寂しがり屋な娘の話
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初めて見た笑みもそうだけど
何て寂しそうに笑う娘なんだろうと思った。
病室を出るときに何となく「花は良いのかい?」なんて尋ねてしまった。
そんな俺の問いに対し、彼女は首を横に振って「私が離れたら枯れて無くなるから」と、花を片付けろという意味で言ったのではないのだが、彼女は意味をそう捉えたのだろう寂しそうに答える。
せめて一輪位と思った。
勿体ないとか惜しいとかじゃなくて彼女の黒髪にあの白い花を挿したらお互いに引き立てて綺麗なんだろうな等とらしくない事を考えてしまう。
そんな俺を置いてさっさと彼女は病室を出てしまった。
彼女の護衛が俺の任務なのに!
瞬身の術を使い、彼女の隣に現れたのだけど驚く様子もなく病院を出た。
病院の敷地を出た所で彼女の足が止まる。
「・・・ところで、
私は何処に行けば良いのですか?」
真面目に困った顔をしていて俺は堪えきれず笑ってしまった。
「此方だよ」
彼女の手を握りミナトは歩きだす。
彼の任務は彼女を指定の家迄送る事。
どういう理由で彼女に護衛を付けなくてはいけないのかは知らないし、聞けないが豆一つない手に彼女が忍で無いことは分かった。
ん、手?
はたっとミナトは立ち止まった。
急に止まったせいか手を引かれ後ろを歩いていた娘はミナトの背中にぶつかる。
思いの外痛かった様でぶつけた鼻を擦っているとミナトは慌てて振り返り握っていた手を離し、「ごめん!」と謝りだす。
「ごめんね!急に手を握ったりして」
それは彼女が年頃の娘だろうからという配慮なのか、ミナトは手を合わせて謝る。
「あの、私、大丈夫ですから」
娘がそう言ってミナトは下げていた頭を上げた。
「ありがとう」
じゃあ、行こうかと、ミナトは歩き出し娘もその後をついた。
街を歩いている間は彼女の質問ばかり答えていた。
あれは何ですかと聞かれる度にあれは忍具屋ですよや、あれは図書館ですと答えていた。
この街に住んでいなくても見れば分かるような店も何だと尋ねられ、彼女は箱入りのお姫さまか何かだろうか?とミナトは思った。
病院を出てから暫く続いていた質問が急に止み、ミナトは「どうしたんだい?」と隣を歩く娘の顔を覗きこむ。
酷く顔色が悪い。
「・・・ちょっとそこの甘味処で休もうか」
ミナトの提案に難色を示した彼女だがやはり体が辛かったのか「そうですね」と提案に同意する。
二人は甘味処に入った。
日陰になっている奥の席に座ると店の者が冷たいお茶を出し受けとる。
メニューも渡されミナトは彼女にも見える様開きながら「どれにする?」と尋ねた。
彼女は気まずそうに茶碗のお茶を見つめている。
お茶に写った顔が困っていた。
そういえば、と彼女が手荷物を持っていない事に気付く。
もしかしてお金とか気にしてるのかな何て思っていれば「私は何もいらないです」と小さな声で言ったのでミナトは確信する。
ミナトは店員を呼ぶと団子を2つ頼んだ。
団子はすぐに出され、二人の間に置かれる。
「ねえ、」
もぐぅ、と声をかけ向かれた彼女の口に団子を一本いれた。
何が起こったのか分からず娘はモゴモゴしている。
「ここの団子、凄く美味しいから
お裾分け」
いただきます、とミナトは団子を頬張った。
「美味しいね」
そう言ったミナトに娘も咀嚼を始め頷く。
「・・・はい」
美味しそうに団子を食べる彼女の横顔を見つめてミナトは思った。
やはり寂しそうな顔をしている、と
何て寂しそうに笑う娘なんだろうと思った。
病室を出るときに何となく「花は良いのかい?」なんて尋ねてしまった。
そんな俺の問いに対し、彼女は首を横に振って「私が離れたら枯れて無くなるから」と、花を片付けろという意味で言ったのではないのだが、彼女は意味をそう捉えたのだろう寂しそうに答える。
せめて一輪位と思った。
勿体ないとか惜しいとかじゃなくて彼女の黒髪にあの白い花を挿したらお互いに引き立てて綺麗なんだろうな等とらしくない事を考えてしまう。
そんな俺を置いてさっさと彼女は病室を出てしまった。
彼女の護衛が俺の任務なのに!
瞬身の術を使い、彼女の隣に現れたのだけど驚く様子もなく病院を出た。
病院の敷地を出た所で彼女の足が止まる。
「・・・ところで、
私は何処に行けば良いのですか?」
真面目に困った顔をしていて俺は堪えきれず笑ってしまった。
「此方だよ」
彼女の手を握りミナトは歩きだす。
彼の任務は彼女を指定の家迄送る事。
どういう理由で彼女に護衛を付けなくてはいけないのかは知らないし、聞けないが豆一つない手に彼女が忍で無いことは分かった。
ん、手?
はたっとミナトは立ち止まった。
急に止まったせいか手を引かれ後ろを歩いていた娘はミナトの背中にぶつかる。
思いの外痛かった様でぶつけた鼻を擦っているとミナトは慌てて振り返り握っていた手を離し、「ごめん!」と謝りだす。
「ごめんね!急に手を握ったりして」
それは彼女が年頃の娘だろうからという配慮なのか、ミナトは手を合わせて謝る。
「あの、私、大丈夫ですから」
娘がそう言ってミナトは下げていた頭を上げた。
「ありがとう」
じゃあ、行こうかと、ミナトは歩き出し娘もその後をついた。
街を歩いている間は彼女の質問ばかり答えていた。
あれは何ですかと聞かれる度にあれは忍具屋ですよや、あれは図書館ですと答えていた。
この街に住んでいなくても見れば分かるような店も何だと尋ねられ、彼女は箱入りのお姫さまか何かだろうか?とミナトは思った。
病院を出てから暫く続いていた質問が急に止み、ミナトは「どうしたんだい?」と隣を歩く娘の顔を覗きこむ。
酷く顔色が悪い。
「・・・ちょっとそこの甘味処で休もうか」
ミナトの提案に難色を示した彼女だがやはり体が辛かったのか「そうですね」と提案に同意する。
二人は甘味処に入った。
日陰になっている奥の席に座ると店の者が冷たいお茶を出し受けとる。
メニューも渡されミナトは彼女にも見える様開きながら「どれにする?」と尋ねた。
彼女は気まずそうに茶碗のお茶を見つめている。
お茶に写った顔が困っていた。
そういえば、と彼女が手荷物を持っていない事に気付く。
もしかしてお金とか気にしてるのかな何て思っていれば「私は何もいらないです」と小さな声で言ったのでミナトは確信する。
ミナトは店員を呼ぶと団子を2つ頼んだ。
団子はすぐに出され、二人の間に置かれる。
「ねえ、」
もぐぅ、と声をかけ向かれた彼女の口に団子を一本いれた。
何が起こったのか分からず娘はモゴモゴしている。
「ここの団子、凄く美味しいから
お裾分け」
いただきます、とミナトは団子を頬張った。
「美味しいね」
そう言ったミナトに娘も咀嚼を始め頷く。
「・・・はい」
美味しそうに団子を食べる彼女の横顔を見つめてミナトは思った。
やはり寂しそうな顔をしている、と