碧碧
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「雨で足元がぬかるんどるから気い付けるんやで」
虎子の言葉に頷き碧は白くぼやけた山道を歩いた。
馴れていない下駄と地面の泥濘にふらつきながら歩いていれば虎子が碧の名を呼び、歩く先を指差す。
「あれが明陀宗の総本山・不動峯寺や」
「そう、ほんざん?」
何だそれはと言わんばかりに首を傾げた碧に虎子は説明する。
「簡単に言えばその宗派で一番偉い所て意味やわ」
自分で言っておきながら虎子は何か違う気もしていたが子供に説明するならこれ位で良いだろうと勝手に納得していた。
「教会のヴァチカンみたいなものですか?」
「うーんうちはそんなでかく無いんやけどそうやな」
そっか、理解出来たらしい碧の横顔を虎子は眺めていた。
一ヶ月近く一緒にいて気付いた事があった。
碧は一般常識、と迄はいかないが子供でも知っていそうな知識を知らない事が多い。
初めは碧の境遇から仕方がない事だと思っていたが、「教会」や「ヴァチカン」などある一定の種に関して大人顔負けの知識を披露する事が多々あった。
一体、それが何を意味するのか気にはなるのだが直接聞けるわけもなく、今もこうして横顔を眺めるだけ
「・・・・・・!」
碧の様子が突然おかしくなる。
顔色を明らかに悪くして虎子を盾にでもするかの様に後ろへ回ったのだ。
何事か、と虎子が視線を前に移せば誰か此方へと歩いて来る。
態々傘を上げて迄見るのは失礼だと虎子は思いそのまま歩いて擦れ違いに軽く会釈をした。
傘を差し、黒い服を着たその人は此方を見る。
いや、碧を見た。
だが声を掛けてくるわけでもなく檀家さんやったんやろか、と振り返りもう殆ど見えなくなった後ろ姿を眺める。
「ほら、着いたで」
屋根のある所に入ると傘を閉じ、着物に付いた水滴を払った。
碧はどうかと虎子が視線を落とせば着物に顔を埋めて抱き着いている。
そんな碧に思わず可愛いわと溜め息を漏らし、背中に付いた水滴を払ってあげた。
すると困惑した表情で見上げる碧。
「どないしたん?山道で疲れたん?」
「大丈夫です」
「そやったら良いんやけど」
虎子は碧の頭を軽く撫でると碧の腕を引き建物の中へと入った。
虎子の言葉に頷き碧は白くぼやけた山道を歩いた。
馴れていない下駄と地面の泥濘にふらつきながら歩いていれば虎子が碧の名を呼び、歩く先を指差す。
「あれが明陀宗の総本山・不動峯寺や」
「そう、ほんざん?」
何だそれはと言わんばかりに首を傾げた碧に虎子は説明する。
「簡単に言えばその宗派で一番偉い所て意味やわ」
自分で言っておきながら虎子は何か違う気もしていたが子供に説明するならこれ位で良いだろうと勝手に納得していた。
「教会のヴァチカンみたいなものですか?」
「うーんうちはそんなでかく無いんやけどそうやな」
そっか、理解出来たらしい碧の横顔を虎子は眺めていた。
一ヶ月近く一緒にいて気付いた事があった。
碧は一般常識、と迄はいかないが子供でも知っていそうな知識を知らない事が多い。
初めは碧の境遇から仕方がない事だと思っていたが、「教会」や「ヴァチカン」などある一定の種に関して大人顔負けの知識を披露する事が多々あった。
一体、それが何を意味するのか気にはなるのだが直接聞けるわけもなく、今もこうして横顔を眺めるだけ
「・・・・・・!」
碧の様子が突然おかしくなる。
顔色を明らかに悪くして虎子を盾にでもするかの様に後ろへ回ったのだ。
何事か、と虎子が視線を前に移せば誰か此方へと歩いて来る。
態々傘を上げて迄見るのは失礼だと虎子は思いそのまま歩いて擦れ違いに軽く会釈をした。
傘を差し、黒い服を着たその人は此方を見る。
いや、碧を見た。
だが声を掛けてくるわけでもなく檀家さんやったんやろか、と振り返りもう殆ど見えなくなった後ろ姿を眺める。
「ほら、着いたで」
屋根のある所に入ると傘を閉じ、着物に付いた水滴を払った。
碧はどうかと虎子が視線を落とせば着物に顔を埋めて抱き着いている。
そんな碧に思わず可愛いわと溜め息を漏らし、背中に付いた水滴を払ってあげた。
すると困惑した表情で見上げる碧。
「どないしたん?山道で疲れたん?」
「大丈夫です」
「そやったら良いんやけど」
虎子は碧の頭を軽く撫でると碧の腕を引き建物の中へと入った。