悪魔と魔女
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「じゃあ、俺達を助けたら何でも言うことを訊いてやる!!」
これでどうだ、と最早やけくそだった。
まさかこれで助けてくれるだろうとは思っていない燐、だがリリスは燐の言葉に意外な反応を見せる。
「何でも?」
リリスの瞳が一瞬、輝いたかの様な気がした。
聞き返してきたリリスに燐が頷くとリリスの唇は弧を描く。
「良いわ、その話に乗った。
だけど、私だけじゃあその門を閉じられないわ」
「何っ?!」
「だから、自力で出られる様に助けてあげる」
そう言ってリリスが手にしたのは先程まで床に転がっていた降魔剣。
「それを使って自力で出なさい」
リリスは降魔剣を燐の側へ投げた。
剣が沈みきる前に何とか掴んだ燐だったがすぐには抜こうとせず剣を見つめる。
"抜けばお前は悪魔の体に戻り・・・"
"・・・早く悪魔としての本性を取り戻せ!"
「ちから・・・」
"二度と人間としては生きられないだろう"
"絶対に抜くな"
ジジィ・・・
"くやしかったら少しは俺に成長のほどを見せてみろ!"
「クソジジィ・・・!!!
俺はまだ何にも見せてねぇぞ!!」
燐は剣を強く握ると鞘から刀を抜いた。
その瞬間、身体から上がった青い炎が自分達を飲み込もうとしていた黒い何かを焼く。
動きを邪魔するモノが無くなり、燐は軽くなった身体で少しジャンプするとそのまま剣を構え降り下ろした。
「お゛ォ゛おおああ!!!」
門を斬りつけた瞬間に上がる悲鳴の様な声、と黒い煙り。
後ろからはサタンが門を出した時と同じ、何語かも分からない呪文の様な物が聞こえる。
「・・・さあ、閉じなさい虚無への門よ」
黒い煙りを払うかの様な強い風、その風が通り過ぎると世界は非現実から現実へと戻っていた。
焦げた部屋、剣を鞘に戻しても無くならない黒い尻尾。
それに、血だらけで倒れる父親。
「父さん・・・!!」
頭に過るのは獅朗との思い出ばかりで、目の前の現実に燐の目から涙が溢れる。
「燐、・・・」
伸ばされた腕、引き寄せられる身体。
抱き締めてきたリリスの肩に燐は思わず顔を埋めて泣いた。
悪魔と魔女