のスイッチをいれた。
坊っちゃまと私
(掃除機が五月蝿い)
(午前の話)