幻影少女
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それから、ヨミの生活は少し変わった。
相変わらず帰るのは星が出た頃だが故郷を懐かしむのを止めて、そのかわりに修行に励む様になって表情が明るくなっていた。
「ヨミは近頃、明るくなったね」
忘れたお弁当を届けにきてヨミはそんな事を言われる。
「そう、ですか」
そうだろうか、
ヨミには自分が明るくなったという感覚はない。
いつもと変わらず生活をしているつもりなのだ。
ヨミは机の上にお弁当を置いた。
お弁当は届けたし帰ろう、いや森に行こう。
そんな事を考えていたら「そうだ」何て声が聞こえる。
あまり気にも止めずにいたら突然手を掴まれて
「せっかくだから外で食べよっか」
何て言われた。
わけがわからず口を開けて固まっていれば周りの景色が霞んで見える。
ヤバイ!!
なんて思った時には既に遅く、次に目にした景色は窮屈な火影室ではなく視界いっぱいに広がる木ノ葉の里だった。
ヨミはこの景色を知っている。
つい、この間アカデミーの課外授業で見たばかりだ。
「んーっやっぱり火影岩からの景色は最高だね」
「確かに最高かもしれませんが」
何故に火影岩?何て視線を送れば答えを返してくれるわけでもなくただ笑みだけを返される。
「じゃあご飯食べよっか」
お腹空いたね、なんて言ってお弁当を地面に置いて包みを解いていた。
お弁当を見て、ヨミは自分を殴りたくなる。
お弁当を食べるのがたとえ成人男性でも明らかに量が多い。
まるで一緒に弁当を食べるのが分かっていたかの様な量にヨミは「謀られた」と思った。
「謀りましたねミナトさん」
何て言えばミナトは何の事だいと笑い、箸を差し出す。
「ミナトさんのお弁当なのに箸が二膳も入っているなんておかしいじゃないですか」
「俺は別にヨミを謀ったつもりはないよ。ただ久し振りにご飯を一緒に食べたいな、と思ってクシナに頼んでいただけ」
「じゃあ、直接言えばいいじゃないですか。わざわざ二人して黙っているなんて・・・」
「俺が普通に誘ったらヨミは誘いを受けてくれたかい?」
ミナトの言葉にヨミは言葉を詰まらした。
確かに普通に誘われたら断っていただろう。
「だからって・・・」
こんな風に騙すなんて
ミナトのやり方は正しかったのかもしれない。
だが、ヨミは納得がいかず握り拳を作るとそれを強く握る。
「こんな騙す様なやり方、酷いですよ」
はらはらと涙が零れた。
久し振りに溢す涙は故郷を亡くす以前以来流していない。
初めて涙を溢すヨミを見て、ミナトは固まっていた。
「ヨミ・・・」
口を開き発した言葉は酷く困惑している様。
ヨミはしょうもない事で泣いていると分かっていた。
だが、日々溜まっていたモノが溜まりすぎとうとう今、決壊してしまったのだ。
止まらない涙に上手く頭が働かない。
「騙すなんて、酷い、です
断られるなんて分かってても
信じて、欲しかった」
信じて欲しかったのだ。
自分の行動を熟知した上での謀りだったとしても、せめて少しは信じて欲しかった。
「ヨミ・・・」
「・・・ミナトさんなんか大嫌い!クシナさんもみんな、
みんな大嫌い!!」
もう、嫌だ。何処かに行こうなんて考えながら踵を返していれば強く手首を引かれる。
「離して下さい、ミナトさん」
鼻を啜り、零れる涙を服の袖で拭うヨミは捕まれた左腕を見て言った。
「嫌だと言ったら?」
ヨミは何も言わない。
だだ泣いて赤くなった瞳でミナトを見上げている。
ぼふん、と辺り一面に煙りが漂った。
それと同時にミナトが掴んでいたヨミの腕がなくなる。
「瞬身の術か、まだアカデミーじゃ習っていない術の筈なのにもう使えるんだ」
瞬身の術を使ったとはいえ、ヨミの持つチャクラの量ではまだそう遠くへ行っていないと考えたミナトは何処かにいるであろうヨミに聞こえる様、大きな声で喋った。
わざわざ術を使ってまで消えたのだから返事は返ってこないかと思ったが、返事は何処からか返ってくる。
「こんな術、アカデミーで習わなくても使えます!変化だって出来るし手裏剣もクナイも真ん中に当てる事が出来る。
影分身だって出来るんですから!」
ミナトは「影分身も出来るのかい?」と思わず聞き返す。
「凄いね、ヨミは
何時の間にか沢山の術が使えるん様になっていたんだね」
そこでミナトの言葉は止まった。
黙し、何か考えているかの様な素振りを見せたミナトは暫くして空へと顔を向けた。
「俺はまだヨミの事を少ししか知らない」
青い空を鳥だと思わしき黒い影が旋回している。
「もっとヨミを知りたいんだ。ヨミを知るチャンスを俺に、いや俺達にくれないか」
返事はなかったが黒い影はまだミナトの頭上を旋回している。
暫く待った。
ただ、空を見上げて立っている。
すると、頬に水滴の様なものが当たりヨミが降ってきた。
相変わらず帰るのは星が出た頃だが故郷を懐かしむのを止めて、そのかわりに修行に励む様になって表情が明るくなっていた。
「ヨミは近頃、明るくなったね」
忘れたお弁当を届けにきてヨミはそんな事を言われる。
「そう、ですか」
そうだろうか、
ヨミには自分が明るくなったという感覚はない。
いつもと変わらず生活をしているつもりなのだ。
ヨミは机の上にお弁当を置いた。
お弁当は届けたし帰ろう、いや森に行こう。
そんな事を考えていたら「そうだ」何て声が聞こえる。
あまり気にも止めずにいたら突然手を掴まれて
「せっかくだから外で食べよっか」
何て言われた。
わけがわからず口を開けて固まっていれば周りの景色が霞んで見える。
ヤバイ!!
なんて思った時には既に遅く、次に目にした景色は窮屈な火影室ではなく視界いっぱいに広がる木ノ葉の里だった。
ヨミはこの景色を知っている。
つい、この間アカデミーの課外授業で見たばかりだ。
「んーっやっぱり火影岩からの景色は最高だね」
「確かに最高かもしれませんが」
何故に火影岩?何て視線を送れば答えを返してくれるわけでもなくただ笑みだけを返される。
「じゃあご飯食べよっか」
お腹空いたね、なんて言ってお弁当を地面に置いて包みを解いていた。
お弁当を見て、ヨミは自分を殴りたくなる。
お弁当を食べるのがたとえ成人男性でも明らかに量が多い。
まるで一緒に弁当を食べるのが分かっていたかの様な量にヨミは「謀られた」と思った。
「謀りましたねミナトさん」
何て言えばミナトは何の事だいと笑い、箸を差し出す。
「ミナトさんのお弁当なのに箸が二膳も入っているなんておかしいじゃないですか」
「俺は別にヨミを謀ったつもりはないよ。ただ久し振りにご飯を一緒に食べたいな、と思ってクシナに頼んでいただけ」
「じゃあ、直接言えばいいじゃないですか。わざわざ二人して黙っているなんて・・・」
「俺が普通に誘ったらヨミは誘いを受けてくれたかい?」
ミナトの言葉にヨミは言葉を詰まらした。
確かに普通に誘われたら断っていただろう。
「だからって・・・」
こんな風に騙すなんて
ミナトのやり方は正しかったのかもしれない。
だが、ヨミは納得がいかず握り拳を作るとそれを強く握る。
「こんな騙す様なやり方、酷いですよ」
はらはらと涙が零れた。
久し振りに溢す涙は故郷を亡くす以前以来流していない。
初めて涙を溢すヨミを見て、ミナトは固まっていた。
「ヨミ・・・」
口を開き発した言葉は酷く困惑している様。
ヨミはしょうもない事で泣いていると分かっていた。
だが、日々溜まっていたモノが溜まりすぎとうとう今、決壊してしまったのだ。
止まらない涙に上手く頭が働かない。
「騙すなんて、酷い、です
断られるなんて分かってても
信じて、欲しかった」
信じて欲しかったのだ。
自分の行動を熟知した上での謀りだったとしても、せめて少しは信じて欲しかった。
「ヨミ・・・」
「・・・ミナトさんなんか大嫌い!クシナさんもみんな、
みんな大嫌い!!」
もう、嫌だ。何処かに行こうなんて考えながら踵を返していれば強く手首を引かれる。
「離して下さい、ミナトさん」
鼻を啜り、零れる涙を服の袖で拭うヨミは捕まれた左腕を見て言った。
「嫌だと言ったら?」
ヨミは何も言わない。
だだ泣いて赤くなった瞳でミナトを見上げている。
ぼふん、と辺り一面に煙りが漂った。
それと同時にミナトが掴んでいたヨミの腕がなくなる。
「瞬身の術か、まだアカデミーじゃ習っていない術の筈なのにもう使えるんだ」
瞬身の術を使ったとはいえ、ヨミの持つチャクラの量ではまだそう遠くへ行っていないと考えたミナトは何処かにいるであろうヨミに聞こえる様、大きな声で喋った。
わざわざ術を使ってまで消えたのだから返事は返ってこないかと思ったが、返事は何処からか返ってくる。
「こんな術、アカデミーで習わなくても使えます!変化だって出来るし手裏剣もクナイも真ん中に当てる事が出来る。
影分身だって出来るんですから!」
ミナトは「影分身も出来るのかい?」と思わず聞き返す。
「凄いね、ヨミは
何時の間にか沢山の術が使えるん様になっていたんだね」
そこでミナトの言葉は止まった。
黙し、何か考えているかの様な素振りを見せたミナトは暫くして空へと顔を向けた。
「俺はまだヨミの事を少ししか知らない」
青い空を鳥だと思わしき黒い影が旋回している。
「もっとヨミを知りたいんだ。ヨミを知るチャンスを俺に、いや俺達にくれないか」
返事はなかったが黒い影はまだミナトの頭上を旋回している。
暫く待った。
ただ、空を見上げて立っている。
すると、頬に水滴の様なものが当たりヨミが降ってきた。