碧碧
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「このたびは皆様に多大な迷惑をかけて、もうしわけありませんでした」
出会った時の姿からは想像も出来なかった凛とした声、伸びた背筋に、真っ直ぐな瞳で碧は目の前の者達に礼を言った。
その確りとした物言いは大人かと見紛う程で、頭を下げた小さな体とのギャップが半端ない。
思わずこちらも「これはご丁寧に」なんて子供相手には使わないであろう言葉使いで返してしまった。
「碧ちゃん、その礼の言い方は誰に教えてもろたんや?」
「虎子さんに・・・!もしかして私、何処か間違っていましたか」
達磨の言葉にわたわた慌てた碧に虎子はちゃんと教えた通り出来ていたと言った。
周りもそうやと頷くが言いたい事はそれとちゃうねんと言いたくて言いたくて、だが言えない。
言った所で「どうして?」と尋ねられる気がして、虎子さんが教えたんだしと周りは敢えては聞かない方向に向いていた。
碧は礼を言ってから喋っていない、和尚や坊主・・・大人達も喋らない。
となると子供達も喋らず騒がずで重く静かな雰囲気に虎子は溜め息を溢した。
「はいはい、何なんやこの重苦しい雰囲気は?
もう時間もええ頃やしお昼にするで」
旅館で拵えておいた重箱を机の上に置き「用意が済んだら呼ぶさかい解散や」と告げた。
すると大人達はさっさとするべき事をしに立ち上がりいなくなり残された子供、その中で一番年上の柔造は辺りを見渡し一人頷く。
「時間あるし昼迄皆で遊ぼか」
柔造の提案に珍しく宝生の娘達も賛成の様で子供達は柔造の周りに集まる。
後は、と柔造の視線が一人でいる碧に向けられた。
『あの子と仲良うしたるんやで』
父親が言った言葉を思いだし柔造はうーんと唸った。
お父、仲良うしたいのはしたいけどこの子は手強いわ
仲良くするラスボスがその本人とはどういう事なのか考えていれば蝮が柔造の腹をつく。
「はよあの子を誘い」
「分かっとるわ!
やけど何や話し掛けずらい言うか・・・」
「男のくせして何怖じ気づいとんのや!情けない奴やなぁ」
「せやったらお前が誘えばええやろ!」
「何でうちが申の指図受けやないかんのや」
「「柔兄、」」
「「姉様、」」
金造と廉造、青と錦の呼び掛けに睨みあっていた二人は息ぴったりに「「なんや!!」」と振り向いた。
「声が大きいわ」
「あの子、こっち見とります」
竜士は呆れ、子猫丸はどないしましょうと首を忙しなく動かし困っていた。
自分達を大きな蒼翠の瞳が見つめる。
何も発せず責めるわけでもなくただ大きな瞳が柔造と蝮を見ていた。
ゆらりと小さな身体が動いたかと思うと、三つ指をつき浅い礼。
流れる様な一連の動作に子供達は思わず見とれ、息も止まる。
顔を上げた碧は立ち上がると虎子の名を呼び奥へ消えた。
台所の所からは二人の声が聞こえる。
『女将さん、何か手伝わせて下さい』
『ほんまに?ならそこの料理を皿に移してくれへん』
『分かりました』
「駄目や。勝てる気せぇへん」
出会った時の姿からは想像も出来なかった凛とした声、伸びた背筋に、真っ直ぐな瞳で碧は目の前の者達に礼を言った。
その確りとした物言いは大人かと見紛う程で、頭を下げた小さな体とのギャップが半端ない。
思わずこちらも「これはご丁寧に」なんて子供相手には使わないであろう言葉使いで返してしまった。
「碧ちゃん、その礼の言い方は誰に教えてもろたんや?」
「虎子さんに・・・!もしかして私、何処か間違っていましたか」
達磨の言葉にわたわた慌てた碧に虎子はちゃんと教えた通り出来ていたと言った。
周りもそうやと頷くが言いたい事はそれとちゃうねんと言いたくて言いたくて、だが言えない。
言った所で「どうして?」と尋ねられる気がして、虎子さんが教えたんだしと周りは敢えては聞かない方向に向いていた。
碧は礼を言ってから喋っていない、和尚や坊主・・・大人達も喋らない。
となると子供達も喋らず騒がずで重く静かな雰囲気に虎子は溜め息を溢した。
「はいはい、何なんやこの重苦しい雰囲気は?
もう時間もええ頃やしお昼にするで」
旅館で拵えておいた重箱を机の上に置き「用意が済んだら呼ぶさかい解散や」と告げた。
すると大人達はさっさとするべき事をしに立ち上がりいなくなり残された子供、その中で一番年上の柔造は辺りを見渡し一人頷く。
「時間あるし昼迄皆で遊ぼか」
柔造の提案に珍しく宝生の娘達も賛成の様で子供達は柔造の周りに集まる。
後は、と柔造の視線が一人でいる碧に向けられた。
『あの子と仲良うしたるんやで』
父親が言った言葉を思いだし柔造はうーんと唸った。
お父、仲良うしたいのはしたいけどこの子は手強いわ
仲良くするラスボスがその本人とはどういう事なのか考えていれば蝮が柔造の腹をつく。
「はよあの子を誘い」
「分かっとるわ!
やけど何や話し掛けずらい言うか・・・」
「男のくせして何怖じ気づいとんのや!情けない奴やなぁ」
「せやったらお前が誘えばええやろ!」
「何でうちが申の指図受けやないかんのや」
「「柔兄、」」
「「姉様、」」
金造と廉造、青と錦の呼び掛けに睨みあっていた二人は息ぴったりに「「なんや!!」」と振り向いた。
「声が大きいわ」
「あの子、こっち見とります」
竜士は呆れ、子猫丸はどないしましょうと首を忙しなく動かし困っていた。
自分達を大きな蒼翠の瞳が見つめる。
何も発せず責めるわけでもなくただ大きな瞳が柔造と蝮を見ていた。
ゆらりと小さな身体が動いたかと思うと、三つ指をつき浅い礼。
流れる様な一連の動作に子供達は思わず見とれ、息も止まる。
顔を上げた碧は立ち上がると虎子の名を呼び奥へ消えた。
台所の所からは二人の声が聞こえる。
『女将さん、何か手伝わせて下さい』
『ほんまに?ならそこの料理を皿に移してくれへん』
『分かりました』
「駄目や。勝てる気せぇへん」