寂しがり屋な娘の話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とても不思議な感覚だった。
確かに自分の目で目の前の光景を見ている筈なのに身体は綱手の意思に反して勝手に動いている。
まるで自分の腕や足に糸でも付いていて、その糸を持つ誰かに操られている様な感覚。
その感覚は自来也の左頬を叩いた所で無くなったがその時、綱手の頭にはあの白い空間で倒れていた彼女の言葉が過る。
"その身体を私に貸して"
口煩い先生の叱責を受けた後、私は何となく「こういう事か」と彼女の言っていた言葉を理解した。
嗚咽が聴こえる。
いつの間にか私はまたあの真っ白な空間にいた。
あの時倒れていた彼女は目の前にいて、泣きながら私に謝ってきた。
「ごめんなさい・・・
すみません、
本当にごめんなさい」
この何もなく白い場所で向かい合い正座をする二人。
内、片方は顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら綱手に謝り続けている。
「私は、どうしてもあの子に一言文句を言いたくて、でも顔を合わせたら何故か口より先に手が出てしまったんです・・・!」
一体何をどうやって私の身体を"貸りた"のかよく分からないが彼女は自来也と顔を合わせるなり奴の左頬を全力で叩いていた。
私と同じ位の年頃の娘ならまだしも私の持つ全力、でだ。
おかげで叩かれた自来也は全治二週間の怪我(で済んだのも凄い)を、私は自分の意思で叩いたわけでもないのに先生に怒られる羽目になった。
彼女はその事に気が病んで私をこんな場所迄呼んだらしい。
「てか、此処は何処だい」
本当なら呼ばれてすぐに尋ねるべきだった疑問を今になり少し落ち着いてきた彼女にぶつける綱手。
辺りには何も無かった。
少し怖い位真っ白で天地の境が分からないそんな場所。
ちり紙を手に鼻をかんでいた彼女は鼻を赤くしながら
「多分誰かの夢の中・・・かな?」
とかなり曖昧に答えた。
「私も此処の事はよく分からないの
眠ってる間はよく此処にいるから夢の中かな~
とは思ってるんだけど、見ての通り此処は何もないから此処が何処なのかって知る情報がないの」
自分でもよく解っていない場所に他人を勝手に連れてきた彼女の神経はまともなのかと綱手は思う。
しかし、きっと始めからそんな事を考えていないのだろうなと綱手は既に彼女に対し諦めみたいなものを感じていた。
「・・・そういえばどうして私の身体を勝手に使って迄自来也を殴ったんだい?」
彼女がこんな事をした原因は叩かれた自来也にあるのだろう。
何となく原因が自来也という時点で彼が彼女に何をしたのか綱手には想像がつくが念の為彼女に尋ねてみる。
二人の問題に巻き込まれた綱手は良い迷惑で、理由によっては自来也の首を絞めようとも考えていた。
「わ、私、病院の病室で何時もの様に眠っていたんです」
理由を話し出した彼女の顔は何故か赤く染まっている。
「そうしたら病室に入ってきたその自来也って子が私の、
私の胸を揉んだんです!!」
自来也を叩いた訳を話して暫く無言だったのち綱手は立ち上がった。
「・・・よし」
異様な威圧感を持って何やら準備運動をしている綱手に彼女は何事かとぼんやりして眺める。
「ねえ、此処からはどうやって出るんだい」
「あ、はい、多分貴女は今夢を見ている様な状態なので目が覚めるよう強く念じれば此処から出れると思います。
けど、こんな急に何処へ行かれるんですか?」
「そりゃあ、もちろん何処って
自来也の所に決まってるだろ?あんのエロ助を少しばかり絞めてくるのさ」
当分、馬鹿な事が出来ない様にと言った綱手の表情が余程恐ろしかったのか顔を真っ青にした彼女は綱手の腕を掴んだ。
「暴力は駄目です!最初に叩いたのは私ですけど、でも暴力は駄目です」
「ええい、離してくれ!私はあいつを少しでも痛めつけないと気が済まないんだ」
「待って下さい!私まだ貴女に言わなくちゃいけない事があるんです!!」
だから行かないでと言った彼女に綱手は目が覚めるよう念じるのを一旦中止した。
「言いたい事ってなんだい」
その時、綱手は嫌な予感がした。
「実は、」
とても面倒くさい事が起きそうなそんな予感。
「私、
貴女の身体から離れられなくなっちゃったんです」
確かに自分の目で目の前の光景を見ている筈なのに身体は綱手の意思に反して勝手に動いている。
まるで自分の腕や足に糸でも付いていて、その糸を持つ誰かに操られている様な感覚。
その感覚は自来也の左頬を叩いた所で無くなったがその時、綱手の頭にはあの白い空間で倒れていた彼女の言葉が過る。
"その身体を私に貸して"
口煩い先生の叱責を受けた後、私は何となく「こういう事か」と彼女の言っていた言葉を理解した。
嗚咽が聴こえる。
いつの間にか私はまたあの真っ白な空間にいた。
あの時倒れていた彼女は目の前にいて、泣きながら私に謝ってきた。
「ごめんなさい・・・
すみません、
本当にごめんなさい」
この何もなく白い場所で向かい合い正座をする二人。
内、片方は顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら綱手に謝り続けている。
「私は、どうしてもあの子に一言文句を言いたくて、でも顔を合わせたら何故か口より先に手が出てしまったんです・・・!」
一体何をどうやって私の身体を"貸りた"のかよく分からないが彼女は自来也と顔を合わせるなり奴の左頬を全力で叩いていた。
私と同じ位の年頃の娘ならまだしも私の持つ全力、でだ。
おかげで叩かれた自来也は全治二週間の怪我(で済んだのも凄い)を、私は自分の意思で叩いたわけでもないのに先生に怒られる羽目になった。
彼女はその事に気が病んで私をこんな場所迄呼んだらしい。
「てか、此処は何処だい」
本当なら呼ばれてすぐに尋ねるべきだった疑問を今になり少し落ち着いてきた彼女にぶつける綱手。
辺りには何も無かった。
少し怖い位真っ白で天地の境が分からないそんな場所。
ちり紙を手に鼻をかんでいた彼女は鼻を赤くしながら
「多分誰かの夢の中・・・かな?」
とかなり曖昧に答えた。
「私も此処の事はよく分からないの
眠ってる間はよく此処にいるから夢の中かな~
とは思ってるんだけど、見ての通り此処は何もないから此処が何処なのかって知る情報がないの」
自分でもよく解っていない場所に他人を勝手に連れてきた彼女の神経はまともなのかと綱手は思う。
しかし、きっと始めからそんな事を考えていないのだろうなと綱手は既に彼女に対し諦めみたいなものを感じていた。
「・・・そういえばどうして私の身体を勝手に使って迄自来也を殴ったんだい?」
彼女がこんな事をした原因は叩かれた自来也にあるのだろう。
何となく原因が自来也という時点で彼が彼女に何をしたのか綱手には想像がつくが念の為彼女に尋ねてみる。
二人の問題に巻き込まれた綱手は良い迷惑で、理由によっては自来也の首を絞めようとも考えていた。
「わ、私、病院の病室で何時もの様に眠っていたんです」
理由を話し出した彼女の顔は何故か赤く染まっている。
「そうしたら病室に入ってきたその自来也って子が私の、
私の胸を揉んだんです!!」
自来也を叩いた訳を話して暫く無言だったのち綱手は立ち上がった。
「・・・よし」
異様な威圧感を持って何やら準備運動をしている綱手に彼女は何事かとぼんやりして眺める。
「ねえ、此処からはどうやって出るんだい」
「あ、はい、多分貴女は今夢を見ている様な状態なので目が覚めるよう強く念じれば此処から出れると思います。
けど、こんな急に何処へ行かれるんですか?」
「そりゃあ、もちろん何処って
自来也の所に決まってるだろ?あんのエロ助を少しばかり絞めてくるのさ」
当分、馬鹿な事が出来ない様にと言った綱手の表情が余程恐ろしかったのか顔を真っ青にした彼女は綱手の腕を掴んだ。
「暴力は駄目です!最初に叩いたのは私ですけど、でも暴力は駄目です」
「ええい、離してくれ!私はあいつを少しでも痛めつけないと気が済まないんだ」
「待って下さい!私まだ貴女に言わなくちゃいけない事があるんです!!」
だから行かないでと言った彼女に綱手は目が覚めるよう念じるのを一旦中止した。
「言いたい事ってなんだい」
その時、綱手は嫌な予感がした。
「実は、」
とても面倒くさい事が起きそうなそんな予感。
「私、
貴女の身体から離れられなくなっちゃったんです」