碧碧
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お母さん、
お母さん
小さな手で私の服を引く愛しい我が子。
手から連なる腕には青く変色した注射針の跡が、それを見るだけで胸が苦しくなる。
お母さん?
大丈夫と告げ、どうしたのか尋ねれば愛しい我が子は抱き着き言った。
お母さん大好き!
その言葉に嬉しい反面、心臓が抉られたかの様に苦しくなる。
この子は私を自分の母親だと認識している。
―そうなるように暗示をかけた。
子供に施すには行き過ぎた実験にこの子は笑顔で耐える。
―泣かれても五月蝿いだけだから笑うよう言い付けた。
どんな事をしても
どんな事を言っても
この子は私を母親だと慕う。
止めて
止めて
ごめんなさい
「ごめんなさい・・・」
「さっきから何言ってんだ?
取敢ずバチカンからの命令だ。
最上位悪魔対向武器及び研究資料、聖遺物窃盗の罪でお前を連行する」
「あの子は武器なんかじゃ、
物なんかじゃない!!」
わっと声を上げた目の前の女に藤本は「なんだぁ?」と頭を傾げる。
バチカンの命令で泥棒を追い掛け、わざわざ東京から京都迄来てはみたが犯人はまだ年若い女だった。
長い黒髪で色白の綺麗な顔をした女だがどうやら精神を患っているようで対峙した少し前から何やらぶつぶつと呟いている。
「藤本さん、どうします?」
「武器は持ってねぇみたいだし相手は下二級の医工騎士だ。
数で行けばすぐだろ
捕まえろ」