碧碧
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「何処行ったんやー」
と一人が声を上げて山を登り、その後ろを数人が続いた。
碧が帰ってこない。
金造に掃除を任され(押し付けられ)た碧が箒を置いて暫く、夕闇が東の山から下りてくる時間になっても彼女の姿がない。
きっと何処かで寝ているなり猫と戯れでもしているのだろうと暢気に考えていた寺の者達だが、宵闇が深まるにつれて一向に姿を見せない彼女に焦りが積もる。
一度、寺の中を捜してみよう。
何て言ったのは誰か、寺の者達による碧の捜索が始まる。
室内、軒の下、草の根を分けてまで捜すもその幼い姿は見つからなかった。
「そう言えば、」
と言ったのは寺の坊主。
彼は何やら空を見上げて走る碧の姿を見たと言った。
それは私も、僕も、俺もと今更な証言。
「わたしも見ました見ましたわ。
空を見上げ寺の外に出るあの子の姿」
あれは何かを追いかけている様でしたねと後ろから聴こえた声に皆が振り向く。
彼等の後ろには外へ出掛けている筈の蟒と三姉妹の姿。
「父様、そんな暢気な事言っとてええんですか?!」
「そうやわ!そもそも何であの子を外に出してもうたんや」
「猿は子守もようやらんみたいやな」
冷たく此方を見下す視線を送ってくる三姉妹に異論を唱えたのは金造。
「何で俺等が攻められやなあかんのや!」
「金造、」
「止めるな柔兄!
此方も言われっぱなしは嫌やから言わしてもらうけどな俺等が子守しやなあかんのやったらお前等はどうなんや」
それ、と金造が指差す先は三姉妹がそれぞれに持つ紙袋。
「俺等が子守をしやないかんようにお前等もしやなあかんだんちゃうんか!
やのにお前等は揃って買い物なんか行きよって」
「これは、父様が連れていってくれる言うから・・・!」
「金造、お前いい加減に」
「あー!やから柔兄は黙っといて言うとるやろ!」
「「「あ、」」」
言い争う彼等の後ろにい竜士達の声が重なる。
今迄金造を宥めるに徹していた柔造の表情が彼の言葉により歪んだのだ。
しかし金造本人は気付いていない。
「ええ加減にせぇ!!
黙るのはお前や!今は責任の押し付け合いをしとる場合やないやろ」
夜はすぐそこ迄近付いている。
「誰が悪い何て後でええんや!
先ずは碧ちゃんを捜すのが先やろが」
金造の言葉に皆が目を覚ます様な思いだった。
そうだ、それもそうだと各々に動き出す。
一人は懐中電灯を、
一人はもしもの事を考えて救急箱を取りに向かい、碧捜索の準備を整える。
一通り準備を整えた所で皆が寺から外へ足を一歩進めた。
「ほな、行くで!!」
寺の者達が揃い揃って寺から出てくる。
ぞろぞろと森の中へと進む彼等の前に立ちはだかる小さな黒い影。
その小さな影は何か発するわけでもなく彼等に一歩、また一歩近付く。
「・・・碧ちゃん?」
彼等の先頭に立っていた柔造は確信を得ぬまま声をかける。
するとその小さな影はびくりと、反応を見せた。
森から出てきた碧はそれまで進めていた歩みを止めて体を震わす。
碧は大きく口を開けて泣き出した。
それは久しぶりで、
碧はいつになく大きな声で泣いた。
彼女が見つかった所で森に入った事を叱ろうとしていた者もいたのだが彼女が泣いた事により見事に出鼻を挫かれてしまう。
結局、碧が行方不明になった事件は彼女が自ら出て来た事で事は付いた。
と一人が声を上げて山を登り、その後ろを数人が続いた。
碧が帰ってこない。
金造に掃除を任され(押し付けられ)た碧が箒を置いて暫く、夕闇が東の山から下りてくる時間になっても彼女の姿がない。
きっと何処かで寝ているなり猫と戯れでもしているのだろうと暢気に考えていた寺の者達だが、宵闇が深まるにつれて一向に姿を見せない彼女に焦りが積もる。
一度、寺の中を捜してみよう。
何て言ったのは誰か、寺の者達による碧の捜索が始まる。
室内、軒の下、草の根を分けてまで捜すもその幼い姿は見つからなかった。
「そう言えば、」
と言ったのは寺の坊主。
彼は何やら空を見上げて走る碧の姿を見たと言った。
それは私も、僕も、俺もと今更な証言。
「わたしも見ました見ましたわ。
空を見上げ寺の外に出るあの子の姿」
あれは何かを追いかけている様でしたねと後ろから聴こえた声に皆が振り向く。
彼等の後ろには外へ出掛けている筈の蟒と三姉妹の姿。
「父様、そんな暢気な事言っとてええんですか?!」
「そうやわ!そもそも何であの子を外に出してもうたんや」
「猿は子守もようやらんみたいやな」
冷たく此方を見下す視線を送ってくる三姉妹に異論を唱えたのは金造。
「何で俺等が攻められやなあかんのや!」
「金造、」
「止めるな柔兄!
此方も言われっぱなしは嫌やから言わしてもらうけどな俺等が子守しやなあかんのやったらお前等はどうなんや」
それ、と金造が指差す先は三姉妹がそれぞれに持つ紙袋。
「俺等が子守をしやないかんようにお前等もしやなあかんだんちゃうんか!
やのにお前等は揃って買い物なんか行きよって」
「これは、父様が連れていってくれる言うから・・・!」
「金造、お前いい加減に」
「あー!やから柔兄は黙っといて言うとるやろ!」
「「「あ、」」」
言い争う彼等の後ろにい竜士達の声が重なる。
今迄金造を宥めるに徹していた柔造の表情が彼の言葉により歪んだのだ。
しかし金造本人は気付いていない。
「ええ加減にせぇ!!
黙るのはお前や!今は責任の押し付け合いをしとる場合やないやろ」
夜はすぐそこ迄近付いている。
「誰が悪い何て後でええんや!
先ずは碧ちゃんを捜すのが先やろが」
金造の言葉に皆が目を覚ます様な思いだった。
そうだ、それもそうだと各々に動き出す。
一人は懐中電灯を、
一人はもしもの事を考えて救急箱を取りに向かい、碧捜索の準備を整える。
一通り準備を整えた所で皆が寺から外へ足を一歩進めた。
「ほな、行くで!!」
寺の者達が揃い揃って寺から出てくる。
ぞろぞろと森の中へと進む彼等の前に立ちはだかる小さな黒い影。
その小さな影は何か発するわけでもなく彼等に一歩、また一歩近付く。
「・・・碧ちゃん?」
彼等の先頭に立っていた柔造は確信を得ぬまま声をかける。
するとその小さな影はびくりと、反応を見せた。
森から出てきた碧はそれまで進めていた歩みを止めて体を震わす。
碧は大きく口を開けて泣き出した。
それは久しぶりで、
碧はいつになく大きな声で泣いた。
彼女が見つかった所で森に入った事を叱ろうとしていた者もいたのだが彼女が泣いた事により見事に出鼻を挫かれてしまう。
結局、碧が行方不明になった事件は彼女が自ら出て来た事で事は付いた。