寂しがり屋な娘の話
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ジャラジャラと石同士、擦れる音が部屋に響く。
部屋の隅に何処か顔が似た者達が座り、アカリは部屋の中央で拝まれていた。
「ありがたや~ありがたや~」
アカリを拝むのはこの一族代表で有ろうご婦人。
一族でも若い者達はアカリが何者かも分からない様子だったが比較的に年のいった者達は目の前の婦人と同様にアカリを拝んでいた。
「この老いぼれ、一度だけならず二度までもあなた様にお会い出来るとは・・・ありがたやぁ」
「この間はあまり長居出来ませんでしたが今日は時間があります。
何でも聞きますよ?」
アカリのそんな言葉に「では!」と婦人は手を握り迫る。
「ここ数年、一族の術が使えない子供が増えておりまして」
「見ていただけないでしょうか?」
あの子達を、と婦人が合図すれば何が何だかよく分かっていない様子の子供達がアカリの前に出された。
「良いですよ」
そう言ったアカリの目が白く、何もかも見透かす様な瞳に変わる。
それには目の前の子供達はは驚くのだが後ろには両親であろう者達が控えていて逃げる事を許さない。
そうしている間にアカリの白い指が子供の薄い胸板に触れた。
アカリの白くなった目には何が見えているのか細い指が撫でる様に胸、腹、胸と移動する。
触れた指がくすぐったいのか身を捩る子供にアカリは落ち着いた声で「動かないで」と言う。
一人見てまた次の子供を同じように見てまた次を見る。
前に出された子供達を全て見てアカリはため息をつく。
「あの、どうでしょう・・・?」
「・・・七軒目です」
「え?」
「近親間でもうけた子供だからでしょう。血が濃すぎたんです」
周りはアカリが言っている事を理解していないようだった。
頭を傾げるだけの彼らにアカリは再度、ため息をつく。
「この子達の潜在能力はとても強いですが、能力を使うには体が脆すぎる。術を使えば体が壊れるかもしれない。
だから無意識に術を使わない様にしているんでしょう」
呆れる様な目をしてアカリは婦人を見た。
「自然に縁を結べば良かったのです。無理矢理に縁を結ぶからこんな事になった。
どの家も自業自得ですね」
アカリはふらりと立ち上がる。
長く座っていた足が痺れていた。
帰ろうとするアカリの足にに何かが纏わり付く。
「お待ち下さい!」
アカリの足にしがみついていたのは一族の長である婦人だった。
「どうかこの子達に術を使えるようしていただけないでしょうか!」
「無理です。この子達の能力は高すぎます。
術を使えばすぐに体が壊れる」
「ですが、貴女様の持つ力で何とか・・・!」
「・・・だから「だからアカリは無理だって言ってるでしょう?」