寂しがり屋な娘の話
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「気持ちがえらく沈んだ時は酒に溺れるのが一番だよ」
お猪口を投げる様に渡され、アカリは酷く戸惑っていた。
「綱手ちゃん、」
綱手は有無も聞かずアカリが手にしたお猪口に酒を注ぐ。
「あーなんだい」
「もしかしなくても酔っぱらってるよね?」
白い肌を真っ赤に染め上げ、彼女の吐く息はちょっぴりお酒臭い。
アカリの問いに綱手は鼻で笑い自分のお猪口にも酒を注いだ。
「呑んでなきゃやってらんないよ!」
たかがお猪口一杯分。
しかし匂いからかなり強いであろう酒を綱手は一気に煽った。
綱手の口許から溢れるお酒を見てアカリは何か拭くものをと立ち上がるのだが、彼女の動きを止めたのは綱手の手。
「綱手ちゃん・・・?」
「・・・かないでおくれよ。
せっかく、生きてる内にまた会えたのに
もう何処にも行かないでおくれよ」
「うん」
アカリは拭くものを取りに行くのを止めてその場に腰を下ろす。
「うん。
何処にも行かないよ綱手ちゃん」
此処に来る前にかなり呑んでいたのだろう。
アカリの服を掴んだまま寝息をたて出した綱手を見てアカリは微笑む。
「本当に皆、大きくなっちゃったね。
昔は紅葉の葉みたいに小さな手をしてたのに」
声が聴こえる。
『・・・か、』
「誰何だい?」
何もない真っ白な場所に自分はいて、誰もいない筈なのに声が聴こえた。
『誰、か』
消え入りそうな声とはまさにこの様な声だ。
耳をすまさなければ絶対に聴こえない小さな声。
誰か、と誰かを求める声に応えようと綱手は声を張り上げ自分の存在を示す。
『誰か』
「誰かと言わず私を呼べば良いだろう!
私は此処にいる」
『私?"私"は何処?』
此処だと再度声を張り上げれば綱手は自分の背後に気配を感じた。
振り向けば人。
自分より年上の女性が綱手の後ろに倒れていた。
先程迄自分以外いなかった筈なのに彼女は突然現れ倒れている。
あまりに突然で驚いたが綱手は倒れる彼女に声をかけた。
大丈夫か
怪我は
頭は打ち付けていないか
倒れた彼女からまともな返答は無かったが意識はあるらしい。
目立った所に外傷はなく呼吸の乱れもなし。
心音も正常で、と確認した所で彼女がうっすらと瞳を開いた。
長い睫の下に隠れた空色の瞳が綱手を写し捉える。
彼女の顔色を伺っていた綱手の両頬に両の手を伸ばし
「その身体を私に貸して」
と言った。
そこで綱手の意識も記憶も飛んでしまう。
次に綱手の意識が戻ったのは何故か目の前にいた自来也に向かって
「この変態!!」
と声を上げ自身の手が振り上げられた所だった。
お猪口を投げる様に渡され、アカリは酷く戸惑っていた。
「綱手ちゃん、」
綱手は有無も聞かずアカリが手にしたお猪口に酒を注ぐ。
「あーなんだい」
「もしかしなくても酔っぱらってるよね?」
白い肌を真っ赤に染め上げ、彼女の吐く息はちょっぴりお酒臭い。
アカリの問いに綱手は鼻で笑い自分のお猪口にも酒を注いだ。
「呑んでなきゃやってらんないよ!」
たかがお猪口一杯分。
しかし匂いからかなり強いであろう酒を綱手は一気に煽った。
綱手の口許から溢れるお酒を見てアカリは何か拭くものをと立ち上がるのだが、彼女の動きを止めたのは綱手の手。
「綱手ちゃん・・・?」
「・・・かないでおくれよ。
せっかく、生きてる内にまた会えたのに
もう何処にも行かないでおくれよ」
「うん」
アカリは拭くものを取りに行くのを止めてその場に腰を下ろす。
「うん。
何処にも行かないよ綱手ちゃん」
此処に来る前にかなり呑んでいたのだろう。
アカリの服を掴んだまま寝息をたて出した綱手を見てアカリは微笑む。
「本当に皆、大きくなっちゃったね。
昔は紅葉の葉みたいに小さな手をしてたのに」
声が聴こえる。
『・・・か、』
「誰何だい?」
何もない真っ白な場所に自分はいて、誰もいない筈なのに声が聴こえた。
『誰、か』
消え入りそうな声とはまさにこの様な声だ。
耳をすまさなければ絶対に聴こえない小さな声。
誰か、と誰かを求める声に応えようと綱手は声を張り上げ自分の存在を示す。
『誰か』
「誰かと言わず私を呼べば良いだろう!
私は此処にいる」
『私?"私"は何処?』
此処だと再度声を張り上げれば綱手は自分の背後に気配を感じた。
振り向けば人。
自分より年上の女性が綱手の後ろに倒れていた。
先程迄自分以外いなかった筈なのに彼女は突然現れ倒れている。
あまりに突然で驚いたが綱手は倒れる彼女に声をかけた。
大丈夫か
怪我は
頭は打ち付けていないか
倒れた彼女からまともな返答は無かったが意識はあるらしい。
目立った所に外傷はなく呼吸の乱れもなし。
心音も正常で、と確認した所で彼女がうっすらと瞳を開いた。
長い睫の下に隠れた空色の瞳が綱手を写し捉える。
彼女の顔色を伺っていた綱手の両頬に両の手を伸ばし
「その身体を私に貸して」
と言った。
そこで綱手の意識も記憶も飛んでしまう。
次に綱手の意識が戻ったのは何故か目の前にいた自来也に向かって
「この変態!!」
と声を上げ自身の手が振り上げられた所だった。