寂しがり屋な娘の話
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追い付いては
離れて
追い付いては
離れる
その繰り返しにアカリは何度目かの「待って!」を言った。
「カカシ君、待って」
後ろから駆け足で付いてくるアカリにカカシは冷たく「待ちません」と返す。
それでも後ろからは彼女の足音が聴こえたのでカカシは振り返りもせず歩く。
頭上を幾つかの気配が飛び交う
が、あまりカカシは気にも止めない。
各地で戦争だ、内乱だの起こるこのご時世に同じ里の者とは思えない気配が里を駆けているのはカカシにとっても里にとっても日常と化していたのだ。
無用心と言えば無用心だがいくら里の守りを強化しても彼等は里に入っている。
ならば里の守りはそれなりに、里の機密は強固にが里の考えだった。
だから気にはしない。
自分達を通り過ぎる気配を感じていればアカリの気配が無いことに気付いた。
まさかと振り返れば先程迄いたアカリの姿がそこにはない。
「嘘だろ」
そんな、とカカシは歩いていた道を引き返した。
頭に過る最悪の展開、誘拐、拉致、考えられる全ての展開を頭に浮かべながら辺りを見渡しアカリを捜す。
「そうだ、先生はあの人を護衛していたんだ」
オビトは彼女を何処かの国のお姫様なんじゃないかと馬鹿な事を言っていたが、姫じゃなくても護衛をされているのなら護衛されるだけの理由はある。
カカシは何処だ、と必死にアカリを捜した。
人混みの中、辺りを見渡し、捜していれば
「カカシ君」
と、もう聞き慣れた暢気な声。
「見てみて」
わんちゃん!と捜していた人の気も知らないで腕に抱いた子犬をカカシに差し出すアカリにカカシは苛ついた。
「・・・何やってるんですか」
「うん?カカシ君の後ろを追い掛ける時にこの子が私に声をかけてきたの。
見たらこの子、足を怪我しててね」
「そういう話をしてるんじゃないんです!」
いきなり上がったカカシの怒声にアカリの体は震えた。
アカリが抱えていた子犬は足を怪我しているにも関わらずカカシの声に驚いて彼女の腕から逃げ出す。
「こっちはアンタが迷ったって言うから善意で先生と別れた所に連れて行こうとしてるのに勝手に何処かへ行って
ふざけるな!」
「ご、ごめんなさい・・・」
カカシの怒りようにアカリは怯えて肩を竦めた。
気付けばカカシの怒声を聞き付けて辺りに遠巻きながら人だかりが出来ている。
それにいっそう機嫌を悪くしたカカシはアカリの白い手首を乱暴に掴むといまさっき迄歩いていた方向に歩き出す。
「・・・次、いなくなったら捜しませんから」
「それは嫌」
「だったら大人しく俺について歩いて下さい」
アカリが小さく頷いたのを横目に確認してカカシは歩いた。
離れて
追い付いては
離れる
その繰り返しにアカリは何度目かの「待って!」を言った。
「カカシ君、待って」
後ろから駆け足で付いてくるアカリにカカシは冷たく「待ちません」と返す。
それでも後ろからは彼女の足音が聴こえたのでカカシは振り返りもせず歩く。
頭上を幾つかの気配が飛び交う
が、あまりカカシは気にも止めない。
各地で戦争だ、内乱だの起こるこのご時世に同じ里の者とは思えない気配が里を駆けているのはカカシにとっても里にとっても日常と化していたのだ。
無用心と言えば無用心だがいくら里の守りを強化しても彼等は里に入っている。
ならば里の守りはそれなりに、里の機密は強固にが里の考えだった。
だから気にはしない。
自分達を通り過ぎる気配を感じていればアカリの気配が無いことに気付いた。
まさかと振り返れば先程迄いたアカリの姿がそこにはない。
「嘘だろ」
そんな、とカカシは歩いていた道を引き返した。
頭に過る最悪の展開、誘拐、拉致、考えられる全ての展開を頭に浮かべながら辺りを見渡しアカリを捜す。
「そうだ、先生はあの人を護衛していたんだ」
オビトは彼女を何処かの国のお姫様なんじゃないかと馬鹿な事を言っていたが、姫じゃなくても護衛をされているのなら護衛されるだけの理由はある。
カカシは何処だ、と必死にアカリを捜した。
人混みの中、辺りを見渡し、捜していれば
「カカシ君」
と、もう聞き慣れた暢気な声。
「見てみて」
わんちゃん!と捜していた人の気も知らないで腕に抱いた子犬をカカシに差し出すアカリにカカシは苛ついた。
「・・・何やってるんですか」
「うん?カカシ君の後ろを追い掛ける時にこの子が私に声をかけてきたの。
見たらこの子、足を怪我しててね」
「そういう話をしてるんじゃないんです!」
いきなり上がったカカシの怒声にアカリの体は震えた。
アカリが抱えていた子犬は足を怪我しているにも関わらずカカシの声に驚いて彼女の腕から逃げ出す。
「こっちはアンタが迷ったって言うから善意で先生と別れた所に連れて行こうとしてるのに勝手に何処かへ行って
ふざけるな!」
「ご、ごめんなさい・・・」
カカシの怒りようにアカリは怯えて肩を竦めた。
気付けばカカシの怒声を聞き付けて辺りに遠巻きながら人だかりが出来ている。
それにいっそう機嫌を悪くしたカカシはアカリの白い手首を乱暴に掴むといまさっき迄歩いていた方向に歩き出す。
「・・・次、いなくなったら捜しませんから」
「それは嫌」
「だったら大人しく俺について歩いて下さい」
アカリが小さく頷いたのを横目に確認してカカシは歩いた。