寂しがり屋な娘の話
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浮き上がる意識。
薄い瞼に光が射す。
ゆっくりと目を覚ましたアカリにミナトは
「おはよう」
と微笑んだ。
ミナトの挨拶に一瞬、呆けていたアカリも意識がはっきりしてきたのか「おはようございます」と微笑み返す。
辺りを見渡せば見慣れぬ風景にアカリは少し困惑している。
ミナトがさっきの事、覚えてる?と尋ねればアカリは少しだけと言う。
アカリが覚えているのはミナト達が任務から帰ってきたと聞いて走っていた事だ。
「走って、走って・・・あれ?」
「そこから思い出せないんじゃないかな」
心の声を代弁するかの様なミナトの言葉にアカリは驚きの顔をする。
「診てくれたのはカカシ君なんだけど貧血で倒れたみたい」
「貧血・・・」
「吃驚したよ、駆けてきたと思ったら急に倒れるんだもん」
「すみません、
ご迷惑をおかけしました」
ミナトの説明に記憶が途切れている理由が解り、申し訳なくなったアカリは姿勢を正し深々と頭を下げた。
頭を下げるアカリにミナトは慌てて頭を上げさせる。
「気にしないで、診断したのはカカシ君だし俺はアカリちゃんを運んだだけなんだから」
だから、顔を上げてと言われて顔を上げたアカリは「そういえば」と今まで気になっていた事を尋ねる事にした。
「さっきから気になっていたんですが此処って」
「俺の家」
「え?」
「アカリちゃんが倒れた所だと俺の家の方が近かったから一旦そこで休めようと思って」
ミナトの説明にアカリはなるほどと納得した。
そんなアカリにミナトは茶色の瓶を渡す。
これは?と言わずも渡された瓶を眺めるアカリに「貧血を治す薬」とミナトは言う。
「治すって言ってもすぐには効かないけど飲んでおくと良いよ」
「・・・何から何までありがとうございます」
アカリは瓶の蓋を回し口を付けた。
そして、そこで止まる。
「アカリ、ちゃん?」
止まったアカリの口からとろりと瓶の内容物であろう白い液体が垂れている。
「ミナトさん、これ、
凄く不味いです」
一度、口に付けた瓶を下ろしたアカリは涙を浮かべ震えていた。
だが、ミナトはその反応を予想していたかの様に「そうだね」と答える。
「まあ、良薬は口に苦しって言うし
ほらまだこんなにも残っているんだから」
一気を促すミナトの顔を見てアカリは気付く。
「ミナトさん、もしかして何か怒ってますか?」
そう尋ねればミナトは間入れず怒っていないと答える。
「ただ、俺がいない間アカリちゃんは何を食べてた」
ミナトの突然の問い掛けにアカリは何となく悟った。
彼が不機嫌な理由を
「え、あ・・・餡蜜」
ミナトは声を出さない。
だが目は他に何を食べたのか言うよう促している。
「餡蜜と・・・」
思い出してみるとミナトは会った始めの時から食べろとよく言う人だった。
食べなくても大丈夫と言うアカリに食べ物を勧め、ちゃんとした食生活を与えていたのだ。
しかし、ミナトが任務でいなくなるや物を食べなくなったアカリは食べなくても大丈夫と自分で言っておきながら貧血で倒れた。
「・・・餡蜜しか食べていないです。
ごめんなさい」
「うん、正直でよろしい」
俯くアカリを受け止める様に抱き締めたミナトはアカリの背中を軽く叩く。
「これからはミナトさんがいない時もちゃんとご飯食べます」
「うん」
じゃあ、と床に置かれたまま放置されていた茶色い瓶をミナトは摘まみ上げアカリの前に出す。
「残ってるこれも飲んじゃおうか?」
瓶の中の液体がたぷんと揺れた。
ミナトが摘まむそれを見るなりアカリの表情が青ざめる。
「!!!?」
わたわたとミナトの腕から逃げようとするアカリ。
アカリを逃がすまいとミナトは彼女の腰を掴む。
「逃がさないよ」
「それは嫌です!
苦いのは嫌っ!!」」
ミナトに捕まっても嫌々、と首を振り抵抗するアカリ。
瓶は落とすまいと茶色い瓶を上に持ち上げているのだが片腕で捕まえたアカリはひたすら抵抗している。
アカリ渾身の抵抗に瓶を摘まんでいた力が弱まり、瓶が重力に従い落ちていく。
ばしゃりと瓶の中身を頭から被るアカリは一体、今自分の身に何が起こったのかも分からずただ呆然としていた。
「うわっ!ごめんねアカリちゃん。すぐに拭くものを取ってくるから」
そう言ってミナトが立ち上がった時に部屋の扉が開く。
「先生、受付で書類を預かって来たんですけど」
入ってきたのはさっき言っていた書類に目を通しているカカシだった。
部屋に広がった何とも言えない匂いに気付きカカシは顔を上げる。
何やら慌てた様子のミナト、
頭から顔にかけて白い液体を垂らすアカリ、
それに部屋いっぱいの何とも言えない匂いである。
カカシの眉間に皺がよる。
が、何か発するわけでもなく手にしていた書類を床に置く。
「お邪魔しました」
律儀に頭を下げ、扉を閉めたカカシにミナトは顔色を変える。
誤解していると感じたミナトはこの状況がどうして出来たのか説明しようとカカシの後を追い部屋を出ていく。
「待ってカカシ君!」
ミナトが部屋から出ていき一人になったアカリは口元に迄垂れて来ていた液体を舐めとり呟く。
「やっぱり苦い」と、
薄い瞼に光が射す。
ゆっくりと目を覚ましたアカリにミナトは
「おはよう」
と微笑んだ。
ミナトの挨拶に一瞬、呆けていたアカリも意識がはっきりしてきたのか「おはようございます」と微笑み返す。
辺りを見渡せば見慣れぬ風景にアカリは少し困惑している。
ミナトがさっきの事、覚えてる?と尋ねればアカリは少しだけと言う。
アカリが覚えているのはミナト達が任務から帰ってきたと聞いて走っていた事だ。
「走って、走って・・・あれ?」
「そこから思い出せないんじゃないかな」
心の声を代弁するかの様なミナトの言葉にアカリは驚きの顔をする。
「診てくれたのはカカシ君なんだけど貧血で倒れたみたい」
「貧血・・・」
「吃驚したよ、駆けてきたと思ったら急に倒れるんだもん」
「すみません、
ご迷惑をおかけしました」
ミナトの説明に記憶が途切れている理由が解り、申し訳なくなったアカリは姿勢を正し深々と頭を下げた。
頭を下げるアカリにミナトは慌てて頭を上げさせる。
「気にしないで、診断したのはカカシ君だし俺はアカリちゃんを運んだだけなんだから」
だから、顔を上げてと言われて顔を上げたアカリは「そういえば」と今まで気になっていた事を尋ねる事にした。
「さっきから気になっていたんですが此処って」
「俺の家」
「え?」
「アカリちゃんが倒れた所だと俺の家の方が近かったから一旦そこで休めようと思って」
ミナトの説明にアカリはなるほどと納得した。
そんなアカリにミナトは茶色の瓶を渡す。
これは?と言わずも渡された瓶を眺めるアカリに「貧血を治す薬」とミナトは言う。
「治すって言ってもすぐには効かないけど飲んでおくと良いよ」
「・・・何から何までありがとうございます」
アカリは瓶の蓋を回し口を付けた。
そして、そこで止まる。
「アカリ、ちゃん?」
止まったアカリの口からとろりと瓶の内容物であろう白い液体が垂れている。
「ミナトさん、これ、
凄く不味いです」
一度、口に付けた瓶を下ろしたアカリは涙を浮かべ震えていた。
だが、ミナトはその反応を予想していたかの様に「そうだね」と答える。
「まあ、良薬は口に苦しって言うし
ほらまだこんなにも残っているんだから」
一気を促すミナトの顔を見てアカリは気付く。
「ミナトさん、もしかして何か怒ってますか?」
そう尋ねればミナトは間入れず怒っていないと答える。
「ただ、俺がいない間アカリちゃんは何を食べてた」
ミナトの突然の問い掛けにアカリは何となく悟った。
彼が不機嫌な理由を
「え、あ・・・餡蜜」
ミナトは声を出さない。
だが目は他に何を食べたのか言うよう促している。
「餡蜜と・・・」
思い出してみるとミナトは会った始めの時から食べろとよく言う人だった。
食べなくても大丈夫と言うアカリに食べ物を勧め、ちゃんとした食生活を与えていたのだ。
しかし、ミナトが任務でいなくなるや物を食べなくなったアカリは食べなくても大丈夫と自分で言っておきながら貧血で倒れた。
「・・・餡蜜しか食べていないです。
ごめんなさい」
「うん、正直でよろしい」
俯くアカリを受け止める様に抱き締めたミナトはアカリの背中を軽く叩く。
「これからはミナトさんがいない時もちゃんとご飯食べます」
「うん」
じゃあ、と床に置かれたまま放置されていた茶色い瓶をミナトは摘まみ上げアカリの前に出す。
「残ってるこれも飲んじゃおうか?」
瓶の中の液体がたぷんと揺れた。
ミナトが摘まむそれを見るなりアカリの表情が青ざめる。
「!!!?」
わたわたとミナトの腕から逃げようとするアカリ。
アカリを逃がすまいとミナトは彼女の腰を掴む。
「逃がさないよ」
「それは嫌です!
苦いのは嫌っ!!」」
ミナトに捕まっても嫌々、と首を振り抵抗するアカリ。
瓶は落とすまいと茶色い瓶を上に持ち上げているのだが片腕で捕まえたアカリはひたすら抵抗している。
アカリ渾身の抵抗に瓶を摘まんでいた力が弱まり、瓶が重力に従い落ちていく。
ばしゃりと瓶の中身を頭から被るアカリは一体、今自分の身に何が起こったのかも分からずただ呆然としていた。
「うわっ!ごめんねアカリちゃん。すぐに拭くものを取ってくるから」
そう言ってミナトが立ち上がった時に部屋の扉が開く。
「先生、受付で書類を預かって来たんですけど」
入ってきたのはさっき言っていた書類に目を通しているカカシだった。
部屋に広がった何とも言えない匂いに気付きカカシは顔を上げる。
何やら慌てた様子のミナト、
頭から顔にかけて白い液体を垂らすアカリ、
それに部屋いっぱいの何とも言えない匂いである。
カカシの眉間に皺がよる。
が、何か発するわけでもなく手にしていた書類を床に置く。
「お邪魔しました」
律儀に頭を下げ、扉を閉めたカカシにミナトは顔色を変える。
誤解していると感じたミナトはこの状況がどうして出来たのか説明しようとカカシの後を追い部屋を出ていく。
「待ってカカシ君!」
ミナトが部屋から出ていき一人になったアカリは口元に迄垂れて来ていた液体を舐めとり呟く。
「やっぱり苦い」と、