寂しがり屋な娘の話
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「昨日、日向の宗家に賊が入ったらしい」
こちらを見つめ、呟くかのように言った三代目に大蛇丸とアカリは顔を見合わせた。
「へ~・・・そうなんですか
木ノ葉も物騒ですね」
「木ノ葉は物騒よ。だから、あまり一人で出歩いちゃ駄目よアカリ」
「分かってます!大蛇丸ってば会う度に過保護になってる気がするわ」
「それはそうよ。アカリは私に取って大切な人だもの」
「私も大蛇丸は大切な子だよ」
一緒だね、と笑うアカリ。
相変わらず一方通行な会話に見ていた三代目が思わず苦笑いを浮かべていて大蛇丸も微妙な表情をしていた。
「あれ、何の話をしていたんでしたっけ」
喋っている内に何を話していたのか分からなくなり、アカリは朝からの事を回想する。
沢山回ったお宅訪問を終えてのんびりしていた今日の午前。
それを邪魔するかのように三代目の使いがやって来て、大蛇丸と共に火影部屋に来たのが正午で今である。
「先生が日向のお家の話をして「それはもう良い」え?」
「お主等二人が昨晩、何処で何をしていおろうとわしは知らん」
三代目は机に置いていた煙管を手にとりくわえた。
もくもくと上がる白い煙りに気をとられながらもアカリは三代目を見る。
「大蛇丸、お主の護衛の任は今を持って解く」
「!!
そう、・・・ですか」
「護衛の任を解くって、
どういう事?」
ん?と頭を傾げたアカリに三代目と大蛇丸は溜め息を吐く。
「ミナト達が任務から帰って来たのだ」
アカリは駆けた。
一般人の平均以下とも言える体力ながら火影室を飛び出してから一度も休む事無く道を駆ける。
吐く息は荒く、心臓は飛び出してくるのでは無いかと思う程激しく動いているが不思議と止まろうとは思わなかった。
ミナトさんが帰ってきた!
そう思うと今にも筋肉痛という悲鳴をあげそうな足は軽くなり、弾む。
どうしてこんなにも自分が喜んでいるのかアカリは分からなかったがミナトに会いたいという一心で里を駆けた。
三代目の話ではこの道を歩いていればミナトと会えるらしい。
「はぁ、はぁ、」
苦しい
でも止まれない
止まりたいと思ってもアカリを走らせる何かが強くて駆けてしまう。
早鐘を打つ動悸に胸を押さえながら走っていれば覚えある後ろ姿が見えた。
「ミナト、
さん・・・」
ドシャァと砂埃をたてながらアカリは顔面を地面へ滑り込ませる。
別に足が縺れたとか地面に蹴躓いたとかそう言うものではなく、アカリは一般女性平均以下の体力しか持ち合わせてはいない。
忍者ではない一般人以下の体力しか持たないアカリが何キロかある距離を全力疾走し続けたらどうなるのか、少し想像したら分かるだろうか。
「アカリさん?!」
「おいおい、大丈夫か」
離れた所からリンとオビトの声が聞こえ、うつ伏せになっていた身体が浮いた。
近く感じるミナトの顔にアカリは目を回しかけながらも何とか笑う。
「お帰りなさい。
皆も、」
そこまで言ってアカリの意識が飛んでしまった。
まるで事切れたかの様に喋らなくなったアカリにミナトも、リンもオビトも焦る。
「アカリちゃん、アカリちゃん?!」と思わず揺するミナトに今まで傍観していたカカシが止めに入った。
「先生、落ち着いて下さい。この人貧血で気を失ってるだけだと思いますよ」
「え?」
そうなのかい?と尋ねてきたミナトに頷きカカシはアカリの手首へと手を伸ばす。
「脈は少し速いけど、元々貧血の気はあったみたいだしたぶん急激な運動か何かをしたんじゃないんですかこの人」
「カカシ、まるで医者みたいだな」
「この程度の知識・・・オビトも忍をやってるんならもう少し勉強した方が良いんじゃない?」
ふっ、と呆れた目をして笑ったカカシにオビトは顔をひきつらせ拳を握った。
歯をくいしばれと拳を振り上げたオビト、それに動じる様子のないカカシの間にリンが割り込む。
「はいはい、喧嘩しないの!二人共」
「止めるなリン!人がせっかく褒めてやったのに」
「褒めてくれと、俺は頼んだ覚えはないよ」
「もう、二人共いい加減にしなさいよ!
先生も何か言って下さい・・・」
と、いつもなら自分と一緒に止めに入ってくれるミナトが参加して来ないので、振ってみたが無反応。
アカリが気を失ったのが貧血だと知り、安心したまま意識をそちらへと持っていかれている。
「・・・先生」
「え?あ、うん。
なんだい?」
今までの喧嘩も耳に届いていなかった様で「どうかした?」と尋ねてきたミナトに三人は顔を見合わせる。
「あー・・・もう!」
頭が痛いと言わんばかりにリンは自分の頭を抱えた。
「・・・貧血とは言えそのままじゃ心配なので先生はアカリさんを連れて帰って下さい」
リンの言葉にミナトは反論しようとしたのだが言いかける間もなくリンに「良いですね?」と強く押され丸め込まれる。
「報告書は私達で出しておきますから」
増える仕事にオビトはあからさまに嫌な顔をしたが誰も、何も言わない。
ミナトは報告書が気掛かりだったがそれ以上に自分の腕の中で横たわるアカリが心配で、カカシは仕事が減ろうが増え様が気にしない様子だった。
「じゃあ、お願いしちゃおうかな?」
苦笑いを浮かべ、ミナトは鞄から半分の記入が済んだ報告書を取り出しリンへと手渡す。
「俺が書かなくちゃいけない所はもう記入済み。
後はよろしく頼むよ」
「おう、先生は泥船にでも乗ったつもりで帰ってくれよ!」
胸を張り、誇らしげに言ったオビトにリンはガクリと肩を落とした。
カカシも呆れた目をしていて、二人の様子に気付いたオビトは「何だよ」と二人を交互に見る。
何も言わない二人に代わりに、噴き出したのか口許を押さえたミナトが今さっきオビトがした間違いを正す。
「この場合、泥船じゃなくて大船だよ。
泥船じゃ海に出てもすぐに沈んじゃうからね」
「あ、」
「オビト・・・何て初歩的なミスを」
「もう既に"初歩的"を越えてる気がするけどね」
小さな声で呟いたカカシの言葉はマスク越しという事もあり誰の耳にも届いていない。
自信たっぷりに言った言葉を指摘され、自分が盛大に間違えた事に流石のオビトも恥ずかしかったのか顔を赤くする。
「でも気持ちは伝わったから
ありがとう」
優しく微笑んだミナトにオビトもリンも嬉し、恥ずかしく照れた。
「じゃあ、また明日。
いつもの時間にいつもの場所で」
そう言って見送る間もなくその場から消えたミナトに
「わざわざ術を使う何て」
とリンは楽しげに笑う。
「ねえ、カカシ。やっぱり愛があると思わない?」
「思わない」
「カカシは本当に頑固ね」
こちらを見つめ、呟くかのように言った三代目に大蛇丸とアカリは顔を見合わせた。
「へ~・・・そうなんですか
木ノ葉も物騒ですね」
「木ノ葉は物騒よ。だから、あまり一人で出歩いちゃ駄目よアカリ」
「分かってます!大蛇丸ってば会う度に過保護になってる気がするわ」
「それはそうよ。アカリは私に取って大切な人だもの」
「私も大蛇丸は大切な子だよ」
一緒だね、と笑うアカリ。
相変わらず一方通行な会話に見ていた三代目が思わず苦笑いを浮かべていて大蛇丸も微妙な表情をしていた。
「あれ、何の話をしていたんでしたっけ」
喋っている内に何を話していたのか分からなくなり、アカリは朝からの事を回想する。
沢山回ったお宅訪問を終えてのんびりしていた今日の午前。
それを邪魔するかのように三代目の使いがやって来て、大蛇丸と共に火影部屋に来たのが正午で今である。
「先生が日向のお家の話をして「それはもう良い」え?」
「お主等二人が昨晩、何処で何をしていおろうとわしは知らん」
三代目は机に置いていた煙管を手にとりくわえた。
もくもくと上がる白い煙りに気をとられながらもアカリは三代目を見る。
「大蛇丸、お主の護衛の任は今を持って解く」
「!!
そう、・・・ですか」
「護衛の任を解くって、
どういう事?」
ん?と頭を傾げたアカリに三代目と大蛇丸は溜め息を吐く。
「ミナト達が任務から帰って来たのだ」
アカリは駆けた。
一般人の平均以下とも言える体力ながら火影室を飛び出してから一度も休む事無く道を駆ける。
吐く息は荒く、心臓は飛び出してくるのでは無いかと思う程激しく動いているが不思議と止まろうとは思わなかった。
ミナトさんが帰ってきた!
そう思うと今にも筋肉痛という悲鳴をあげそうな足は軽くなり、弾む。
どうしてこんなにも自分が喜んでいるのかアカリは分からなかったがミナトに会いたいという一心で里を駆けた。
三代目の話ではこの道を歩いていればミナトと会えるらしい。
「はぁ、はぁ、」
苦しい
でも止まれない
止まりたいと思ってもアカリを走らせる何かが強くて駆けてしまう。
早鐘を打つ動悸に胸を押さえながら走っていれば覚えある後ろ姿が見えた。
「ミナト、
さん・・・」
ドシャァと砂埃をたてながらアカリは顔面を地面へ滑り込ませる。
別に足が縺れたとか地面に蹴躓いたとかそう言うものではなく、アカリは一般女性平均以下の体力しか持ち合わせてはいない。
忍者ではない一般人以下の体力しか持たないアカリが何キロかある距離を全力疾走し続けたらどうなるのか、少し想像したら分かるだろうか。
「アカリさん?!」
「おいおい、大丈夫か」
離れた所からリンとオビトの声が聞こえ、うつ伏せになっていた身体が浮いた。
近く感じるミナトの顔にアカリは目を回しかけながらも何とか笑う。
「お帰りなさい。
皆も、」
そこまで言ってアカリの意識が飛んでしまった。
まるで事切れたかの様に喋らなくなったアカリにミナトも、リンもオビトも焦る。
「アカリちゃん、アカリちゃん?!」と思わず揺するミナトに今まで傍観していたカカシが止めに入った。
「先生、落ち着いて下さい。この人貧血で気を失ってるだけだと思いますよ」
「え?」
そうなのかい?と尋ねてきたミナトに頷きカカシはアカリの手首へと手を伸ばす。
「脈は少し速いけど、元々貧血の気はあったみたいだしたぶん急激な運動か何かをしたんじゃないんですかこの人」
「カカシ、まるで医者みたいだな」
「この程度の知識・・・オビトも忍をやってるんならもう少し勉強した方が良いんじゃない?」
ふっ、と呆れた目をして笑ったカカシにオビトは顔をひきつらせ拳を握った。
歯をくいしばれと拳を振り上げたオビト、それに動じる様子のないカカシの間にリンが割り込む。
「はいはい、喧嘩しないの!二人共」
「止めるなリン!人がせっかく褒めてやったのに」
「褒めてくれと、俺は頼んだ覚えはないよ」
「もう、二人共いい加減にしなさいよ!
先生も何か言って下さい・・・」
と、いつもなら自分と一緒に止めに入ってくれるミナトが参加して来ないので、振ってみたが無反応。
アカリが気を失ったのが貧血だと知り、安心したまま意識をそちらへと持っていかれている。
「・・・先生」
「え?あ、うん。
なんだい?」
今までの喧嘩も耳に届いていなかった様で「どうかした?」と尋ねてきたミナトに三人は顔を見合わせる。
「あー・・・もう!」
頭が痛いと言わんばかりにリンは自分の頭を抱えた。
「・・・貧血とは言えそのままじゃ心配なので先生はアカリさんを連れて帰って下さい」
リンの言葉にミナトは反論しようとしたのだが言いかける間もなくリンに「良いですね?」と強く押され丸め込まれる。
「報告書は私達で出しておきますから」
増える仕事にオビトはあからさまに嫌な顔をしたが誰も、何も言わない。
ミナトは報告書が気掛かりだったがそれ以上に自分の腕の中で横たわるアカリが心配で、カカシは仕事が減ろうが増え様が気にしない様子だった。
「じゃあ、お願いしちゃおうかな?」
苦笑いを浮かべ、ミナトは鞄から半分の記入が済んだ報告書を取り出しリンへと手渡す。
「俺が書かなくちゃいけない所はもう記入済み。
後はよろしく頼むよ」
「おう、先生は泥船にでも乗ったつもりで帰ってくれよ!」
胸を張り、誇らしげに言ったオビトにリンはガクリと肩を落とした。
カカシも呆れた目をしていて、二人の様子に気付いたオビトは「何だよ」と二人を交互に見る。
何も言わない二人に代わりに、噴き出したのか口許を押さえたミナトが今さっきオビトがした間違いを正す。
「この場合、泥船じゃなくて大船だよ。
泥船じゃ海に出てもすぐに沈んじゃうからね」
「あ、」
「オビト・・・何て初歩的なミスを」
「もう既に"初歩的"を越えてる気がするけどね」
小さな声で呟いたカカシの言葉はマスク越しという事もあり誰の耳にも届いていない。
自信たっぷりに言った言葉を指摘され、自分が盛大に間違えた事に流石のオビトも恥ずかしかったのか顔を赤くする。
「でも気持ちは伝わったから
ありがとう」
優しく微笑んだミナトにオビトもリンも嬉し、恥ずかしく照れた。
「じゃあ、また明日。
いつもの時間にいつもの場所で」
そう言って見送る間もなくその場から消えたミナトに
「わざわざ術を使う何て」
とリンは楽しげに笑う。
「ねえ、カカシ。やっぱり愛があると思わない?」
「思わない」
「カカシは本当に頑固ね」