碧碧
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「待ってよお母さん・・・!」
遠ざかる母親の背中に手を伸ばしたがもう届きはしない。
届かないのなら追い掛ければいい話なのだが彼女は碧に「ここでおとなしく」と言われた。
つまり、この場から離れるなという命令で、碧にはそれに従いきっと迎えに来てくれる事を期待するしかない。
寺の敷地であろう塀の前に旅行鞄を置いて碧はその上に腰を下ろす。
見上げた空は茜色で
森の鴉がお家に帰ろう、と声を掛け合っている。
この様子ではすぐに夜が星空を引き連れて来るだろうと碧は何となく思った。
「寒い・・・」
先程迄は何とも無かったのに一人になった途端に寒さを感じて、碧は自分自身の腕で自分を抱き締める。
「寒いなぁ」
吐く息が少しずつ白む。
遠くから夕方のサイレンが聞こえ鴉がお家へ帰っていく。
「お母さんは、」
いつ迎えに来てくれるのだろうか?
恋しい寂しい、
白雪の様に白く、だが暖かな母親の手が背中が
いつも自分を守ってくれた母親の腕の温もりが
今すぐにでも追いかけたい。
でも出来ない。
ここにいなければならないのだ。
主よ、主人よ、と碧は手を組み握り空に輝く一番星に祈りを捧げる。
願うは母親が自分を迎えに来てくれる事、だが願うと同時に母親は迎えには来てくれないだろうと思っている自分がいた。
その日は星に祈り、一日が終った。
遠ざかる母親の背中に手を伸ばしたがもう届きはしない。
届かないのなら追い掛ければいい話なのだが彼女は碧に「ここでおとなしく」と言われた。
つまり、この場から離れるなという命令で、碧にはそれに従いきっと迎えに来てくれる事を期待するしかない。
寺の敷地であろう塀の前に旅行鞄を置いて碧はその上に腰を下ろす。
見上げた空は茜色で
森の鴉がお家に帰ろう、と声を掛け合っている。
この様子ではすぐに夜が星空を引き連れて来るだろうと碧は何となく思った。
「寒い・・・」
先程迄は何とも無かったのに一人になった途端に寒さを感じて、碧は自分自身の腕で自分を抱き締める。
「寒いなぁ」
吐く息が少しずつ白む。
遠くから夕方のサイレンが聞こえ鴉がお家へ帰っていく。
「お母さんは、」
いつ迎えに来てくれるのだろうか?
恋しい寂しい、
白雪の様に白く、だが暖かな母親の手が背中が
いつも自分を守ってくれた母親の腕の温もりが
今すぐにでも追いかけたい。
でも出来ない。
ここにいなければならないのだ。
主よ、主人よ、と碧は手を組み握り空に輝く一番星に祈りを捧げる。
願うは母親が自分を迎えに来てくれる事、だが願うと同時に母親は迎えには来てくれないだろうと思っている自分がいた。
その日は星に祈り、一日が終った。