寂しがり屋な娘の話
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風を切る音
近付く血の匂い
感じる気配に全神経を集中させてカカシは相手に襲いかかった。
一撃目を相手の持つクナイに弾かれて、カカシは舌打ちするもすぐに体勢を整えてもう一撃。
気付けば辺りはもう真っ暗で、攻撃を受け止めた相手のクナイから小さな火花が見えるのが分かる。
相手が大人だけに弾かれるとその勢いに軽く飛ばされるカカシ。
丁度その時、視界の端にアカリの姿が見えてカカシは唇を噛む。
「くそっ!!
お前らがいなければ」
彼女は死ななかったのにと聳える木を足場に、再度相手に攻撃を仕掛ける。
「ちょっと待って、」
「敵の言うことを素直に聞くと思う?」
飛び掛かる勢いに自分の体重を加えて力強い攻撃を仕掛けたカカシを相手は先程の様にクナイで受け止めるかと思いきや見事な反射神経でカカシの右手と胸ぐらを掴み、カカシの攻撃は虚しく体を地面に押しつけられる。
握っていたクナイを奪われたカカシは恨み言を言いながら暴れるのだが何やら相手の様子がおかしい。
「くっ、離せ」
「落ち着いてよカカシ君」
「敵に君呼ばわりされる覚えなんて
・・・先生?」
雲が晴れ、森に月明かりが射し込んで辺りが幾分か明るくなる。
森に射し込む月明かりがカカシを押さえ込む男を照らした。
月明かりに淡く輝く金色の髪に我に返るカカシ。
「先生!」
まるでミナトにすがるかの様にカカシは彼の服を掴んだ。
「あの人が、
俺のせいでアカリさんが!」
草陰に寝かされたアカリは目覚める様子もなく、元々白い肌をよりいっそう蒼白く染めて眠り続けている。
彼女の胸と腹の位置には見るからに危ないと思える血の痕。
「この人、俺を庇って敵の攻撃を受けたんだ。
逃げろって言ったのに俺の前に立って・・・」
アカリはまるで眠っているようなのに、息をしていなかった。
ミナトは徐に彼女の手首を掴むのだが脈が鼓動している様子はない。
「その敵は?」
手で顔を覆っていたカカシの手は胸骨圧迫をした名残か赤黒く汚れている。
「あの人の手が触れた途端、
弾けました」
カカシの言う"弾けました"がよく分からなくてミナトは詳しく尋ねるのだが彼は敵が弾け飛んだのだと言う。
何かアカリが直前に印を組んだのか聞くがそんな様子も暇もなかったがカカシの返答。
アカリが敵に向かって何をしたのか謎は残るのだが彼女の体をこれ以上放置するわけにもいかず、ミナトはアカリの側に膝をつく。
「すみません先生。
俺はこの人を護りきれませんでした。それどころか護らなければいけない人に庇われて」
「カカシ君を庇ったのはアカリちゃんの意思だよ」
見るからに気落ちして顔色を悪くしている教え子の肩を軽く叩いた。
「寧ろ、謝るのは俺の方だ」
ミナトの小さな呟きは誰にも聞こえていない。
「君を護ると言ったのに何時も君を護りきれなかった」
落ち込む教え子が側にいるのに情けない姿は見せられない。
それでもアカリを護れなかった罪悪感が遣りきれぬ感情が言葉となってミナトの口から漏れ出す。
冷たい彼女の手に自分の手を添えれば
「・・・?!」
指と指が絡むように手を握られた
気がした。
「先生?」
しかし気付いた時には手を握られた感触はなく動いた様子もない。
珍しく不安気な表情を浮かべたカカシに大丈夫だと伝え、
「里に帰ろう」
と今度はミナトがアカリの手を握った。
目覚めぬ彼女を優しく抱き上げようとしたミナトが気付いた違和感。
ミナトは抱き上げる為、彼女の体の下に手を入れたのだがそこで動きが止まってしまった。
訝しげな表情を浮かべたミナトに気付いたカカシは彼の視線を追う。
ミナトの視線はアカリの体、正しくはその体の下の地面に向けられていた。
アカリを抱き上げれば、彼女が寝かされていた場所だけ草がはっきり見事に枯れている。
その光景にミナトもカカシも不思議には思うのだがそれにだけ構ってもいられず二人は夜の暗い森を駆け出した。
近付く血の匂い
感じる気配に全神経を集中させてカカシは相手に襲いかかった。
一撃目を相手の持つクナイに弾かれて、カカシは舌打ちするもすぐに体勢を整えてもう一撃。
気付けば辺りはもう真っ暗で、攻撃を受け止めた相手のクナイから小さな火花が見えるのが分かる。
相手が大人だけに弾かれるとその勢いに軽く飛ばされるカカシ。
丁度その時、視界の端にアカリの姿が見えてカカシは唇を噛む。
「くそっ!!
お前らがいなければ」
彼女は死ななかったのにと聳える木を足場に、再度相手に攻撃を仕掛ける。
「ちょっと待って、」
「敵の言うことを素直に聞くと思う?」
飛び掛かる勢いに自分の体重を加えて力強い攻撃を仕掛けたカカシを相手は先程の様にクナイで受け止めるかと思いきや見事な反射神経でカカシの右手と胸ぐらを掴み、カカシの攻撃は虚しく体を地面に押しつけられる。
握っていたクナイを奪われたカカシは恨み言を言いながら暴れるのだが何やら相手の様子がおかしい。
「くっ、離せ」
「落ち着いてよカカシ君」
「敵に君呼ばわりされる覚えなんて
・・・先生?」
雲が晴れ、森に月明かりが射し込んで辺りが幾分か明るくなる。
森に射し込む月明かりがカカシを押さえ込む男を照らした。
月明かりに淡く輝く金色の髪に我に返るカカシ。
「先生!」
まるでミナトにすがるかの様にカカシは彼の服を掴んだ。
「あの人が、
俺のせいでアカリさんが!」
草陰に寝かされたアカリは目覚める様子もなく、元々白い肌をよりいっそう蒼白く染めて眠り続けている。
彼女の胸と腹の位置には見るからに危ないと思える血の痕。
「この人、俺を庇って敵の攻撃を受けたんだ。
逃げろって言ったのに俺の前に立って・・・」
アカリはまるで眠っているようなのに、息をしていなかった。
ミナトは徐に彼女の手首を掴むのだが脈が鼓動している様子はない。
「その敵は?」
手で顔を覆っていたカカシの手は胸骨圧迫をした名残か赤黒く汚れている。
「あの人の手が触れた途端、
弾けました」
カカシの言う"弾けました"がよく分からなくてミナトは詳しく尋ねるのだが彼は敵が弾け飛んだのだと言う。
何かアカリが直前に印を組んだのか聞くがそんな様子も暇もなかったがカカシの返答。
アカリが敵に向かって何をしたのか謎は残るのだが彼女の体をこれ以上放置するわけにもいかず、ミナトはアカリの側に膝をつく。
「すみません先生。
俺はこの人を護りきれませんでした。それどころか護らなければいけない人に庇われて」
「カカシ君を庇ったのはアカリちゃんの意思だよ」
見るからに気落ちして顔色を悪くしている教え子の肩を軽く叩いた。
「寧ろ、謝るのは俺の方だ」
ミナトの小さな呟きは誰にも聞こえていない。
「君を護ると言ったのに何時も君を護りきれなかった」
落ち込む教え子が側にいるのに情けない姿は見せられない。
それでもアカリを護れなかった罪悪感が遣りきれぬ感情が言葉となってミナトの口から漏れ出す。
冷たい彼女の手に自分の手を添えれば
「・・・?!」
指と指が絡むように手を握られた
気がした。
「先生?」
しかし気付いた時には手を握られた感触はなく動いた様子もない。
珍しく不安気な表情を浮かべたカカシに大丈夫だと伝え、
「里に帰ろう」
と今度はミナトがアカリの手を握った。
目覚めぬ彼女を優しく抱き上げようとしたミナトが気付いた違和感。
ミナトは抱き上げる為、彼女の体の下に手を入れたのだがそこで動きが止まってしまった。
訝しげな表情を浮かべたミナトに気付いたカカシは彼の視線を追う。
ミナトの視線はアカリの体、正しくはその体の下の地面に向けられていた。
アカリを抱き上げれば、彼女が寝かされていた場所だけ草がはっきり見事に枯れている。
その光景にミナトもカカシも不思議には思うのだがそれにだけ構ってもいられず二人は夜の暗い森を駆け出した。