寂しがり屋な娘の話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
飛び出した、と言ってもミナトや他の忍達の様に家々を飛び移ったりするなんて事は出来ない。
アカリが幾ら高等忍術を使えたって体力は一般の成人女性程度(かそれ以下)なのだ。
「遅い」
手紙で書かれた場所に着いて最初に言われたのがその言葉だった。
指定された場所。
そこで、相手は待ちくたびれた様子で立っている。
じゃあ、こんな離れた場所に呼び出さなくても良いじゃない、とアカリは肩で息をしながら思った。
「これでも全力で走ったんです。勘弁してください」
持っていた日傘を下ろし、畳んでいると何故か周りからは驚きの声が上がっている。
『あんな小娘が?』
『本当にあの娘が・・・』
『あんな細腕でなぁ』
会話、丸聞こえなんですけど
こんな事で彼等は忍としてやっていけているのか心配になりながらもざわついている原因が自分の若さについてだったのであまり悪い気はしなかった。
ざわついている部下を見かねて隊長らしき男がアカリに近付きながらも口を開く。
「お前達が心配になる気持ちは分かる」
アカリの腕を掴み、持ち上げつつ話しを続ける。
「確かにこの方は若く、腕は里の娘達よりも細い。
だが、この方の頭には忍術のあらゆる知識が全てと言って良いほど詰まっているのだ。
その知識さえあれば俺達はこの戦争にも勝てる!」
わぁああっと意気上がる忍達を眺めながらアカリは呟いた。
「まあ、私が手を貸したら
の話ですけどね」
「何?」
アカリの一言に腕を掴んだままだった男は眉を上げた。
「私は呼ばれたから来ただけで力を貸すなんて一言も言っていません」
「この状況で俺達に力を貸さないと・・・?」
「そういうことです」
明らかな敵意を向けられる中、アカリはにやりと笑う。
「知識ばかりの小娘が俺達に抵抗しようって言うのか」
そんな声がちらほら上がっている。
「私、皆さんに言わなくちゃいけない事があるんです」
突然の発言に五月蝿かった周りは落ち着きアカリの言葉に耳を傾ける。
内、一人が「何をだ」と尋ねた。
アカリは俯いていた顔を上げ続ける。
「隊長さんは私に知識があると言いましたが
それだけじゃないんですよ?」
ばしゃん、と音をたててアカリが溶けた。
その様子に驚く一同。
「あら、水化の術は初めて?
じゃあこれは?」
"木遁・樹縛栄葬"
声が足元の水溜まりから聞こえたと気付いた時には既に遅かった。
地面から現れた木の根が彼等の足を捉え体に絡まり出す。
一人づつ嫌な音をたてて絶命する姿に誰もか目を背けた。
そうしている間にアカリはずるずると水溜まりから人間の体へと戻っていく。
「助けてくれ!」
仲間の酷い死に方に堪えきれず一人の忍が助けを求める。
それを皮切りに俺も!私も!と助けを求める声が上がった。
「どうして?」
「どうしてって・・・」
「貴方達は敵が情けを求めた時にその命、見逃した?見逃さなかった筈よ」
アカリの言葉に誰もが口を噤む。
「それなのに自分の時は助かろう何て都合の良い話よ」
そうでしょう、と言われ誰もが反論出来なかった。
そしてまたすぐに始まる死の絶叫に誰もが顔を強張らせる。
「大丈夫、最後までしようなんて思ってないから
だって貴方達で出来た木なんて誰も喜ばないもの」
笑顔でそう言い切ると見上げ続けて疲れたのかアカリは首を何度か動かし、辺りを見渡す。
丁度近くに切り株を見付けて、腰を下ろした。
「じゃあ、さっさと片付けちゃいましょう」
アカリが幾ら高等忍術を使えたって体力は一般の成人女性程度(かそれ以下)なのだ。
「遅い」
手紙で書かれた場所に着いて最初に言われたのがその言葉だった。
指定された場所。
そこで、相手は待ちくたびれた様子で立っている。
じゃあ、こんな離れた場所に呼び出さなくても良いじゃない、とアカリは肩で息をしながら思った。
「これでも全力で走ったんです。勘弁してください」
持っていた日傘を下ろし、畳んでいると何故か周りからは驚きの声が上がっている。
『あんな小娘が?』
『本当にあの娘が・・・』
『あんな細腕でなぁ』
会話、丸聞こえなんですけど
こんな事で彼等は忍としてやっていけているのか心配になりながらもざわついている原因が自分の若さについてだったのであまり悪い気はしなかった。
ざわついている部下を見かねて隊長らしき男がアカリに近付きながらも口を開く。
「お前達が心配になる気持ちは分かる」
アカリの腕を掴み、持ち上げつつ話しを続ける。
「確かにこの方は若く、腕は里の娘達よりも細い。
だが、この方の頭には忍術のあらゆる知識が全てと言って良いほど詰まっているのだ。
その知識さえあれば俺達はこの戦争にも勝てる!」
わぁああっと意気上がる忍達を眺めながらアカリは呟いた。
「まあ、私が手を貸したら
の話ですけどね」
「何?」
アカリの一言に腕を掴んだままだった男は眉を上げた。
「私は呼ばれたから来ただけで力を貸すなんて一言も言っていません」
「この状況で俺達に力を貸さないと・・・?」
「そういうことです」
明らかな敵意を向けられる中、アカリはにやりと笑う。
「知識ばかりの小娘が俺達に抵抗しようって言うのか」
そんな声がちらほら上がっている。
「私、皆さんに言わなくちゃいけない事があるんです」
突然の発言に五月蝿かった周りは落ち着きアカリの言葉に耳を傾ける。
内、一人が「何をだ」と尋ねた。
アカリは俯いていた顔を上げ続ける。
「隊長さんは私に知識があると言いましたが
それだけじゃないんですよ?」
ばしゃん、と音をたててアカリが溶けた。
その様子に驚く一同。
「あら、水化の術は初めて?
じゃあこれは?」
"木遁・樹縛栄葬"
声が足元の水溜まりから聞こえたと気付いた時には既に遅かった。
地面から現れた木の根が彼等の足を捉え体に絡まり出す。
一人づつ嫌な音をたてて絶命する姿に誰もか目を背けた。
そうしている間にアカリはずるずると水溜まりから人間の体へと戻っていく。
「助けてくれ!」
仲間の酷い死に方に堪えきれず一人の忍が助けを求める。
それを皮切りに俺も!私も!と助けを求める声が上がった。
「どうして?」
「どうしてって・・・」
「貴方達は敵が情けを求めた時にその命、見逃した?見逃さなかった筈よ」
アカリの言葉に誰もが口を噤む。
「それなのに自分の時は助かろう何て都合の良い話よ」
そうでしょう、と言われ誰もが反論出来なかった。
そしてまたすぐに始まる死の絶叫に誰もが顔を強張らせる。
「大丈夫、最後までしようなんて思ってないから
だって貴方達で出来た木なんて誰も喜ばないもの」
笑顔でそう言い切ると見上げ続けて疲れたのかアカリは首を何度か動かし、辺りを見渡す。
丁度近くに切り株を見付けて、腰を下ろした。
「じゃあ、さっさと片付けちゃいましょう」