何年も続いた戦争が終わったのも束の間、忍五大国の統治が揺らいだのを皮切りに大国、小国、忍の里を巻き込み小競り合いが起きていた。


始めは規模の小さかったそれは年が経つに連れて大きく、範囲を広げて沢山のモノを巻き込んでいく。
それにかかる軍事費に頭を抱える各国。
しかし始まったものは途中で止められず、ずるずるとそれに飲み込まれていく。


大国火の国の軍事力にあたる木ノ葉の里も例外なく、今なお大きくなるそれに巻き込まれていた。



｢解任ですか？｣

ヒルゼンに召喚されたアカリは突然の話に頭を傾げた。
部屋に入るなり脈絡もなくされた解任話。
今一話が掴めないアカリにヒルゼンは付け足すようミナトの名前を出す。

｢本日をもって貴女様に付けた波風ミナトの護衛の任を解きます｣

其処まで言われてやっとアカリは事態を認識する。

｢どうして、そんな急に｣

｢それは、｢波風ミナトは優秀な忍だからな｣｣

部屋の扉が開いて、男が一人入ってきた。

見覚えある男の姿。
振り返り男を見たアカリは自信はなくも頭に浮かぶ名を呟く。

｢ダンゾウ、さん？｣

アカリにダンゾウと呼ばれた男はすぐに肯定するわけでもなく、彼女の隣にくると｢久し振りだな｣と笑った。

｢・・・｣

彼に対しあまり良い印象のないアカリは無言のまま一歩下がり彼から距離を取る。
その行動に不快感を露にするわけでもなく、寧ろダンゾウはアカリのその行動に慣れた感があった。

｢ワシは相変わらずお前に嫌われている様だ｣

｢・・・別に嫌いだなんて、

少し苦手なだけです｣

口を尖らせ呟き、ダンゾウから顔を逸らしてアカリ。
そのアカリの顎をダンゾウは掴むと無理矢理に顔を上げさせる。

｢お前がワシを苦手だと言ってもワシはお前を大概気におっておる｣

｢それは、｣

自分の顎を掴むダンゾウの手を叩き、アカリは彼との距離を取る。

｢私自身じゃなくて私が持ってるものを、ですよね｣

｢いや、お前自身も気に入っておる。
お前はそこいらの女子と違い老けず若々しいままだからな｣

その言葉にアカリの体には悪寒が走った。
顔色を悪くしたアカリは慌ててヒルゼンの背に隠れる。

｢ダンゾウ、頼むからこれ以上この方をからかうのは止めてくれんか｣

｢三代目火影の言葉とあれば従うしかあるまい｣

｢アカリもわし等の話を聞いて下さい｣

｢はい、｣

そしてヒルゼンは再度口を開いた。

木ノ葉は今他国と戦争状態であることを、最近その戦争が激しくなってきた事を話す。

その話をした上での本題。

｢ミナトさんを私の護衛から外すんですね｣

｢波風ミナトだけではないお前に付けておる暗部二人も解任だ｣

｢そして、貴女様はこの状況下で他国の手に渡り他国の力となる事を防ぐ為に


今後一切の外出を禁じます｣